【出生率1.15】産婦人科医が国の最新データで語る「日本の女性の働き方」の現在地

【出生率1.15】産婦人科医が解説!少子化データと女性の働き方の現在地

日本の合計特殊出生率が、2024年に過去最低の1.15を記録しました。

「少子化が進んでいる」というニュースは何度も耳にしていても、具体的に何がどう変わっているのか、自分の生活にどう影響するのかは、意外とピンとこないものです。

この記事では、厚生労働省が発行する公式レポート「令和7年版 厚生労働白書」のデータをもとに、日本の人口動態と女性の働き方について、産婦人科医の視点からわかりやすく解説します。

https://youtu.be/S43sh9flr90

合計特殊出生率1.15とは?

合計特殊出生率とは、1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計値のことです。

  • 人口を維持するために必要な水準 → 2.07
  • 2024年の実績 → 1.15(過去最低)

つまり、必要な数の半分近くしか子どもが生まれていないということになります。

もっとわかりやすく言い換えると、「2人の女性から1人の子どもしか生まれない」計算です。

出生率はどう下がってきたのか

合計特殊出生率 出来事
1970年代前半 2.14 人口維持水準を上回っていた時代
1989年 1.57 「1.57ショック」と呼ばれ社会問題に
2005年 1.26 当時の過去最低を記録
2024年 1.15 過去最低を更新

2005年に1.26で大きな話題になりましたが、そこからさらに下がり続けています。

2070年の日本はどうなる?

出生率の低下が続くと、日本の人口構造は劇的に変わります。

graph TD
    A["🇯🇵 1990年"] --> B["🇯🇵 2025年"]
    B --> C["🇯🇵 2040年"]
    C --> D["🇯🇵 2070年"]

    A -.- A1["総人口:1億2,361万人\n75歳以上:約5%"]
    B -.- B1["総人口:1億2,326万人\n75歳以上:約17%\n団塊世代が全員75歳以上に"]
    C -.- C1["高齢者人口がピーク\n生産年齢人口が\n1,000万人以上減少"]
    D -.- D1["総人口:8,700万人\n高齢化率:約39%\n年間出生数:約50万人"]

    style A fill:#4CAF50,color:#fff,stroke:none
    style B fill:#FF9800,color:#fff,stroke:none
    style C fill:#F44336,color:#fff,stroke:none
    style D fill:#9C27B0,color:#fff,stroke:none
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    style B1 fill:#FFF3E0,color:#333,stroke:#FF9800
    style C1 fill:#FFEBEE,color:#333,stroke:#F44336

押さえておきたいポイント

何が起こるか
2025年 団塊の世代が全員75歳以上になる
2040年 高齢者人口がピーク。働き手(15〜64歳)が1,000万人以上減少
2070年 人口8,700万人、高齢化率約39%、年間出生数約50万人

「2070年は遠い」と感じる方へ

2070年は、あなた自身の老後の話です。

今の年齢 2040年の年齢 2070年の年齢
25歳 39歳 69歳
30歳 44歳 74歳
35歳 49歳 79歳
40歳 54歳 84歳

少ない現役世代で多くの高齢者を支える社会では、女性を含めた多様な人材が安心して長く働き続けられる環境づくりが欠かせません。

女性の働き方はこう変わった

「出産したら退職」から「出産しても働き続ける」時代へ

かつての日本では、結婚・出産を機に仕事を辞めるのが一般的でした。白書のデータを見ると、この30年間で状況が一変していることがわかります。

項目 1985〜1989年に出産 2015〜2019年に出産
育休を利用して就業継続 5.7% 42.6%
出産退職 35.3% 23.5%
出産後の継続就業率 69.5%

