ダイエットが引き金に?「やせたい」から始まる摂食障害と、誰でも陥る”依存症ループ”の恐怖

「やせたい」が止まらない…その気持ち、病気のサインかも?摂食障害と依存症の正しい知識

多くの女性が一度は抱く「やせたい」という気持ち。しかし、その思いがエスカレートし、心と体の健康を脅かす「摂食障害」や、特定の行動がやめられなくなる「依存症」に繋がることがあります。今回は、YouTubeチャンネル『藤東クリニック インサイト』の動画「【第6回】 「やせたい」が止められない…摂食障害と、気づかぬうちに陥る依存症のワナ」の内容をもとに、最新の公的データも参照しながら、これらの病気の危険性と正しい知識について解説します。

若い女性に忍び寄る「摂食障害」のリアル

「シンデレラ体重」や「美容体重」といった言葉がSNSで飛び交う現代、多くの女性が体型への強い関心を持っています。しかし、その思いが過度になると、「摂食障害」という心の不調につながる危険性があります。

摂食障害とは、体重や体型に対する過剰なこだわりから、食事のとり方に問題が生じる病気の総称です。主に、食べることを極端に制限する「神経性やせ症」と、制御できないほど大量に食べた後に吐いたり下剤を使ったりする「神経性過食症」の2つのタイプがあります。

厚生労働省の調査によると、日本における摂食障害の患者数は約22万人と推計されており、特に10代から20代の若い女性に多いとされています。

産婦人科医が警鐘を鳴らす身体への深刻な影響

特に深刻なのは、極端なダイエットや低体重がもたらす身体へのダメージです。女性ホルモンのバランスが大きく崩れることで、以下のようなリスクが著しく高まります。

  • 無月経: 生理が止まってしまう。
  • 骨粗しょう症: 骨がもろくなる。
  • 不妊: 将来、妊娠しにくい体になる可能性がある。

これらは「ダイエットのしすぎ」や「意志の弱さ」で片付けられる問題ではありません。専門的な治療を必要とする「病気」であるという認識が、回復への第一歩となります。

「止められない」のは意志の弱さ?依存症のメカニズム

「食べることが止められない」という過食の症状は、「依存症」と共通する部分があります。依存症と聞くとアルコールや薬物を想像しがちですが、ギャンブルなど、私たちの身近な行為も依存の対象となり得ます。

なぜ、やめたくてもやめられないのか?

その答えは「意志の弱さ」ではなく、「脳の病気」であるという点にあります。 私たちの脳には、快感を感じる「報酬回路」という仕組みが存在します。アルコールやギャンブルなどの強い刺激はこの回路を活性化させ、「ドーパミン」という快楽物質を大量に放出させます。

しかし、この強い刺激を繰り返すと脳が慣れてしまい、同じ満足感を得るためにより多くの量や回数を求めるようになります。やがて、この報酬回路が「ハイジャック」され、自分の意志とは無関係に脳が強い欲求を命令するようになるのです。これが、「やめたくてもやめられない」状態の正体です。

重要なのは、「条件さえそろえば誰でも依存症になる可能性がある」ということです。 日常のストレスや孤独感から逃れたいという気持ちが、依存症の引き金になることがあります。

ひとりで悩まず、専門家へ相談を

摂食障害も依存症も、本人の性格や意志の問題ではなく、専門的な治療やサポートが必要な「病気」です。精神疾患は、治療を始めるまでの期間が短いほど、その後の経過が良いことがわかっています。

2020年の厚生労働省の調査によれば、何らかの精神疾患で医療機関にかかっている外来患者数は、日本全体で約586万人にも上ります。

もし、ご自身や周りの方に思い当たることがあれば、一人で抱え込まずに、産婦人科や心療内科、精神科、または地域の相談窓口に相談してください。 必ず力になってくれる専門家がいます。

最新情報をチェックしよう!
>女性のライフサイクルを応援します

女性のライフサイクルを応援します

産科・婦人科 藤東クリニック
〒735-0029 広島県安芸郡府中町茂陰1丁目1-1
TEL: 082-284-2410
FAX: 082-284-2411
MAIL: mail@fujito.clinic

電話でのお問い合わせご相談は、受付時間内にお願いいたします。
受付時間: 午前 9:00〜午後 17:30(日曜・祝日、休診日を除く)

CTR IMG