働く女性の82.2%が強いストレスを実感!「自分らしく健やかに輝くため」のヒントを総まとめ|藤東クリニックインサイト
「こんにちは、皆さん。この度は、藤東クリニック インサイトへようこそ。」
このお馴染みの挨拶から始まる、藤東クリニックのYouTubeチャンネル「藤東クリニック インサイト」。女性の健康に関する様々な情報を、データに基づいて分かりやすく解説するこのチャンネルで、特に注目を集めたシリーズが「働くあなたの心と体を守る方法」です。
「令和6年版厚生労働白書」を主な参考資料とし、現代の女性が抱える心と体の悩みや、健やかに過ごすためのヒントを探ってきたこのシリーズも、ついに最終回を迎えました。
この記事では、シリーズ最終回の内容をダイジェストでご紹介。日々多くのプレッシャーの中で頑張る現代の働く女性が、より健やかに、そして自分らしく輝くためのヒントを一緒に見つけていきましょう。
働く女性を取り巻く厳しい現実:データが示すストレスとその背景
シリーズを通して、厚生労働白書のデータを基に、現代の働く女性が直面している様々な課題が浮き彫りになりました。
まず衝撃的なのは、2022年の調査で、仕事で強いストレスを感じている女性労働者の割合が82.2%にも上るという事実です。この高い数値は、多くの女性が日々の業務の中で、目に見えないプレッシャーや負担を感じていることを示しています。
ストレスの内容も、年代によって傾向が異なります。
- 若い世代: 「仕事の失敗や責任の発生」
- 50代: 「仕事の量」
また、雇用形態によってもストレスの質は異なり、正社員では「仕事の量」や「仕事の失敗、責任の発生等」が上位でしたが、派遣労働者では「雇用の安定性」が突出して高いという結果でした。
重要なのは、まずご自身が何にストレスを感じやすいのか、そのサインに気づくこと、そしてそれは決して特別なことではないと理解することだと、番組では繰り返し述べられています。
ストレスと密接に関わる「長時間労働」と「睡眠不足」
ストレスの大きな要因ともなるのが、「長時間労働」と「睡眠不足」です。日本人の睡眠時間は国際的に見ても短い傾向にあり、1週間の実労働時間が長くなるほど、うつ病・不安障害の疑いがある人の割合が増加するというデータは無視できません。
特に、睡眠時間が5時間未満の方では、こころの健康状態が良好(K6の点数が0~4点)である割合が52.2%と最も低く、逆に睡眠時間が7時間以上8時間未満の方では78.4%と最も高くなるという具体的な数字は、睡眠の重要性を明確に示しています。
理想の睡眠時間と比べて実際の睡眠時間が1時間不足している方が39.6%と最も多く、このズレが大きくなるほど、うつ傾向・不安なしの方の割合が減少するというデータも。十分な睡眠が確保できない状態は、日中の集中力や判断力が低下する「プレゼンティーズム」にも繋がり、これは企業にとっても生産性の低下を招く問題です。
深刻化する「ハラスメント」の問題
職場における「ハラスメント」も、働く女性の心身に大きな影響を与える問題です。パワーハラスメントの相談件数は依然として多く、企業が実際にハラスメントに該当すると判断した事例で最も多かったのが「顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)」で86.8%。これは現代ならではの問題と言えるでしょう。
この「顧客等からの著しい迷惑行為」は、過去3年間で該当件数が増加したと答えた企業の割合も最も高く、対策の難しさが伺えます。
ハラスメントは被害者の心身に深い傷を残し、働く意欲や尊厳を著しく損なう行為です。フリーランスが発注者からハラスメントを受けるケースも報告されており、その形態は多様化しています。
心と体を守るために日々実践できる「セルフケア」のヒント
こうした厳しい現状の中で、私たち自身がこころと体を守るために実践できるセルフケアについて、番組では具体的なヒントが紹介されました。
-
自分自身の状態に気づく
何にストレスを感じているのか(仕事の量、質、対人関係など)を把握することが第一歩。日々の体調や気分の変化を意識し、自分にとっての不調のサインを知りましょう。日記や信頼できる人への相談も有効です。 -
