子宮内膜症は、生殖年齢女性の約7~10%の頻度でおこり、20~40代でよくみられます

子宮内膜によく似た組織が子宮以外の部位にできます。卵巣、卵管、子宮と直腸の間のすき間であるダグラス窩など、いろいろなところにできますが、女性ホルモン(エストロゲン)に反応して増殖し、月経のような出血を起こします。そのため、血液がたまってのう胞をつくったり、周囲の組織と癒着を起こしたります。卵巣に血液がたまってできるチョコレート状ののう胞はチョコレートのう胞と呼ばれます。発症年齢は20~30代に多く、最近は増加しているといわれています。

  • 子宮内膜症は、生殖年齢女性の約7~10%の頻度でおこり、20~40代でよくみられます。
  • 子宮内膜組織に似た組織が、何らかの原因で子宮内腔または子宮筋層以外の場所に発生して増殖する疾患です。
  • 通常は月経のたびに子宮内膜がはがれ排出されますが、子宮内膜症では病巣は月経のときなどに出血し、血液が組織にたまって、炎症や癒着をひきおこします。
  • 子宮内膜症の病巣は、まれに胸膜や肺、ヘソなどにもみられることがあります。
  • なんらかの原因で子宮筋層に子宮内膜組織が入り込む病気を「子宮腺筋症」と呼び、子宮内膜症とは区別します。
  • 症状は子宮内膜の組織ができた場所によっても異なりますが、出血のほか下腹痛、腰痛、月経時の発熱、不妊、排便痛、性交痛などです。特に、原因不明の不妊症の人を調べると、半数以上に子宮内膜症がみつかるといわれています。

子宮内膜症に対する治療

薬物療法

薬剤:鎮痛剤(NSAIDs)、漢方薬など
比較的軽い症状の痛みを取り除きます。

薬剤:低用量ピル、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬
排卵と子宮内膜の増殖を抑制することで、月経痛などの症状を抑えます。
副作用:不正性器出血、悪心、頭痛、稀発月経、上腹部痛、下腹部痛、乳房不快感および血栓症など

薬剤:ジェノゲスト
女性ホルモンの分泌を抑え、直接病巣にはたらいて病巣を小さくします。
副作用:不正性器出血、ほてり、頭痛、悪心など

薬剤:GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニスト
性腺刺激ホルモンの分泌を抑え、閉経時に近い状態をつくり病巣を縮小させ、月経痛や性交痛などの疼痛を抑えます。
副作用:のぼせ、ほてり、肩こり、頭痛、不正性器出血など

手術療法

藤東クリニックでは、子宮内膜症の治療に内視鏡を用いた手術を行っています。
内視鏡手術の特長は、身体への侵襲が少なく、入院期間が短いことです。
内視鏡手術に熟練した医師が手術を行いますのでご安心ください。
婦人科良性腫瘍(子宮筋腫、卵巣腫瘍など)はほとんど内視鏡手術で治療することが可能ですのでぜひご相談ください。

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