~第 7 波をうけての再度のお願い~
令和4年7月26日
日本産科婦人科学会理事長木村正
新型コロナウイルス感染対策委員会委員長川名敬
日本産科婦人科学会理事長木村正
新型コロナウイルス感染対策委員会委員長川名敬
新型コロナウイルス感染の第7波は、これまで経験のない規模で拡大しております。
感染者の中心は、20-40歳の妊婦の皆さまの世代です。一方、厚労省は、妊婦さんに新型コロナウイルスワクチン接種の努力義務を課すことを定め、妊婦さんへの接種をお勧めしています。
新型コロナウイルスワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)については、妊婦さんへの投与に関する調査結果が数多く示されており、ワクチンの安全性と、ワクチンによるご本人と赤ちゃんの生命を守るための感染予防の重要性が示されています(1-6)。
- 現在妊娠中の方のなかには、ワクチンの接種機会を逃され、一度も接種を受けないまま妊娠された方
まだ新型コロナウイルスワクチンを接種されたことがない妊婦さんは、ぜひ1回目接種からご検討ください。 - 2回接種を終えているが、3回目接種をお済ませいただいていない方
3回目接種は自治体ですべての妊婦さんが接種できるようになっています。ぜひ3回目の追加接種をご検討ください。
(3回目の接種率は全国的に6割程度にとどまっております) - 3回接種を終えている方
4回目接種については、自治体によって対応が異なっています。お住まいの自治体や産科担当医にお問合せ、ご相談ください。
【参考文献】とその内容
- 本会周産期委員会、周産期における感染に関する小委員会;国内でのCOVID-19妊婦レジストリ報告(2022.5月5日まで)では、中等症II以上の新型コロナウイルス感染者は、全てワクチン未接種だった。
https://www.google.com/url?q=https://www.jsog.or.jp/modules/news_m/index.php?content_id%3D1221&source=gmailimap&ust=1655366720000000&usg=AOvVaw1j8qwDUhhdqeZj1cZt4vb-) - 本会周産期委員会、周産期における感染に関する小委員会:妊婦へのWEBアンケート調査
(2021.10-11月)においてワクチン接種後の副反応と産科的症状の出現がまとめられた。妊婦における副反応の出現は既報の妊婦や非妊婦の同じ年代の女性ほぼ同等であった。産科的症状としては、1回目接種後1.65%、2回目接種後2.98%の妊婦に腹緊(お腹の張り)をみとめた。出血、胎動減少、浮腫、血圧上昇、破水のような重大な症状がみられたのは1%以下であった。
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/2022_COVID19_questionnaire_research.pdf
Komine-AizawaS,etal.,ThevaccinationstatusandadverseeffectsofCOVID-19
vaccineamongpregnantwomeninJapanin2021.,JObstetGynaecolRes.2022May10.
doi:10.1111/jog.15285 - 米国:2020.12月から2021.7月までにFDAで承認された新型コロナウイルスワクチンを1回または2回接種した妊婦45232人を調べた。医学的処置が必要となった急性有害事象の発生率は1%未満であった。ワクチン未接種妊婦と比較すると、発熱、倦怠感または疲労、局所反応、リンパ節腫脹またはリンパ節炎は有意に多かったが、その他の有害事象は増えなかった。新型コロナウイルスワクチンは、妊婦への接種による医学的処置が必要な急性有害事象のリスクを上げるものではなかった。
MaliniDeSilvaM,etal,EvaluationofAcuteAdverseEventsafterCovid-19
VaccinationduringPregnancy,NEnglJMed,2022Jun22.doi:10.1056/NEJMc2205276. - スイス:2021年3月1日から12月27日の間にmRNAワクチンを少なくとも1回接種した妊婦の初期有害事象と周産期アウトカムについて解析した。妊娠中にmRNACOVID-19ワクチン接種後,局所および全身への影響が報告されたが、重篤な事象はまれであった。妊娠中にワクチン接種を受けた女性は、産科集団のバックグラウンドリスクに関する過去のデータと比較して、妊娠や新生児の有害事象が高くなることはなかった。
COVID-19mRNAvaccineinpregnancy:ResultsoftheSwissCOVI-PREGregistry,an
observationalprospectivecohortstudy.FavreG,etal.,LancetRegHealthEur.2022
May29;18:100410.doi:10.1016/j.lanepe.2022.100410. - 米国:2020.12月から2021.6月までCOVID-19ワクチンを受けた4万人の妊婦の妊娠後期合併症、早産や発育遅延は見られなかった。
ReceiptofCOVID-19VaccineDuringPregnancyandPretermorSmall-for-Gestational-Age
atBirth—EightIntegratedHealthCareOrganizations,UnitedStates,December15,
2020–July22,2021,LipkindHS,etal.,MMMRWeekly,January7,2022/71(1);26–30. - イスラエル:新生児24,288人のうち16,697人の母親が妊娠中にワクチン接種されていた。ワクチン接種と未接種の妊婦から出生した新生児を比べると、新生児入院,先天性異常,乳児死亡の発生率に有意差は認められなかった。
JAMAPediatr,2022Feb10.doi:10.1001/jamapediatrics.2022.0001
新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策 〜妊婦の方々へ〜
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