子宮頸がんの患者さんは、20歳代後半~40歳代後半と若い世代に多いがんです。
早期に発見すれば治癒しやすいことから、早期発見が大変重要といえます。

子宮頸がん年齢別罹患者数グラフ(2008年)

地域がん登録全国推計によるがん罹患データ2008,がん情報サービスセンター

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部の粘膜上皮(表面の細胞)に「がん」ができる女性特有の病気です。女性に起こるがんとしては世界的に、乳がんに次いで発症率、死亡率ともに第2位です。
現在、日本では年間約12,000人が子宮頸がんを発症し、約3,500人が死亡しています。死亡に至らない場合でも、子宮全体の摘出により妊娠や出産ができなくなることもあります。
子宮に発生するがんには、ほかに子宮の奥の子宮体部と呼ばれる部分に発生する「子宮体がん」があります。子宮体がんは50~60歳を中心とする中高年の女性に多くみられ、女性ホルモンの異常が原因と考えられています。

子宮頸がんは、ヒトパピローマウィルス(HPV)と発がんとの関係が明らかになり、細胞診断によって細胞にみられる異常だけでなく、原因となるHPVを調べることが管理上非常に重要であると認識されました。当院でもHPVの検査を重点におき、液状検体による細胞診断を行っています。

HPV(ヒトパピローマウィルス)ってなんですか?

子宮頸がんは、発がん性のヒトパピローマウィルスの持続的な感染が原因となって発症します。HPVは、1940年代にヒトの皮膚から発見され、現在までに100種類以上が確認されています。ヒトの皮膚や粘膜にいる、ごくありふれたウィルスで、1980年代以降にその一部の種類が子宮頸がんの発症の原因であることが明らかになり,最近注目を集めています。

ヒトパピローマウイルスは性交渉が原因で感染します。性交渉の経験がある女性の80%は感染しているといわれています。
しかし、ヒトパピローマウイルスに感染したからといって、必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。
感染してもほとんど症状が現れず、自然にウイルスが排除されています。
このウイルスが排除されず、長い間感染が続くと、がんが発生することがあります。

HPVと子宮頸がん

  • HPVテストが陽性とは、子宮頸がんの原因となるハイリスクHPV13種類 (16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68 型)のいずれかの感染があることを示しています。
  • ほとんどの成人女性(約80%)が一度はHPVに感染し、約90%は自然に消えます。
  • HPVは皮膚・粘膜の接触で伝搬します。
  • HPVは健康な女性にも存在しており、細胞診で異常がなければ治療の必要はありません。
  • 免疫や喫煙などの要因が加わり、高度異形成やがんに進行します。
  • 子宮頸がんはありふれたウイルス(HPV)による稀な合併症です。

子宮頸がんのおもな危険因子

  • 性体験年齢が低い
  • 性交渉のパートナーが多い
  • 出産経験が多い
  • ヒトパピローマウイルス以外の性行為による感染症
  • 喫煙・受動喫煙
  • 長期間の経口避妊薬の使用  など

HPVに関するQ&A

HPVと子宮頸がんにはどのような関係があるのですか?

100種類以上も存在するHPVのうち、子宮頸がんの発症に関係するのは15種類ほどで,それらは発がん性HPV(がんを引き起こす危険性が高いタイプのHPV)を呼ばれています。発がん性HPVが子宮頸部に長期間感染し続けることにより、子宮頸がんんが発症することが明らかとなっています。
子宮頸がんの患者さんのがん組織からは、ほぼ100%の確率で発がん性HPVが検出され、特にHPV16型および18型というタイプが60~70%にみられることが報告されています。

HPVはどのようにして感染するのですか?

発がん性HPVの子宮頸部への感染は、ほとんどが性交渉によるものです。性交渉によって子宮頸部粘膜にできた、ごく小さな傷からウィルスが侵入して感染がおこります。
このウィルスに感染することは決して特別なことではなく、性交経験がある女性であれば、誰でも感染する可能性があります。性交経験がある女性の約80%が一生のうちに一度はこの発がん性HPVに感染するといわれています。
子宮頸がんは最近20代から30代の女性に増加していることが指摘されています。子宮頸がんは、若い女性の妊娠や出産の可能性、尊い命を奪うがんといえます。

HPVに感染すると必ず子宮頸がんになるのですか?

発がん性HPVに感染しても、ほとんどの場合感性は一過性で、ウィルスは自然に排除されてしまいます。しかし、ウィルスが排除されずに長期間感染が続くと一部は前がん病変(がんになる前の状態)となり、ごく一部で子宮頸がんを発症します。
発がん性HPVの感染が長期間続くと、子宮頸部の細胞がだんだんと異常な形態を示すようになり、やがてがん化すると考えられています。
発がん性HPVの感染から子宮頸がん発症までには、通常、数年~10数年以上かかります。この間は、前がん病変といわれる状態で、子宮がん検診によって発見することが可能です。

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がんの予防方法としてはHPVの予防接種(ワクチン)があり、最近日本でも認可されました。接種するのは、性交渉の経験がない12歳前後になる予定です。
20歳以上で接種した場合の予防効果は不明で、また、ワクチンを接種したとしても予防効果がいつまで続くのかははっきりしていないため、やはり検診は必要です。
なお、ワクチンは子宮頸がんの治療には使われません。

子宮頸がんは早期発見が可能です。

  • 子宮頸がんは、初期には自覚症状のないことが多く、無症状のまま進行し、検診(子宮がん検診)で初めてみつかることも少なくありません。
  • 子宮頸がんは、前がん病変(がんになる前の状態)、ごく初期のがんで発見し治療を行えば、ほぼ100%完治し、その後の妊娠や出産にもほとんど影響しません。
  • 各自治体では、20歳以上の女性に対して子宮がん検診を実施しています。費用は自治体によって異なりますが、無料あるいは一部負担となっています。時期については自治体にお問い合わせいただくことをおすすめします。
  • 早期発見のためにも、是非とも子宮がん検診を受けましょう。

当院では高周波LEEP装置を用いて、日帰り手術を行っています。

計208例(2010〜2018年)

前がん病変(がんの一歩手前)や、子宮頸がん0期(上皮内がん)では、頸部の表面を切除する円錐切除法で治療できます。子宮のほとんどを残すことができ、妊娠・出産も可能です。当院では高周波を用いたLEEP装置を用いて、日帰り手術を行っています。

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婦人科の病気

子宮頸がん

子宮頸がんは、20歳代後半~40歳代後半と若い世代に多いがんです。

子宮筋腫

子宮筋腫の治療に内視鏡を用いた手術を行っています。

子宮内膜症

子宮内膜症は、生殖年齢女性の約7~10%の頻度でおこり、20~40代でよくみられます。

卵巣のう腫

卵巣腫瘍の治療に内視鏡を用いた手術を行っています。

子宮腺筋症

子宮腺筋症の治療法は、症状の程度や大きさ、妊娠・出産の希望の有無によって選択します。

子宮脱・性器脱

高齢化社会に突入し、50代から70代にかけての女性に増えているのが、子宮脱(性器脱)です。

月経前症候群

PMSとは月経前に調子が悪くなり、月経の始まりとともに軽快する症状のことをいいます。

更年期障害

更年期障害というのは女性ホルモンの急激な減少によるさまざまな症状のことをいいます。