藤東クリニックお悩み相談～性交体位について～
性交体位とは？
性交体位とは、性行為の男女の体勢を指します。女性があおむけになって男性が覆いかぶさる「正常位」や、女性が四つん這いになり後から男性が挿入する「後背位」等が広く知られています。 また「大江戸48手」も日本の伝統的な性交体位の種類を指します。
性交体位の必要性
性行為をする際の快感は「体位」も大きく影響します。性器の大きさや形、角度などは人によって異なります。そのため男女の組み合わせごとに、より強い快感を得られる体位の種類も異なります。
一つの体位だけでは、男性は気持ちいいが女性はそうでもないということや、その反対もあります。「あまり気持ちよくない」だけでなく、痛みを感じる場合もあります。そういった場合は、体位を変えることで今まであった痛みや違和感などを感じにくくなる可能性もあります。
性交の痛みや不快感をそのままにしておくのは、夫婦の場合妊活等にも影響する可能性があります。そうでなくても、一方が不快感を我慢する性行為は健全ではありません。男女がそれぞれより快感を得るためには、沢山の体位を試して2人に一番合ったものを見つけることが大切です。
1回のセックスで何回くらい変えるもの？
決まった回数はありませんが、例えば
正常位⇒騎乗位⇒後背位
など、3回程度取り入れるカップルが多いようです。
正常位⇒女性がオーガズムしやすい体位⇒男性がオーガズムしやすい体位、という流れだと女性の満足度も上がりやすくなります。二人が好む体位が同じ場合は、間に入れる体位を毎回初めてチャレンジする体位にするなどの工夫もいいでしょう。
様々な体位に挑戦することで、バリエーションに富んだ性行為となり、マンネリ防止にもなります。
もっと知りたい！性交体位について
性交体位の種類とやり方
（１）正常位
正常位は女性があおむけの状態になり足を広げ、男性が覆いかぶさる形で挿入します。完全に抱きしめ合った状態になったり、キスをしながら挿入することも可能な愛情を感じやすい体位です。
挿入位置が上手く分からないときは、男性が女性の足を持ち上げると分かりやすくなります。
どの体位でもいえることですが、挿入は一気に勢いをつけて行うのではなく、ゆっくり押し込むように挿入しましょう。挿入後はいきなり動くのではなく、なじんでから徐々に動くようにしましょう。
（２）後背位
後背位は、女性が四つん這いになり、その背後から男性が挿入する体位です。挿入後は男性は女性の腰を持ってピストンします。
女性は腕を立てた状態で挿入するほか、ベッドに突っ伏した状態になるバリエーションがあります。また、男性は女性の腰ではなく、肘をもって挿入してもいいでしょう。
（３）騎乗位
騎乗位はあおむけになった男性の上に女性がまたがって挿入する体位です。
女性は上下に弾むように動いたり、腰を前後にグラインドさせて互いの快感を高めます。男性は挿入中に女性のバストを愛撫したり、下から突き上げるのもいいでしょう。
（４）座位（背面座位、対面座位）
座位はその名の通り座って行う体位です。向き合って挿入するパターンを「対面座位」、同じ方向を向いて挿入するパターンを「背面座位」と呼びます。
ベッドでも行えますが、男性が椅子やソファに座った状態だと、よりやりやすい体位です。
対面座位は向き合っていて顔の位置が近いため、キスをしながら楽しめる体位です。
背面座位は後からバストを刺激したり、耳やうなじにキスをするとより興奮が高まるでしょう。
（５）立位（立ちバック）
立位は立って行う体位です。ベッドやソファが無い場所での性交体位として活躍します。立った状態でピストンするのはバランスが難しいため、基本的には壁を利用して行うことが多いです。
最もポピュラーな立位は「立ちバック（背面立位）」と呼ばれる体位です。立ちバックは女性が壁に向き合って手をつき、少し腰を突き出すようにして足を広げます。その後、後背位と同じ要領で男性が女性の背後から挿入します。
向き合って行う「対面立位」はそのままでは挿入が困難なため、女性が片足を上げた状態で挿入するのが一般的です。そのため、視覚的な興奮も高い体位となっています。
（６）側位（対面側位、背面側位）
側位は横に寝そべった状態で行う体位です。向き合って行う側位は対面側位、同じ方向を向いて行う側位は「背面側位」と呼びます。
対面側位は互いに向き合って寝そべった後、男性が女性の片足を持ち上げて挿入します。
背面座位は、男性が背後から女性の足を持ち上げて挿入します。
どちらも大きく動くと男性器が抜けやすいので、腰をこすりつけるように奥に押し込むイメージで動くといいでしょう。
（７）四十八手
これまで紹介してきた分類とは違う、「四十八手」と呼ばれる体位の種類もあります。江戸時代に執筆された「菱川師宣」の「恋のむつごと四十八手」という書籍がベースになっています。
この書籍では、例えば上下に動く騎乗位は「百閉」、グラインド騎乗位は「時雨茶臼」などと呼ばれます。
また、48手には表と裏があります。裏48手は「好色いと柳」という書籍を元にしており、こちらには正常位を表す「網代本手」や後背位にあたる「つぶし駒掛け」などがあります。
他にも現代では「駅弁」と呼ばれる「やぐら立ち」という体位や「松葉崩し」、「仏壇返し」といった個性的な体位もあります。一般的な体位の種類だけでなく、表裏あわせて96種の体位をマスターすれば、さらに体位のバリエーションが増えるでしょう。
各体位が気持ちよく感じない時の工夫
