性交痛、どうすれば良い?痛い性行為の対策と改善方法

藤東クリニックお悩み相談室~性交痛について~

 
相談者
彼氏と初めてセックスをしてからしばらく経つのですが、正直痛いです。何回か経験を積めば自然と痛くなくなるのかと思ったのですが、あとどのくらい我慢すれば痛くなくなるのでしょうか?それとも私の体がおかしいのでしょうか?
 
藤東先生
今回は性交痛について解説します。

セックスが痛い=性交痛?

「性交痛」とは、セックスにより発生する痛みの総称です。腟へ男性器を挿入する際や、挿入した後に動かしたとき、さらにセックスを終えてから痛みが起こることもあり、それら全ての痛みを指します。

性交痛は体のせい?病気のサイン?

性交痛の原因には様々なものがありますが、性器に異常がなくても痛みを感じるケースは多く、性交痛以外に下腹部痛や月経異常、不正出血などの症状がなければ、セックスの方法を改善することで痛みを和らげることができます。

ただ、日常的に何らかの違和感や症状がある場合は、病気が要因の性交痛である可能性があります。例えば、挿入時に耐えられないほどの痛みや出血、つっかえるような違和感がある場合は、先天的に処女膜が厚くて硬い「処女膜強靱症」の疑いがあります。また、毎月重い生理痛があったり、生理の時以外に排便痛や腰痛があったりするのであれば、子宮外に子宮内膜に似た組織が発生する「子宮内膜症」の可能性も考えられます。

どのようなな原因であれ、痛みを我慢するのはつらいものです。痛みの程度には個人差があるため、自分が思っているよりも症状が進んでいることもあります。「この位なら我慢しよう…」と思わずに、痛みがあるのであればクリニックを受診し、医師に相談してみましょう。

慣れれば性交痛は無くなる?

セックスに対する緊張感や、パートナーのセックスのやり方が改善されるのであれば、原因によってはだんだん性交痛が軽くなっていく可能性はあります。とはいえ、痛いのを我慢して回数を重ねることは心理的負担が大きいですし、何も対策をしないままでは性交痛を完全になくすのは難しいかもしれません。

まずは、自身の性交痛のタイプを理解することが、性交痛改善の第一歩です。原因に適した対策をすることで、次第に痛みの軽減に繋がっていきます。

もし自分で性交痛のタイプが分からなければ、病院で検査を含めて医師に相談してみましょう。

もっと知りたい「性交痛」について

性交痛の種類

入り口が痛いと感じる性交痛

性交痛には種類があり、それぞれ改善方法も異なります。

挿入時に腟の入り口付近が痛む場合は、潤い不足による性交痛である可能性が高いです。腟潤滑が悪い状況で、無理にペニスを動かしたことにより傷が付き、裂傷ができて出血することもあります。十分に濡れない原因を突き止め、対策や潤滑ジェルなどでケアをすることで改善できます。

また、病的な要因としては、感染症などにより外陰部に炎症が起こると痛みが出る場合があります。性感染症に罹患していると、パートナーにも感染させてしまうので、外陰部に異常を感じたらクリニックを受診しましょう。

奥が痛いと感じる性交痛

腟の奥、子宮口付近に痛みを生じる性交痛もあります。子宮口近くにある「ポルチオ性感帯」は、セックスに慣れていないと痛みを感じる女性もいるため、痛みが気になるときは深く挿入されにくい体位を選ぶと良いでしょう。

また、奥まで挿入したときに激痛がある、吐き気などを生じるほどつらいなどの場合は、子宮内膜症やクラミジア感染症などによる骨盤内感染症の疑いがあります。症状を我慢せず、早めに婦人科を受診してください。

性交痛の原因

原因(1)潤い不足

セックスの際、腟の入り口に腟液が分泌されることでペニスの挿入を滑らかにします。しかし、この腟潤滑が上手くいかず潤い不足の状態になると、性交痛が起こりやすくなります。腟が濡れない原因は、肉体的・精神的な面のどちらも見られます。

肉体的な要因としては、疲労、水分不足、血行不良、ゴムアレルギー(コンドームの素材によるアレルギー)、不十分な愛撫などが考えられます。また、出産後や更年期などでホルモンバランスが変わるタイミングは特に濡れにくくなり、性交痛が起こりやすいです。

精神的な要因は、緊張やストレス、パートナーへの愛情不足、セックスのマンネリ化などが考えられます。特に、一度性交痛を経験すると「また痛みが出るかも」と不安になりやすく、そのプレッシャーから濡れにくくなってまた痛みが発生するといった悪循環に陥ることもあります。

潤い不足による性交痛であれば、潤滑ジェルやローションによって滑りを補えば、改善できる可能性が高いです。男性側も潤いが少ないと痛みを感じることがあるので、お互いに我慢せず、積極的に使うことをおすすめします。

ラブスライド
腟口の潤いを補うことができる潤滑ジェルの例。画像はラブスライド(ラブコスメ)

