藤東クリニック相談室~処女の悩み~

処女は血が出る?初体験は痛い?

藤東クリニックお悩み相談室~処女と初体験について~

質問者
私は現在処女なのですが、好きな人ができました。いつかは性行為もしてみたいと思っています。しかし「処女は初体験が痛い、血が出る」という話を聞いて不安にも思っています。痛みや出血、その他気を付けるべきことについて知りたいです。
藤東先生
今回は処女と初体験について解説しましょう!

処女ってどういうこと?定義は?

処女とは、性交渉が未経験の女性を意味します。英語読みで「バージン」と表現されるときもあります。一方、男性で同じく性交渉の経験がない人を「童貞」といいます。一般的に、どちらも性器の挿入を以て「ロストバージン」とされ、指やアダルトグッズの挿入やペッティングは含まれないとされています。

処女だと全員初体験で血が出る?

初体験で出血するのでは、というイメージが強いかもしれませんが、実際は全員血が出る訳ではありません。

出血の原因は処女膜が破れることだと思われがちですが、多くの場合は潤い不足などによる腟内部の傷です。緊張により筋肉が固くなっていたり、十分に濡れていなかったりという状態で挿入することで、腟内部に傷が付き、血が出てしまうことがあります。

もちろん、処女膜が傷付いて出血することもあります。処女膜には個人差があり、ある人とない(すでに喪失している)人がいるため、必ずしも出血は「処女膜が原因」とは言い切れないのです。

処女だと初体験は痛いって本当?

痛みにも、出血と同じく個人差があります。とはいえ、初体験時に何らかの痛みを感じる処女の方は多いかもしれません。

初体験の痛みも、処女膜が傷付くことだけでなく、リラックスできずに十分に濡れていない状態で挿入し、男性器の摩擦による痛みが生じる場合があります。また、稀ではありますが、コンドームの質が合わずに痛みを感じることもあります。ゴムアレルギーで痛みやかゆみ、かぶれを起こす女性もいるため、注意が必要です。

しかし、初体験の痛みは、終わってしまえばそこまで長引くことはほとんどありません。もしその後も痛みや違和感が続く場合は、何らかのトラブルが起こっている可能性があるため、クリニックの受診をおすすめします。

もっと知りたい「処女と初体験」について

処女膜と初体験の出血の関係

処女膜の構造、処女には全員ある?

処女膜とは、腟口のすぐ奥にあるひだ状の粘膜のことです。「膜」と言うと、薄い皮が腟口を覆って塞いでいるイメージをするかもしれませんが、実際は生理の経血やおりものを排出することができるよう、指1本程度の穴が開いています。ぴったりと塞がっている訳ではありません。

処女膜の位置は、腟からすぐ1~2cmほどの、ごく浅い場所です。形や厚さには個人差がありますが、およそ1mm程度の厚さで、ドーナツ型や半月型の女性が多いと言われています。

処女膜の役割

処女膜の役割は、免疫機能が低い少女期の腟を細菌感染から守ることだと言われています。しかし、まだ医学的な解明がされておらず、ただ存在しているだけ、と考える研究者もいます。

処女でも初体験で血が出ない原因

前述したように、処女でも血が出ない女性もいます。処女膜に関して言えば、性交渉をする前に何らかの原因で処女膜が破れていたり、元々薄かったりするために、初めてのセックスでも血が出ないことがあるのです。

初めての性交渉前に処女膜を喪失する原因としては、激しい運動や太めのラブグッズの挿入などが挙げられます。部活動などで日頃から激しい運動をしている女性など、すでに処女膜を喪失していることもあるでしょう。

また、処女膜がある場合でも、初めての挿入時にひだが伸びて切れなければ、血が出ないことがあります。

必ずしも「血が出ない=処女ではない」ということはないのです。

高齢処女にデメリットはある?

巷では40代の処女を「高齢処女」と呼ぶ傾向がありますが、主立ったデメリットも、健康上の問題もありません。本人の意思や考え方によって、結果的に40代までセックスの機会がない、もしくはしたいと思わなかった、ということですので、無理にセックスをする必要もないでしょう。

ただ、年齢を重ねると腟の伸縮性が弱くなり、20代の女性よりも痛みを感じやすいかもしれません。初体験を迎える予定がありそうであれば、腟マッサージや骨盤底筋ストレッチなど、腟まわりのケアをしておくと安心かもしれません。

処女が初体験をする前に知っておいた方が良いこと

妊娠のリスクと正しい避妊方法について

性交渉は愛情表現ですが、当然のことながら、そもそもは生殖行為です。避妊をせずにセックスをすれば、妊娠の可能性はあります。処女を卒業するということは、妊娠のことも頭に入れておく必要があるでしょう。

今の段階で妊娠を望まないのであれば、避妊は必須です。最も取り入れやすい避妊の方法は、コンドームを装着すること。ただし、コンドームも避妊率100%ではありません。正しいつけ方をすることで、避妊率は上がります。事前に動画などでしっかり確認しておきましょう。

また、「外出し」と呼ばれる腟外射精や、「安全日のセックス」は正確な避妊方法ではありません。パートナーが「大丈夫」と言っても、望まない妊娠をしてしまったら、2人の責任は重大なものになります。相手任せにせず、自分の体は自分で守りましょう。

ラブミルフィーユ モイストタイム
避妊手段のひとつであるコンドームの例。画像はラブミルフィーユ モイストタイム(ラブコスメ)