一方がオーガズムするくらい気持ちよく感じる体位でも、一方はあまり感じないということもあります。互いが一番気持ちよく感じる体位をそれぞれ組み込む方法をとりつつ、相手の気持ちよく感じる体位での違和感を取り除く工夫もしていくと、より満足度の高い性行為ができるでしょう。
正常位が気持ちよく感じられない理由と工夫
正常位で女性が痛みを感じたり、男性が姿勢として苦しさを感じる場合は「女性の腰の下にクッションを入れる」という方法があります。
女性の腟の位置は「下付きの腟」「上付きの腟」の2種類に分けることができます。
一般的に、腟がお腹側に近い位置にある場合を「上付きの腟」と呼び、反対に背中側に近い位置にある場合を「下付きの腟」と呼びます。上付きの腟の場合はショーツのクロッチの比較的前部分が汚れやすく、下付きの腟の場合はどちらかというと後部分におりもの等が付着しやすくなります。あくまで「どちらかというと上付き、下付き」というだけで、中央部分に位置している人ももちろんいます。
下付きの腟の場合は男性がまっすぐに挿入したときにGスポットにあたりにくく快感が得にくいと言われています。そのため腰の下にクッションを入れて腰の角度を意図的に斜めにすることで、Gスポットに男性器が自然と当たり、快感を得やすくなります。
後背位が気持ちよく感じられない理由と工夫
後背位は奥に入りやすい体位で、子宮に直接男性器が当たりやすくなります。そのため直接奥を狙うように男性が腰を動かすと、痛みを感じてしまう女性が多くいます。男性は誤解しやすいのですが、子宮口を強く先端で刺激されることで快感を得る女性は少数派です。後背位で腰を動かすときは、むやみやたらに直接奥を刺激するのではなく、むしろ女性の腹側のＧスポットをゆっくりこするイメージで動きましょう。
女性の腟に対して、男性のサイズが大きい場合も女性が痛みを感じてしまうことがあります。その場合は男性器に着けるクッション型のサポートアイテム「オーナット」等の使用をお勧めします。また、これはほかの体位でも言えることですが、挿入中に身体の別の性感帯に触れることで、腟が自然と潤い、挿入自体の快感が増すことがあります。例えば後背位であれば、男性からは首の後ろや耳、バストが刺激しやすい部分になります。
後からバストを刺激しながら後背位をすることで、あまり快感を得られなかった後背位で快感を得ることができるようになるかもしれません。
騎乗位や座位が気持ちよく感じられない理由と工夫
騎乗位や座位は、男性が腰を動かしにくい体位です。そのため二人が快感を得るためには、女性が積極的に腰を動かす必要があります。しかし日常生活にはない動作の為、腰の動かし方が分からず快感を得られない女性も多いようです。
その場合は、ディルドなどで腰の動かし方を練習する方法があります。吸盤がついている自立するタイプのディルドにまたがって挿入し、男性をイメージして自ら腰を動かしてみましょう。
そうすることで、どの部分にあたると自分が気持ちよく感じられるのかじっくりと探すことができ、筋トレにもなります。
様々な体位を試すときにおすすめのアイテム
デリケートゾーンケアセット
体位の快感は直接的な「触覚」だけでなく、「視覚」も影響します。例えば男性は足を閉じた騎乗位でも快感を得ますが、足を開いて行う「開脚騎乗位」では視覚的情報からより強い興奮と快感を得てオーガズムに至ることもあります。
反対に女性はデリケートゾーンに自信を持てない場合、見られていることが気になって思ったように快感に身をゆだねられないことがあります。
そんな時は、デリケートゾーンケアを取り入れると男性の興奮と女性の集中の両方にアプローチできます。
おすすめのデリケートゾーンのケアは一つ目は「黒ずみ」ケアです。鼠径部やデリケートゾーンは古い角質が蓄積しやすく、日々のケアだけだと黒ずんで見えることがあります。
古い角質をケアするための石鹸をデイリーケアに取り入れると、より自信の持てるデリケートゾーンになって性行為にも集中できそうです。
2つ目のおすすめのデリケートゾーンケアは、アンダーヘアケアです。女性の陰毛は個人差が多く、人によってはそのままだとジャングルのように爆発していることも。余分な毛をカットしておくことで、しっかりショーツに収まり美しい下着姿になれますし、下着を脱いだ姿にも自信を持てます。
性行為では前からだけではなく股の内側も視線を受けます。Vラインだけでなく、Iラインも処理することをおすすめします。
ベッド専用コスメ
女性の陰核を愛撫することができる体位では、ベッド専用コスメを使うことで快感をさらに高めることができます。正常位や背面座位で挿入後に「ラブコスメ リュイール ホット」を指に取り、デリケートな部分をマッサージしてみましょう。普段とは違うじんわりとした快感をプラスすることができます。
二人が気持ち良くかじられる体位を追求していくことが大切
セックス体位は膨大な数があります。固定概念にとらわれず、沢山の体位を試してみましょう。名前のついている体位でなくても、二人が気持ち良くかじられる体位を追求していくことが大切です。
また、気持ちいい体位が見つからない場合は、いつもの体位に一工夫を加えることで問題が解決するかもしれません。全てを体位の原因ととらえず、挿入の勢いや、デリケートゾーンの潤いは十分かなどに目を向けることも大切です。
いずれにしても性行為に違和感や不快感がある場合は無理や我慢をせず、原因を取り除き、前向きに改善の道を探していきましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。