質の高い睡眠を確保する
睡眠時間を確保することが、こころの安定に繋がります。寝る前のカフェイン摂取やスマートフォンの光刺激を避け、寝室環境を整えるなど、できることから生活習慣を見直しましょう。毎日決まった時間に寝起きするだけでも効果的です。 -
バランスの取れた食事と適度な運動
- 食事: 様々な食材をバランス良く摂ることで、体の内側からエネルギーを生み出し、こころの安定にも繋がります。女性特有の栄養不足(鉄分など)にも意識を向けましょう。
- 運動: ストレスホルモンを減少させ、幸福感をもたらすエンドルフィンの分泌を促します。ウォーキングやストレッチなど、心地よいと感じるものを無理のない範囲で生活に取り入れましょう。週に数回、30分程度から始めるのがおすすめです。
-
自分に合った働き方を見つける
「ワーク・エンゲイジメント」(仕事への活力・熱意・没頭)を高めることは、ストレスを感じにくくするだけでなく、生産性の向上にも繋がります。職場のコミュニケーション円滑化、労働時間の短縮、働き方の柔軟化などが要因として挙げられます。自分の仕事に意味ややりがいを見出し、オンとオフの切り替えをしっかり行い、時には仕事の量や進め方について調整を求める勇気も大切です。
見過ごせない「女性特有の健康問題」と周囲の理解
月経困難症、PMS(月経前症候群)、更年期障害といった女性特有の健康問題は、仕事のパフォーマンスに大きく影響しますが、職場で言い出しづらく、一人で我慢してしまう方も少なくありません。
これらの症状によって集中力が低下したり、気分が落ち込んだりすることは決して珍しくなく、こうした問題がストレスやプレゼンティーズムの一因になっている可能性も指摘されています。
だからこそ、本人だけでなく、職場や家族など、周囲の方々の理解と配慮が非常に重要です。
- 月経周期による体調の変化や、更年期の多様な症状について正しい知識を持つ。
- 体調が優れない時に気兼ねなく休息を取れる雰囲気づくり。
- 業務量の調整やテレワークなどの柔軟な働き方の容認。
企業によっては、女性の健康課題に関する相談窓口の設置やセミナー開催の動きも出てきています。
そして何よりも、女性自身がこれらの症状を「仕方がないこと」「我慢するしかないこと」と諦めないこと。婦人科では、症状を和らげるための治療法やホルモン補充療法など、様々な選択肢があります。気軽に専門医に相談することで、QOL(生活の質)が大きく改善されることも少なくありません。
「あなたは一人じゃない」相談することの重要性
体調が優れない時や、心が辛いと感じた時、それを一人で抱え込んでしまうのは危険です。どんな些細なことでも、不調を感じたら早めに誰かに相談することが、こころと体の健康を守るために不可欠です。
「あなたは一人じゃない」というメッセージを胸に、頼ることをためらわない勇気を持ちましょう。
具体的な相談先としては、
- 産婦人科医: 女性の生涯にわたる健康をサポートする専門家。
- 心療内科・精神科: メンタルヘルスの不調を感じた場合。
- 社内の相談窓口、都道府県労働局の相談コーナー: ハラスメントの問題など。
(令和4年度にはパワーハラスメントに関する相談が50,840件、セクシュアルハラスメントに関する相談が20,967件寄せられています) - 地域の保健センターや相談窓口、信頼できる友人や家族、パートナーなど。
藤東クリニックも、「地域の女性たちが安心して、どんなことでも相談できるような、温かいクリニックでありたい」と願っています。
まとめ:ご自身を大切に、健やかな毎日を
「働くあなたの心と体を守る方法」シリーズを通して、働く女性が直面する課題と、それに対する具体的な対策や心構えが示されました。
現代社会において、働く女性は多くの役割を担い、日々たくさんのエネルギーを使っています。仕事で強いストレスを感じる方が8割を超えるというデータもある中で、どうかご自身を大切にすることを忘れないでください。
今回の内容が、皆さんがご自身の心と体の健康について改めて深く考えるきっかけとなり、より健やかで自分らしい毎日を送るための一助となれば幸いです。