【みんな悩んでる!】更年期、何が一番つらい?
当院では、女性の健康に関する情報をデータに基づいて分かりやすくお届けしています。今回は、YouTube番組「藤東クリニックインサイト」で取り上げたテーマ「更年期の負担」についてお伝えします。
更年期と仕事・生活のリアルな実態
更年期は、40代から50代にかけて多くの女性が経験するライフステージです。この時期には、ホルモンバランスの変化による身体的・精神的な不調が現れやすくなります。2021年にNHKや労働政策研究・研修機構(JILPT)などが共同で行った「更年期と仕事に関する調査2021」によると、更年期世代の女性たちは以下のような負担を感じていることが分かりました。
更年期で多くの女性が感じる負担とは?
調査結果によると、更年期症状を経験する女性が感じる主な負担は以下の通りです。
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身体的な不調(63.4%)
最も多く挙げられたのは身体的な不調です。具体的には、「ホットフラッシュ(急に体が熱くなる)」「寝汗」「めまい」「肩こり」「関節痛」などが代表的な症状です。 -
精神的な不調(52.0%)
次に多かったのは精神的な落ち込みや不安感です。理由もなくイライラしたり、不安になったりすることもあり、これはホルモンバランスの変化によるものです。 -
仕事との両立(33.8%)
更年期症状が仕事にも影響を与えることがあります。集中力の低下や体調不良による欠勤、周囲からの理解不足などが挙げられます。 -
経済的な負担(38.2%:症状が重い場合)
症状が重い方ほど治療費や薬代などの金銭的負担を感じる割合が高いことも明らかになっています。
職場での支援状況は?
更年期世代が抱える課題として、職場での支援不足も問題視されています。調査によれば、職場で何らかの支援を受けた経験がある女性は約3割程度に留まっています。具体的な支援内容としては以下のようなものがあります。
- 通院などのために休みやすい環境(15.2%)
- 上司や同僚から体調不良時に配慮を受けた(8.5%)
- 先輩社員などから助言やサポートを受けた(7.3%)
一方で、更年期症状が原因で雇用条件が悪化した方(降格や非正規雇用への変更など)は、職場で支援を受けた割合が比較的高いという結果も見られました。しかし、「仕事を辞めざるを得なかった」方は支援を受けた割合が低く、早い段階で適切なサポートが必要だった可能性があります。
更年期世代へのメッセージ
更年期症状は個人差が大きく、その影響も人それぞれ異なります。他人と比べて「自分だけつらい」と思わず、自分自身の体と心に向き合うことが大切です。また、職場や家庭など周囲からの理解とサポートも重要です。
次回予告:職場で求められる具体的なサポートとは?
次回は、更年期世代の働く女性たちが本当に求めている職場でのサポートについて詳しく解説します。「企業としてどんな支援ができるか」「私たち自身にできること」について、一緒に考えていきましょう。
藤東クリニックでは、女性の健康に関する情報を随時発信しています。ぜひ当院WebサイトやYouTubeチャンネルをご覧いただき、ご自身や周囲の方々のお役に立てていただければ幸いです。