壮年期・中年期:仕事・家庭・育児とこころの健康
現代社会に生きる女性が抱えるストレスやこころの健康について、ライフステージごとに解説する「ライフステージで考えるこころの健康」シリーズ。今回は、壮年期・中年期の女性が抱えがちなストレスとこころの健康について詳しく解説します。
壮年期・中年期のストレス要因
壮年期・中年期は人生のライフステージの中でも特に多忙でストレスフルな時期です。この世代が抱える主なストレス要因は以下の通りです。
仕事と家庭の両立
共働き世帯は増加傾向にあり、特に妻がパートタイムで働く世帯は約200万世帯から約700万世帯に増加しています。仕事をしている女性で「仕事のある日」の育児時間が長いほど、抑うつ・不安が高い層が多いという調査結果も出ています。
育児の負担
総務省の調査によると、共働き世帯(6歳未満の子どもを持つ夫婦と子どもの世帯)の育児時間は、夫婦ともに増加傾向にありますが、依然として妻の方が長く、2021年には妻が3時間24分に対し、夫は1時間3分となっています。
また、厚生労働省の調査では、母子家庭の約7割、父子家庭の約6割が子どもの「教育・進学」について悩みを抱えているという結果が出ています。
健康問題と親の介護
この世代は自身の健康問題や親の介護の問題も抱えやすい時期です。生活習慣病のリスクが高まるだけでなく、親の介護が始まることで時間的、経済的、精神的な負担が増大します。
ストレスがこころの健康に与える影響
こころと体の不調
ストレスが蓄積すると、こころと体の両面に様々な不調が現れます。調査によると、仕事をしている人の「仕事のある日」において、育児時間が最も長い「6時間超」の区分では、男女ともにディストレスの高得点層(38点以上)が最も高くなっています。
こころの不調の例:
- イライラしやすくなる
- 不安感が強くなる
- 気分が落ち込む
- やる気が出なくなる
- 集中力が低下する
- 睡眠の質が低下する
体の不調の例:
- 頭痛
- 腹痛
- 肩こり
- めまい
- 動悸
- 食欲不振
精神疾患のリスク
これらの症状を放置すると、うつ病や不安障害、適応障害などの精神疾患に繋がる可能性があります。また、産後うつのリスクも高まります。実際に、父親が産後1年間に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定される割合は11.0%で、母親(10.8%)とほぼ同程度です。さらに、夫婦が同時期に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定された世帯は3.4%にもなります。
ストレス対処法と予防策
ストレスを溜めないためには、以下の4つのポイントを意識することが大切です。
1. 休息・リフレッシュ
意識的に休息時間を取り、心身を休ませることが大切です。
- 質の高い睡眠をしっかりとる
- 趣味の時間を持つ
- 好きな音楽を聴く、映画を見る
- 自然の中で過ごす
2. コミュニケーション
家族や友人、同僚など、信頼できる人と話す時間を作りましょう。
- 悩みや不安を一人で抱え込まずに、誰かに話す
- 相談するのが難しければ気持ちを話せる相手を作る
- 職場であれば上司や同僚に相談し、業務分担を見直してもらう
3. 生活習慣の見直し
健康的な生活習慣を心がけることも重要です。
- バランスの取れた食事
- 1日3食、規則正しい食生活
- 適度な運動
- 毎日少しでも体を動かす習慣をつける
- カフェインやアルコールの摂取を控える
4. 専門家への相談
以下のような状況になったら、躊躇せずに専門家(精神科医、心療内科医、カウンセラーなど)に相談しましょう。
- 自分自身で対処できない
- 症状が改善しない
- 日常生活に支障が出ている
地域の相談窓口や、厚生労働省の「こころの耳」といったウェブサイトも活用できます。
まとめ
壮年期・中年期は、仕事、家庭、育児、自身の健康、親の介護など、様々なストレス要因が重なりやすい時期です。これらのストレスは、こころと体の両面に不調を引き起こし、放置するとうつ病などの精神疾患に繋がる可能性もあります。
しかし、適切な対処法を実践することで、ストレスを軽減し、こころの健康を守ることができます。具体的には、休息・リフレッシュ、コミュニケーション、生活習慣の見直し、そして必要に応じて専門家への相談が大切です。
壮年期・中年期は人生の中でも特に大変な時期ですが、同時にとても大切な時期でもあります。こころの健康を大切に、毎日を笑顔で過ごせるように心がけましょう。
藤東クリニックでは、女性のこころと体の健康をサポートしています。一人では解決できない悩みや不安を抱えてしまった場合は、ぜひご相談ください。