性感染症のリスクについて

妊娠だけでなく、性行為には性感染症のリスクもあります。性感染症もコンドームで防げますので、挿入している間は最初から最後まで装着してもらうようにしましょう。

また、フェラチオなどのオーラルセックスでも感染する場合があります。むやみにトライせず、異常がないかパートナーと話し合うことが大切です。

処女が初体験で痛いと感じやすい原因

処女膜の裂傷

初体験で処女膜に傷が付き、破れた場合は、やはり物理的な痛みが伴うことが多いです。ただし、一度破れた後、2回目のセックスでも痛みがある場合は、腟内で何らかのトラブルが起こっている可能性もあります。

化膿などで悪化してしまうと危険ですので、心配なときは婦人科を受診しましょう。

伸縮性不足

処女の方の場合、腟に異物を入れるといった経験がない女性がほとんどのはずです。腟が伸縮する動きに慣れていないことで、痛みを感じるかもしれません。また、初めてのセックスに緊張していて、筋肉がこわばっていると、より上手く伸び縮みができないこともあるでしょう。

パートナーと共に、できるだけリラックスできるような環境作りをしながら、前戯でもしっかり気持ちを高めて、腟回りを柔らかくするように慣らすことが大切です。

潤い不足

セックスの経験のない処女の方は、どうしても緊張から愛撫に集中できず、濡れにくい傾向があります。腟内の潤いが足りないと、挿入時にペニスが滑りにくいだけでなく、腟自体の伸縮が不足することで痛みを感じやすくなります。

無理に濡らそうとすると、より緊張したりプレッシャーで乾いてしまったりすることもあるので、積極的にローションや潤滑ジェルを使って、滑りや伸縮性をサポートしましょう。

挿入の抵抗感を軽減し、膣口の伸縮性をサポートする潤滑ジェル

潤いを補う潤滑ジェルの例。画像はラブスライド(ラブコスメ)

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処女の初体験に役立つアイテム

潤滑ジェル、モイスチャー美容液

腟に塗布して潤いを補うアイテムです。ペニスの滑りや腟の伸び縮みをサポートしてくれるので、挿入時の負担がグッと軽減されます。スムーズに挿入できるため、精神的な不安やハードルも下げることができるでしょう。

ただし、どうしても初体験の前に「潤滑ジェルを使いたい」と彼に言い出すことに抵抗がある方もいるかもしれません。その場合、女性自身に塗布しておくことのできる、デリケートゾーン用モイスチャー美容液を使用する方法もあります。

ジャムウ・シークレットモイスチャー
一人で使えるデリケートゾーンの潤いサポートアイテムの例。画像はジャムウ・シークレットモイスチャー(ラブコスメ)

ジェル多めのコンドーム

コンドームにも、形や色、香りなどさまざまな種類があります。処女の方におすすめのコンドームは、ジェルが多く塗布されているタイプです。潤滑ジェルをつけたように、スムーズに挿入しやすくなります。

コンドームのジェルも、温感や冷感、香りがついているものなど、多くの種類が販売されています。好みや気分に合うものを選ぶと良いでしょう。

ジェルの塗布されたコンドーム(ラブミルフィーユ)

ジェルが豊富に塗布されているコンドームの例。画像(上)は温感ジェルタイプのラブミルフィーユホットタイム(ラブコスメ)

デリケートゾーンケアアイテム

処女の方が気にしやすいのが、デリケートゾーンの状態です。初めて意中の男性に見せると思うと、臭いや黒ずみ、アンダーヘアなどが気になるのは自然なことです。

どうするのが正解、ということはありませんが、やはりエチケットとして清潔にしておくことが大切です。毎日デリケートゾーン用の石鹸で洗う、アンダーヘアをすっきりカットしておくなどのケアをしておくと、気分的にも安心できるでしょう。

初体験前にケアしておきたいデリケートゾーンのお手入れに使えるアイテムたち(ジャムウシリーズ)

デリケートゾーンのお悩み別ケアができる石鹸やジェルの例。画像はジャムウシリーズ(ラブコスメ)。

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ラブグッズ

初体験の前に練習をしておきたい、という処女の方は少なくありません。処女でもマスターベーションに対する欲求があるのは、当然の生理現象です。

外陰部に当てるローターなら、処女の方でも気軽に使え、性感の開拓にも取り入れやすいでしょう。また、腟内に挿入する場合は、細めのタンポンサイズの処女向けラブグッズなどもあります。指とほぼ同じ太さであり処女膜を傷付けにくく、見た目も圧迫感を覚えにくい作りになっています。

処女でも挿入に抵抗感の少ない細身のラブグッズ

細身のラブグッズの例。画像はラブデビューシリーズ メシベ(ラブコスメ)

アイテムの力を借りながら、初体験をより安心できるものに

処女で初体験を迎えるとなると、不安は付きものです。痛みや出血など、物理的な心配もありますが、実際に全員が痛みや出血がある訳ではありません。まずはリラックスして、パートナーとの初めてのセックスを楽しみましょう。

また、痛みがあると、より体が硬くなり、腟が濡れにくくなる悪循環に陥りがちです。無理をせず、サポートアイテムを利用しましょう。初体験がスムーズにできれば、2回目以降のセックスに対しても、前向きにとらえることができるはずです。

もし、初めてのセックスからしばらく経っても痛みなどの違和感を覚えるなら、クリニックにご相談ください。

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※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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