「辞める」を決断するその前に。仕事と治療・介護を両立する「58.8%の壁」の越え方
当院がお届けしている動画シリーズ、第5回を公開いたしました。
今回のテーマは、働く女性なら誰もが一度は不安に思う「もしも病気になったら」「親の介護が始まったら」、今の仕事を続けられるのか? という切実な問題です。
「職場に迷惑をかけるくらいなら、辞めたほうがいいのかもしれません」
診察室でそう涙される患者様は少なくありません。
しかし、産婦人科医としてお伝えしたいのは、「辞めるという決断をする前に、使える制度や頼れる人が必ずいる」ということです。
今回の動画では、厚生労働省の最新データ(厚生労働白書)をもとに、あなたを守るための知識を解説しています。
ポイント①:メンタル不調による退職率「42.3%」の衝撃
病気になっても、治療しながら働き続けたい。そう願う人は多いはずです。
しかし、現実は厳しいデータが出ています。
過去に病気休職制度を利用した方のうち、復職せずに退職してしまった方の割合は平均37.8%。
これが「こころの不調(メンタルヘルス)」の場合、42.3%にまで跳ね上がります(独立行政法人労働政策研究・研修機構調べ)。
なぜ、4割以上の方が職場に戻れないのでしょうか?
そこには、個人の問題ではなく、「会社の規模による格差」という壁がありました。
ポイント②:あなたの会社は大丈夫?「58.8%」の壁
病気を抱えた人が治療と仕事を両立できる仕組みがある会社は、全体で58.8%です。
逆に言えば、約4割の会社では、まだ制度が整っていません。
特に小規模な事業所(従業員10~29人)では、その割合は55.4%にとどまります。
「ウチの会社には制度がないから無理だ」と諦めてしまう方が多いのも無理はありません。
でも、そこで諦めないでください。
動画では、会社に制度がなくても頼れる「両立支援コーディネーター」という専門家の存在について詳しく解説しています。
ポイント③:育児・介護、ひとり親家庭を支える「マザーズハローワーク」
仕事との両立が難しいのは、病気だけではありません。
「育児」や、ある日突然始まる「親の介護」も大きな課題です。
特に、仕事・家事・育児を一人で担う「ひとり親家庭」の方にとって、理解のある職場を探すのは至難の業です。
そこで動画では、国の支援策の一つである「マザーズハローワーク」をご紹介しています。
- 担当者制で、あなたの事情を深く理解してくれる
- キッズコーナー完備で、お子様連れでも安心
- 「子育てに理解がある企業」の求人が集まっている
普通のハローワークとは全く違う、この心強いサポーターの活用法もお話ししています。
メッセージ
不妊治療や更年期障害、月経困難症など、女性特有の健康課題も、広い意味での「治療と仕事の両立」に含まれます。
「こんなことで休んではいけない」
「わがままだと思われたくない」
そうやって一人で抱え込み、心身のバランスを崩してしまう前に、まずは私たち医師や、動画で紹介している専門家に相談してください。
あなたのキャリアと健康を守るための選択肢は、あなたが思っている以上にたくさんあります。
ぜひ、今回の動画をチェックして、「自分を守るための知識」を手に入れてください。