【動画紹介】現代女性の心、大丈夫？見過ごさないで！こころの不調のサインと私たちを取り巻く環境｜藤東クリニックインサイト
「なんだか最近、心が疲れているかも…」そう感じている女性は少なくないかもしれません。
私たちのクリニックがお届けするYouTubeチャンネル「藤東クリニック インサイト」では、この度、新シリーズ『現代女性のこころの健康を守るために知っておきたいこと』を開始しました。このシリーズでは、多くの調査データが示す現代女性の心の状態と、その背景にある社会の変化について、皆さんと一緒に考えていきます。
記念すべき第1回のテーマは、『現代女性の心、大丈夫？見過ごさないで！こころの不調のサインと私たちを取り巻く環境』です。「令和６年版厚生労働白書－こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に－」を主な参考資料として、現代女性を取り巻く環境と、それが心にどのような影響を与えうるのかを解説しています。
心の不調を感じる女性が増えている？その背景とは
「以前に比べてこころの不調を感じる女性のご相談が増えている」と、動画内で医師は語ります。厚生労働省の令和6年版白書によると、現代社会はライフステージごとのストレスに加え、急速なデジタル化の進展や、それに伴う孤独・孤立の深刻化といった、これまでとは異なる特徴的な側面が、こころの健康に影響を与えていると指摘されています。
特に女性は、ホルモンバランスの変動や、妊娠・出産といったライフイベントも多く、こころの状態が体に影響を及ぼしやすいと言われています。だからこそ、こころと体の繋がりを理解し、メンタルヘルスについて深く考えることが大切です。
デジタル化の光と影：スマートフォン・SNSとの付き合い方
今や私たちの生活に欠かせないスマートフォン。総務省の『通信利用動向調査』では、モバイル端末の世帯保有率は9割を超え、特にスマートフォンの普及は2019年時点で8割以上の世帯に達しています。
それに伴い、SNSの利用も全年齢層で増加しており、2022年には80歳以上の方でもインターネット利用者の2人に1人がSNSを利用しているというデータもあります。
いつでも誰とでも繋がれる利便性の一方で、情報過多によるストレス、他人との比較による劣等感、SNS上での誹謗中傷といった問題も顕在化しています。デジタル技術の恩恵を受けつつ、その影の部分も理解し、上手に付き合っていくことが求められています。
「孤独・孤立」も心の健康を脅かす要因に
デジタル化と並んで現代社会の課題となっているのが「孤独・孤立」です。単独世帯の増加や、地縁・血縁といった繋がりの希薄化が進んでいると厚生労働省の白書は指摘しています。
内閣官房が2023年に行った調査では、「（孤独であると）しばしばある・常にある」と回答した方が4.8%、「時々ある」が14.8%、「たまにある」が19.7%と、何らかの形で孤独を感じている方が少なくないことが示されました。孤独を感じるきっかけとしては、「家族との死別」(23.3%)、「一人暮らし」(19.5%)、「心身の重大なトラブル」(15.5%)などが挙げられています。こうした孤独・孤立は、こころの健康全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症が与えた影響
ここ数年で私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス感染症のパンデミックも、こころの健康に大きな影響を与えました。WHO（世界保健機関）の報告によると、新型コロナウイルスが流行した最初の1年間で、不安とうつ病の有病率が世界全体で25%も増加したとされています。
日本国内の調査でも、新型コロナの流行前と比べて、「環境の変化による不安やストレス」が増加したと答えた方は48.2%にのぼりました。特に女性は、仕事や家庭、育児の面で生活の変化や負担増が大きかったケースも多く、より深刻な影響を受けた可能性が指摘されています。
ご自身のこころの状態に目を向けて
私たちは今、目まぐるしい変化の時代を生きています。スマートフォンやSNSが当たり前になり、人との繋がり方も変化し、そして未曾有のパンデミックも経験しました。こうした変化が、知らず知らずのうちに心に影響を与えているかもしれません。
大切なのは、こうした社会の変化を意識しつつ、ご自身のこころの状態に注意を払い、見過ごさないことです。もし、つらいな、苦しいなと感じることがあれば、決して一人で抱え込まないでください。