お母さん世代では育休利用がわずか5.7%だったのに対し、今は42.6%まで拡大しています。約7割の女性が出産後も仕事を続ける時代になりました。

育児休業取得率の推移

この変化を支えたのが、育児休業制度の普及です。

指標 数値(2023年度)
女性の育休取得率 84.1%
男性の育休取得率 30.1%(過去最高)
男性の育休取得率(2019年度) 7.48%

男性の育休取得率は、2019年度の7.48%からたった4年で約4倍に急増しています。

ただし、政府目標は以下の通りです。

  • 2025年:50%
  • 2030年:85%

道半ばではありますが、「男性も育休を取る」流れは確実に広がっています。

雇用形態で大きく分かれる「出産後の運命」

「7割が働き続ける時代」とはいえ、雇用形態によって大きな差があります。

graph TD
    Q["第1子出産後も\n仕事を続けられた割合"]
    Q --> R["👩‍💼 正社員\n83.4%"]
    Q --> P["👩‍🍳 パート・派遣\n40.3%"]

    style Q fill:#37474F,color:#fff,stroke:none
    style R fill:#2196F3,color:#fff,stroke:none

雇用形態 出産後の継続就業率
正社員 83.4%
パート・派遣 40.3%

正社員なら5人中4人以上が仕事を続けられるのに対し、パート・派遣では半数以上が辞めているのが現実です。

非正規雇用の現状

データ 数値
非正規雇用労働者数(2024年) 2,126万人(雇用者の約4割)
不本意非正規率(25〜34歳) 12.7%

25〜34歳の若い世代では、8人に1人が「本当は正社員で働きたいのに非正規で働いている」状態です。

パートでも育休は取れる

「パートだから育休は無理」と思い込んでいる方が多いですが、条件を満たせばパート・派遣でも育児休業は取得できます。これは法律で定められた権利です。

「自分は対象外だ」と諦める前に、職場に確認してみてください。

産婦人科医からのメッセージ

妊婦さんからこのような声を日々いただいています。

  • 「パートだから育休は無理だと思っていた」
  • 「収入が減るのが怖くて妊娠をためらっていた」
  • 「仕事を辞めるべきか続けるべきか、誰に相談すればいいかわからない」

少子化の背景には、一つの原因ではなく、いくつもの要因が重なっています。

  • 経済的な不安
  • キャリアが中断される恐れ
  • パートナーの協力不足
  • 不妊治療の負担

「産まない選択」はもちろん尊重されるべきですが、「産みたいのに、制度を知らないために諦めてしまう」のは、とてももったいないことです。

知っておきたい「制度は進化している」という事実

働く女性を取り巻く制度は、年々充実してきています。

graph TD
    T["📋 進化する制度"]
    T --> A1["👶 育休の手取り10割支給\n2025年4月〜"]
    T --> A2["💰 最低賃金\n1,055円→目標1,500円"]
    T --> A3["🛡️ フリーランス保護法\n2024年11月施行"]
    T --> A4["🚫 カスハラ対策\n法制化へ"]
    T --> A5["📊 雇用保険の拡大\n週10時間以上\n2028年10月〜"]

    style T fill:#1565C0,color:#fff,stroke:none
    style A1 fill:#E3F2FD,color:#333,stroke:#1565C0
    style A2 fill:#E3F2FD,color:#333,stroke:#1565C0
    style A3 fill:#E3F2FD,color:#333,stroke:#1565C0
    style A4 fill:#E3F2FD,color:#333,stroke:#1565C0

制度を知っているかどうかで、選択肢は大きく変わります。

この記事のまとめ

ポイント 内容
日本の出生率は過去最低の1.15。2070年には人口8,700万人、高齢化率約39%
出産後も仕事を続ける女性は約69.5%。ただし正社員83.4% vs パート・派遣40.3%の格差あり
制度を知ることが、自分の選択肢を広げる第一歩

関連する相談窓口

窓口 内容
総合労働相談コーナー 全国の労働局・労働基準監督署に設置。無料で相談できる
働き方改革推進支援センター 全47都道府県に設置。中小企業の労働環境改善を支援
最低賃金特設サイト 自分の地域の最低賃金を確認できる

出典:令和7年版 厚生労働白書(厚生労働省)

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