9価の「HPVワクチン」を公費で接種できるようになりました


HPV(ヒトパピローマウィルス)とは

ヒトパピローマウィルス(HPV)は、性交渉のある女性の半数以上が生涯で一度は感染すると(今のところ)考えられている一般的なウィルスです。
しかし子宮頸癌ばかりでなく、膀胱癌、咽頭癌、肛門癌、腟癌、外陰癌のほか尖圭コンジローマというイボなど多くの病気の発生に対して、大きく関わっていることが分かってきています。このHPVには多くの型が存在し、その中の一部が癌発生にリスクが高い型だということがわかってきています。
最近、女性20代の死亡率2番目を占めるほど子宮頸癌が増えてきていることもあり、問題視されています。日本では毎年1.1万人の女性が子宮を失い、2,900人が亡くなっています。

日本の子宮頸癌ワクチンの現状

令和5年3月まで、日本全国の小学6年生から高校1年生まで無料接種できるワクチンは、「サーバリックス」と「ガーダシル」の2つでした。
サーバリックスはHPVのうち、2つの型(16、18型)に。ガーダシルは4つの型(6、11、16、18型)に対するワクチンになっています。この2つのワクチンでは、子宮頸癌の65%程度の発生抑制しか期待できません。
そのため海外ではガーダシル9(Gardasil9)というHPV9つの型(6、11、16、18、31、33、45、52、58型)に対応し、90%に対応するワクチンが主流になっています。(アメリカ、イギリス、オーストラリア、フィンランド、中国、韓国など、HPVワクチンが認められているほとんどの国においてです。)
令和5年4月より、子宮頸癌ワクチンを打つ場合にシルガード9(海外のガーダシル9と同じ製品です)の選択肢が増えました。

シルガード9ワクチン接種について

子宮頸がん9価ワクチン 米国Merck社製(HPV)

ヒトパピローマウイルスに対するワクチンで、国内で使用されている4価ガーダシルよりも広い範囲でウイルスに予防効果を持ちます。ヒトパピローマウイルスの感染予防により、子宮頸がんの80〜90%の減少効果と生殖器や肛門周辺の腫瘍を予防、また性病の一つである尖圭コンジローマ(良性腫瘍)を減少させます。

薬剤の特徴

・不活化ワクチン
・1回0.5mlを筋肉注射で投与します

接種効果

女性にとっては、子宮頸がんのみならず、生殖器と肛門周囲の複数の癌に対して大きな減少効果があります。また尖圭コンジローマなどの良性腫瘍も減らします。

子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために

9価HPVワクチン接種のお知らせ

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