妊婦に対するリステリア食中毒に関するご注意

2018 年 4 月 11 日
公益社団法人日本産婦人科医会 会長 木下 勝之
先天異常担当常務理事 平原 史樹

妊婦に対するリステリア食中毒に関するご注意

2018 年 4 月 9 日 WHO(世界保健機関)は、オーストラリアでリステリア菌に汚染されたメロンが、日本に輸出されていたと発表し現在多くのマスメディアからも注意の報道がなされております。
『妊婦には注意』との報道もあるため、過度に心配される必要はありませんが、下記お知らせいたします。

リステリアは
■河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌です。
■多くは口にしても症状が出ることはなく、リステリアに感染(食中毒)して重症化
(リステリア症の発症)することはまれ。
(諸外国の報告では 10 万―100 万に1人の発生率)
■妊婦や体力の低下した人は感染する機会が増す。
■妊娠期間後半 26 週以降が最も重症化しやすい。
(死産、流産、新生児髄膜炎など。まれに母体死亡の報告もあり)
■初期症状はかぜ様、発熱・筋肉痛、ときには吐き気や下痢から始まり進行すると髄膜炎、敗血症などを起こす。
■4℃以下の低温では死滅せずに増殖、74℃以上の加熱により死滅。
■最近ではメロン、ホットドッグなどからのケースが欧米で報告。
ほかに・生ハムなどの食肉加工品
・未殺菌乳、ナチュラルチーズなどの乳製品(加熱をせずに製造されるもの)
・スモークサーモンなどの魚介類加工品など
■最近の日本では、リステリア症の大きな発生はありません。
■厚生労働省からリステリアによる食中毒の情報提供があります。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html
(横浜市衛生研究所からの情報も参考にしております)

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