妊娠・育休・老後…女性の人生を守る制度、94%の人が知らずに使えていない現実

社会保障とは何か?

「社会保障」という言葉はよく耳にしますが、正確に説明できる人は意外と少ないものです。

社会保障とは、病気・けが・老後・失業など、人生で誰にでも起こりうるリスクに備えて、社会全体で助け合う仕組みのことです。

社会保障の4つの柱

flowchart TD
    A["🏛️ 社会保障"]:::mainNode
    A --> B["🏥 医療保険\n病気・けがのとき\n自己負担3割"]:::blue
    A --> C["👵 年金保険\n老後・障害・遺族\nのとき"]:::green
    A --> D["🏠 介護保険\n介護が必要に\nなったとき"]:::orange
    A --> E["🤝 社会福祉\n公的扶助\n生活に困ったとき"]:::purple

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    classDef blue fill:#2980B9,color:#fff,font-size:14px
    classDef green fill:#27AE60,color:#fff,font-size:14px
    classDef orange fill:#E67E22,color:#fff,font-size:14px
    classDef purple fill:#8E44AD,color:#fff,font-size:14px

社会保障の規模はどのくらい?

令和5年度の統計データをご覧ください。

項目 数値
社会保障給付費の総額 135兆4,928億円
GDPに占める割合 約22.8%
国民1人当たりの給付額 年間約109万円

給付費の内訳は下記のとおりです。

分野 割合
年金 41.6%
医療 33.6%
福祉・その他 24.7%

財源は社会保険料が約60%、税金などの公費が約40%で賄われています。

令和7年版 厚生労働白書には、次のメッセージが掲げられています。

「全ての世代で社会保障を支え、社会保障は全ての世代を支える」
─ 令和7年版 厚生労働白書「はじめに」

なぜ女性に特に大切なのか?

社会保障は全員に関係しますが、女性は特に「知っているかどうか」で大きな差が生まれます。データを3つ確認してください。

① 雇用の問題

  • 働く女性のうち約53.5%が非正規雇用(パート・アルバイト・派遣)
  • 女性の正規雇用比率は25〜29歳の60.3%をピークに、出産・育児の時期に急落
  • この現象は「L字カーブ」と呼ばれています

flowchart TD
    A["👩 女性雇用者 全体"]:::header
    A --> B["✅ 正規雇用\n約46.5%"]:::regular
    A --> C["⚠️ 非正規雇用\n約53.5%\nパート・アルバイト・派遣"]:::irregular

    B --> D["社会保険に\nフル加入\n✔ 充実した給付"]:::good
    C --> E["社会保険に\n加入できない\nケースも\n⚠ 給付が減額・なし"]:::bad

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    classDef regular fill:#27AE60,color:#fff,font-size:14px
    classDef irregular fill:#E74C3C,color:#fff,font-size:14px
    classDef good fill:#2ECC71,color:#fff,font-size:13px
    classDef bad fill:#E67E22,color:#fff,font-size:13px

② 老後の年金格差

項目 金額
女性の厚生年金 平均受給月額 10万7,200円
男性の厚生年金 平均受給月額 16万6,606円
月額の差 約6万円
年間の差 約70万円以上

育児や介護でキャリアを中断した女性ほど、この格差はさらに広がります。

③ 妊娠・出産・育児に関するトラブル

  • マタニティハラスメントを経験した女性は約25〜54%(調査によって差あり)
  • 不当な扱いを受けても公的機関に相談した割合はごくわずか
  • 都道府県労働局の雇用環境・均等部への相談内容で、妊娠・出産差別・退職強要・育休ハラスメントが多数を占めることが白書でも指摘されています

令和7年版 厚生労働白書とは?

今回のシリーズの参考にしている「令和7年版 厚生労働白書」は、これまでの白書と異なる点があります。

項目 内容
主な対象 高校生・大学生・社会人なりたての若い世代
特徴 平易な言葉でわかりやすく作成
基本姿勢 「難しいことは覚えなくていい、大きな流れを知るだけでいい」

社会保障教育の取り組み実績

国が力を入れて普及させている社会保障教育の実績は次のとおりです。

項目 数値
社会保障教育の議論開始 2011年(平成23年)
ハンドブックの配布か所数(2024年度) 約6,700か所
ハンドブックの配布部数(2024年度) 約16万7,000部
学校への講師派遣回数(2024年度) 1,792回
講師派遣の参加者数(2024年度) 約11万3,800人

白書を使った授業の後にアンケートをとったところ、**17名中16名(約94%)が「社会保障を自分事として考えられるようになった」**と回答しています。

もしものとき、あなたを救う3つの実例

白書(図3-1-2 ストーリー教材)には、誰にでも起こりうる3つの事例が紹介されています。

flowchart TD
    T["😰 人生で突然起きるかもしれない\n3つの事例"]:::title

    T --> A["事例①\n骨折で長期入院"]:::case1
    A --> A1["💊 公的医療保険\n自己負担3割"]:::support1
    A1 --> A2["💰 高額療養費制度\n月の上限 約8〜9万円"]:::support1
    A2 --> A3["📋 傷病手当金\n給与の約2/3・最大1年6か月支給"]:::support1