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原因(2)筋肉の緊張によるもの

初体験やしばらく期間が開いた後のセックスは、緊張しやすく、体全体が硬くなります。腟も筋肉なので、体が硬くなっていると腟がしなやかに動かせず、セックスのときに痛みを感じやすくなります。

時間をかけて前戯を丁寧に行う、アロマや照明でリラックスできる雰囲気を作るなど、心と体をほぐしてセックスをすることで、痛みが改善できるでしょう。

原因(3)身体的特徴によるもの

性器の形や位置には個人差があり、生まれつき腟が狭い、処女膜が厚いなどの身体的な特徴により性交痛が出る場合もあります。また、女性側だけでなく、相手の男性のペニスの大きさも性交痛の一因となり得ます。

身体的な直腸による性交痛は、挿入しやすい体位でセックスをするなどの工夫により、改善できることもあります。処女膜強靱症など自分で対処ができない症状は、病院で外科手術による治療ができます。

原因(4)病気によるもの

性交痛で注意したいのが、病気による痛みです。特に子宮の奥に痛みがある場合は、念のためクリニックを受診することをおすすめします。

子宮の裏にある「ダグラス窩」という場所は、子宮内膜症がよく発生する部位です。ちょうどセックスで腟の一番奥を刺激したときに当たる場所で、ここに内膜症の病変があると、激痛を感じることがあります。

また、子宮の後ろ側に子宮筋腫ができていたり、クラミジア感染症による骨盤感染症で臓器に癒着を起こしていたりするときも、奥に痛みを感じやすいです。これらの病気は性交痛だけでなく、不妊症の原因になったり、悪化すると手術が必要になったりもしますので、できるだけ早く病院を受診しましょう。

原因(5)間違ったテクニックによるもの

男性によっては、アダルト動画の影響や間違った情報を得たことで、「愛撫は強くするほど刺激が多くなり快感を得やすい」と勘違いしていることがあります。

しかし、女性器はとてもデリケートな部位で、奥を激しく突いたり爪を立てて腟内を刺激したりすると、快感よりも痛みが強く出やすいです。乱暴に触れることで傷付くだけでなく、精神的に恐怖感を覚えて緊張で濡れなくなるため、性交痛が起こるのは当たり前です。

パートナーに遠慮せず、できるだけ早い段階で「優しく触れてほしい」と伝え、愛撫を改善してもらいましょう。

原因(6)心因性によるもの

セックスは、精神的な面が大きく関わります。快感を得るためには、心のリラックスがとても大事です。肉体的な改善を図っている、または器質的な疾患がないにもかかわらず性交痛が軽減しない場合は、心因性の原因が隠れているかもしれません。

例えば、痴漢や性的虐待、度を越したセクハラなど、性に関するネガティブな経験がトラウマとなり、セックスに対して抱いた「恐れ」や「嫌悪感」が、性交痛として現れることがあります。また、何らかの影響で「セックスは汚いこと・悪いこと」と刷り込まれていると、セックスに対して罪悪感を持ってしまい、性交痛が発生することもあります。

その他、原因は人によって様々ですが、自身の心の痛みと向き合うことで、性交痛改善の糸口が見えてくる可能性があります。

性交痛の解消法

解消法(1)潤いを補うアイテムを使う

潤い不足による性交痛に対しては、潤滑ジェルやローションを取り入れることで、物理的にスムーズな挿入をサポートすることができます。「ケアしたから大丈夫」と不安要素が取り除かれることで、体もリラックスできるでしょう。

また、緊張やストレスなどの精神的な要因による潤い不足であれば、セックスの前にマッサージをし合ったり、香りや照明などでリラックス空間を作ったりといった工夫をすると、気持が和らぐ可能性があります。

セックスのマンネリ化には、場所を変える、目隠しグッズやラブグッズなどのアイテムを使うなど、いつもと違う刺激を取り入れることで興奮が高まり、濡れやすくなることがあるでしょう。

ラブイマジネーション アイピロウ&リストバンド
性行為を盛り上げる非日常なアイテムの例。画像はラブイマジネーション アイピロウ&リストバンド(ラブコスメ)

解消法(2)1人で練習をする

気持ちよく感じる部分は、人それぞれ個性があります。男性が、自分のものではない女性の体の、どこをどのくらいの強さで刺激すると気持ちいいかを探り当てるのは、実はとても難しいことなのです。まずは自分の体を自分で理解し、パートナーに「こうしてほしい」と言えるようにしておくと、よりセックスを楽しめるようになるでしょう。

そのためには、マスターベーションが有効です。最初は指で自分の体に触れ、感じる場所やどう触れたら快感があるのかなどを研究してみましょう。時にローターやバイブなどのラブグッズを利用し、外陰部と腟内の性感帯をチェックすると、感じる場所が分かるだけでなく、刺激に慣れることで感度も高まる可能性があります。

痛みを感じにくい触れ方や強さを確認してパートナーに伝えることが、性交痛の改善とともに、お互いを深く理解し合うきっかけとなるでしょう。

1人で練習をするラブグッズの例。画像はさくらの恋猫NUKUNUKU(ラブコスメ)

