B群溶連菌(ようれんきん)について
この菌は妊婦さんの約20%に認められる常在菌で、保菌者の妊婦さん自身には何の病害も示しません。
しかし、分娩時の破水や胎児の産道通過により約半数の新生児に菌が感染し、さらに感染した新生児のごく一部(約1%)に髄膜炎や敗血症などのGBS感染症を発生させます。
したがって、保菌者200人からの新生児のうち実際に問題になるのは1人程度と少数ですが、髄膜炎や敗血症は時に重症で治療困難なこともあります。
そこで、できるだけ新生児への感染率や発症率を低くするために、当院ではまず分娩時に保菌妊婦さんに抗生剤(ペニシリン)の点滴注射を行っています。
なお、破水前の帝王切開の場合は特別な治療は不要です。
この治療によって新生児への感染率を20%以下まで減少させることができますが、菌の量や抗生剤への抵抗性などは個人差があるため、残念ながら完全に感染を防止することは不可能です。
GBSに関するQ&A
妊娠中やその後も菌を持ち続けるのですか?
菌の量は自然に増えたり減ったりするため、妊娠中に陽性だからといって分娩時にも陽性とは限りません。ただ、検査の結果が出るまでにかなりの時間がかかるため、一度陽性に出た人は要注意ということで治療します。また、前のお子様がGBS感染症を起こした場合は、特に注意が必要です。
退院した後は、赤ちゃんに対する影響は心配ないのですか?
時には退院後、生後10日前後で発病することもあるため、退院後も、発熱(37.5度以上)、嘔吐・ほ乳不良、不機嫌、感冒症状(咳・鼻水)などの症状にご注意ください。このような症状がある場合は、ご連絡・相談ください。
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クラミジア感染