    A3 --> B["事例②\n脊髄損傷で障害者に"]:::case2
    B --> B1["♿ 障害基礎年金1級\n月額 約10万2,000円"]:::support2
    B1 --> B2["♿ 障害基礎年金2級\n月額 約8万1,600円"]:::support2
    B2 --> B3["🌐 孤独・孤立対策サイト\n約150の支援制度を検索"]:::support2

    B3 --> C["事例③\n突然解雇+住む場所を失う"]:::case3
    C --> C1["📄 雇用保険・失業給付\n賃金の50〜80%"]:::support3
    C1 --> C2["🏠 生活保護\n最低生活費の保障"]:::support3
    C2 --> C3["📞 総合労働相談コーナー\n無料相談窓口"]:::support3

    classDef title fill:#2C3E50,color:#fff,font-weight:bold,font-size:15px
    classDef case1 fill:#2980B9,color:#fff,font-size:14px,font-weight:bold
    classDef case2 fill:#8E44AD,color:#fff,font-size:14px,font-weight:bold
    classDef case3 fill:#C0392B,color:#fff,font-size:14px,font-weight:bold
    classDef support1 fill:#D6EAF8,color:#1A5276,font-size:13px
    classDef support2 fill:#E8DAEF,color:#4A235A,font-size:13px
    classDef support3 fill:#FADBD8,color:#78281F,font-size:13px

事例①:社会人なりたて・骨折で長期入院

  • 駅の階段から落ちて頭を打ち、数か月の入院・リハビリが必要に
  • 公的医療保険で自己負担は3割
  • 高額療養費制度により、1か月の医療費上限は標準的な収入で約8〜9万円程度
  • 仕事を休んでいる間は傷病手当金として給与の約3分の2最大1年6か月支給

事例②:スノボで脊髄を損傷し、障害者に

  • 突然障害を負ったとき、障害年金が受け取れる
等級 月額受給額(令和6年度)
障害基礎年金1級 約10万2,000円
障害基礎年金2級 約8万1,600円
  • 内閣府「あなたはひとりじゃない」サイトでチャットボット形式で約150の支援制度・窓口を検索可能

事例③:突然解雇され、仕事と家を同時に失う

  • 雇用保険の失業給付:離職前6か月の賃金をもとに**50〜80%**を給付
  • 生活が著しく困窮した場合は生活保護の申請が可能
  • 総合労働相談コーナー(無料)に相談できる

社会保障の現状と将来

少子高齢化の現実を直視してください。

項目 数値
65歳以上の割合(2023年) 約29.1%(3人に1人近く)
65歳以上の割合(2040年予測) 約35%
現役世代1人が支える高齢者数(1990年) 約5.1人
現役世代1人が支える高齢者数(現在) 約2.1人

flowchart TD
    A["⏱️ 現役世代と高齢者の比率の変化"]:::title

    A --> B["📅 1990年\n現役世代 約5.1人で\n高齢者 1人を支える"]:::past
    B --> C["📅 現在(2023年)\n現役世代 約2.1人で\n高齢者 1人を支える"]:::now
    C --> D["📅 将来(2040年頃)\nほぼ 1対1 に近づく\n高齢化率 約35%"]:::future

    D --> E["⚠️ 社会保障制度の\n持続可能性が課題"]:::warning
    E --> F["✅ 解決策:全世代型社会保障\n全ての世代で支え\n全ての世代が守られる"]:::solution

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    classDef past fill:#27AE60,color:#fff,font-size:13px
    classDef now fill:#E67E22,color:#fff,font-size:13px
    classDef future fill:#E74C3C,color:#fff,font-size:13px
    classDef warning fill:#C0392B,color:#fff,font-size:13px,font-weight:bold
    classDef solution fill:#2980B9,color:#fff,font-size:13px,font-weight:bold

白書はこの現実を踏まえ、次世代の若者・女性に「制度を自分事として考え、選び取っていく」ことを強く呼びかけています。

今回のまとめ

ポイント 内容
① 社会保障は4つの柱 医療・年金・介護・社会福祉。給付費の総額は年間135兆円超
② 女性こそ知らないと損 非正規雇用率約53.5%、年金格差は年間約70万円
③ 大きな流れを知るだけでいい 授業後の**約94%**が「自分事として考えられた」と回答

動画シリーズの全8回一覧

動画番号 タイトル
#1(本記事) 社会保障って何?なぜ今の女性に大切なの?
#2 病気・けがのとき、あなたを守る公的医療保険のしくみ
#3 妊娠・出産・育児でもらえるお金と使える制度
#4 年金の真実〜女性の老後は本当に大丈夫?
#5 働く女性を守る労働法〜パート・育休にも権利がある!
#6 若者の意識調査データ〜社会保障を知らないとどうなる?
#7 困ったときの相談窓口まとめ〜一人で抱え込まないで
#8 社会保障の未来〜少子高齢化と全世代型社会保障

📖 参考:令和7年版 厚生労働白書(厚生労働省)
🏥 発信:広島県 藤東クリニック

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