解消法(3)体位を工夫する

性器の位置やお互いの身長などの関係で、体位によって痛みを感じやすい可能性もあります。体格差などで痛みを感じる場合は、色々な体位を試してみると良いでしょう。

特に奥に痛みを感じやすい方は、挿入が深くなる後背位(バック)でのセックスによって、性交痛が起きやすい傾向があります。女性が上になる体位であれば女性側で深さをコントロールしやすいので、騎乗位や対面座位で、痛みの出にくい動きをチェックしてみましょう。

後背位の中でも、女性がうつ伏せになって足を伸ばした状態で挿入する「寝バック」なら、体勢的に浅めに挿れることができるため、痛みを感じにくいかもしれません。

解消法(4)カウンセリングを受ける

心の問題で性交痛が起こるようであれば、自分だけで解決しようとせず、専門家を頼ることも大切です。心療内科や婦人科など信用できるプロに相談したり、必要であればカウンセリングを受けたりもできます。心の痛みに寄り添い、一緒に改善に向けてサポートしてもらうことで、改善の糸口が見えるかもしれません。

性交痛解消におすすめのアイテム

(1)ジェルたっぷりのコンドーム

手軽に腟潤滑をサポートできるのが、ジェルがたっぷり塗布されたコンドームです。男性に装着するだけで、コンドームのジェルがスムーズな挿入をサポートしてくれます。

温かくなったりひんやりしたり、香りが付いていたりなど、ジェルにも様々な種類があります。気分によって変えられるのも、リラックスしてセックスを楽しむポイントになるかもしれません。

また、パートナーに潤滑ジェルを提案しにくい、パートナーがローションを使いたがらないという場合にも、コンドームなら取り入れやすいでしょう。

ジェルがたっぷり塗布されたコンドームの例。画像はラブミルフィーユモイストタイム(ラブコスメ)

(2)オーナット

深い挿入や強いピストンで痛みを感じる方には、性交痛を軽減する『オーナット』がおすすめです。

柔らかな素材のドーナツ型のリングを男性器の根本に装着することで、挿入時に奥まで腟に入り過ぎるのを防ぎます。デリケートゾーンに当たっても、素材がプニプニと柔らかいので、刺激が和らぎます。コンドームの上からも装着できるので、きちんとした避妊も可能です。男性器の根本が軽く締まるため、男性側の感度アップも期待できます。

挿入に違和感がある、奥まで入ると痛みがあるという方は、一度使用してみてはいかがでしょうか。

挿入の衝撃を緩和するクッションの例。画像はオーナット(ラブコスメ)。

(3)ベッド用コスメ

潤い不足の要因の1つである、前戯の時間が短かい、気持ちいい場所をしっかり刺激できていないなどの問題を改善する手段の1つとして、ベッド用コスメを使う方法もあります。

敏感な部分にベッド用コスメを塗布し、丁寧にマッサージするように塗り込みます。結果的に前戯の時間が伸びるだけでなく、優しく繊細な触り方となり、女性の潤いを引き出しやすくなることがあります。

前戯時間の短さを改善するためのアイテムの例。画像はラブコスメ リュイール ホット(ラブコスメ)

(4)モイスチャー美容液

性交痛を解消したい気持ちはあるけれど、どうしても恥ずかしくて相手に言い出せないという方もいらっしゃるかもしれません。ここまで紹介したアイテムは、パートナーの理解も必要な商品がほとんどです。

もし、自分だけでこっそり性交痛ケアアイテムを取り入れてみたいのであれば、モイスチャー美容液がおすすめです。愛液に近いテクスチャを意識して開発されたデリケートゾーン用のモイスチャー美容液で、事前にデリケートゾーンに塗って使用できます。パートナーは違和感なく「今日は自然に潤っている」と感じる可能性が高いでしょう。

シークレット・モイストジェル
一人で使えるデリケートゾーンの潤いサポートアイテムの例。画像はシークレット・モイストジェル(ラブコスメ)

性交痛は我慢せずアイテムで対策!それでも続く場合は受診を

本来、セックスはパートナーとの愛情表現です。大事なコミュニケーションの場で痛みが生じるのはもったいなく、実際とてもつらいことです。痛みがあることでセックス自体にネガティブな感情を持ったり、恐怖心を抱いてしまったりすると、その後の2人の関係性にも影響を及ぼします。

成功時の痛みは我慢せず、お互いに相談しながら対策をしましょう。重要な病気が潜んでいる可能性もありますので、痛みが酷いときや原因が分からないときは、クリニックを受診してください。

女性の性交痛は、ちょっとしたメンタルの変化や疲れなどでも発生するものです。自分の体や心の変化を感じ取る機会にもなりますので、原因を確認しながら、自身を労わるタイミングとして捉えるのも良いでしょう。睡眠を増やす、ストレス解消をするなど、この機会に自身の体と向き合って、大事にしてあげてください。

ヌルっと滑るような快感
sponserd by ラブコスメ

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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