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勃起とは?勃起の仕組みと勃起力低下の原因と対策を解説

藤東クリニックお悩み相談室~勃起について~

 
質問者
付き合っている彼の勃起力が、最近低下してきている気がします。このまま結婚したら、いずれセックスレスや不妊の原因にもなりそうで悩んでいます。勃起力が低下するのは病気ですか?また、対処法はありますか?
 
藤東先生
今回は勃起のメカニズムと勃起力について解説しましょう!

勃起とは何?

勃起とは、2本ある陰茎海綿体に血液が集まり、陰茎が硬くなることです。性的な興奮や刺激などによって脳の神経から信号が出されると、陰茎の海綿体に指令が送られます。この指令によって海綿体に動脈血が大量に流れ込み、陰茎が大きく硬くなるのです。

勃起によって陰茎が硬化すると、腟への挿入がスムーズにできるようになります。逆に、勃起しない場合や勃起しても持続しない場合、腟への挿入が難しく、性交渉に支障をきたすでしょう。

勃起力は変化する?勃起が低下するのは病気が原因?

勃起力が落ちてくると、病気が原因なのではないかと不安に感じるかもしれません。しかし、加齢や睡眠不足、誤ったマスターベーションなど、病気以外に原因がある場合も多いです。

一方で、勃起機能の低下(いわゆる「ED」)は、メタボリック症候群や高血圧、糖尿病などの生活習慣病が原因である場合も珍しくありません。

EDは、完全に勃起しないケースだけでなく、性交渉をしようとしても勃起するまでに時間がかかる、一度勃起してもそれが持続しない「中折れ」と呼ばれる状態なども含まれます。

勃起力の低下やEDは、生活習慣の見直しやトレーニングなどによって、自分で改善していくこともできます。しかし、改善が難しい場合はクリニックへ相談し、治療を検討すると良いでしょう。

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もっと知りたい「勃起」について

勃起とは

勃起の種類

勃起には「反射性」「心因性」「夜行性」の3種類があります。反射性勃起は、性的興奮がなくても陰茎や睾丸を触られたり、乗り物に乗った際などに振動を受けたりすることによる勃起を指します。

心因性勃起とは、パートナーのセクシーな姿を見たり声を聞いたりなど、性的な興奮や刺激を受けた場合に起こる勃起のことです。夜行性勃起は、睡眠中や朝目覚めたときに起きる勃起で、いわゆる「朝立ち」と呼ばれる現象です。

勃起の仕組みと流れ

勃起は、以下の過程によって起こります。

~勃起までの過程と流れ~
  1. 五感で受けた性的興奮や陰茎への刺激が、脳に情報として伝わる
  2. 脳が陰茎に対して勃起をするよう指令を出す
  3. 陰茎付近にある平滑筋が緩むことで、血管が広がる
  4. 陰茎海綿体に血液が溜まり、陰茎がパンパンに膨らむ

この過程のどこかに問題が起きていると、十分な勃起ができなくなります。射精後ないし性的興奮が収まることで、勃起が静まり、陰茎も元の形に戻ります。

勃起の硬さや角度、平均持続時間

陰茎が勃起したときの角度は、水平よりも上向きのほうが良いとされています。陰茎が上向きに反っていると、性交渉時に女性器の内側にある性感帯を刺激しやすいからです。

勃起時の硬さは加齢によって弱まり、これに伴い角度も徐々に下がるケースが多いです。年齢別の勃起の角度は、手のひらをパーの形に広げたときの指の角度に連動していると言われています。

個人差はありますが、薬を服用していない場合、平均的な勃起の持続時間は約10分です。一方で、性交渉時に女性が求めている平均挿入時間は、約15分とされています。

H4:勃起が起きやすいタイミング

勃起が起きやすいタイミングは人によって異なりますが、主に以下のケースがあげられます。

~勃起が起きやすいタイミング~
  • キスをしたり抱き合ったりしたとき
  • 性的な画像や動画を見たとき
  • 男性器に触れて刺激が加わったとき
  • 男性器をオーラルされたとき

特に若い男性は、キスをしたり抱き合ったりしただけで、すぐに勃起するケースもあります。しかし、手やオーラルなどで陰茎を十分に刺激しないと勃起しない方も少なからずいます。勃起するタイミングや勃起に必要な刺激には個人差があるため、性交渉に支障がないのであれば、特段不安に思う必要はありません。

勃起障害の種類

全く勃起しない場合だけが、「ED(勃起障害・勃起不全)」という訳ではありません。

性交渉時の「中折れ」など、腟へ挿入する直前や挿入している最中に十分な勃起を持続できない場合もEDに含まれ、治療の対象となります。毎回ではないものの、度々勃起が持続できなくなる場合もEDに含まれます。

勃起は起きるものの女性の腟内で射精ができない「膣内射精障害」も、EDに該当します。いずれのパターンでも、EDの対処法や治療方法は原因によって異なるため、クリニックを受診するなどし、ご自身の原因に合わせた治療・対策を行うことが大切です。

勃起力が低下する原因

(1)加齢

加齢によって、男性ホルモンの分泌量は徐々に低下していきます。勃起のメカニズムには男性ホルモンが大きく関与しているため、男性ホルモンの分泌量が低下することで勃起力も落ちていきます。

(2)生活習慣の乱れによる血行不良

メタボリック症候群を含む肥満や運動不足、喫煙、過度なアルコール摂取、睡眠時間の乱れなど、生活習慣の問題も勃起力を低下させる要因となります。生活習慣が乱れることで、血中の脂肪分増加や筋力量が低下し、血行不良になります。結果として、陰茎に血液が行き届かず、十分な勃起が得られなくなるのです。

(3)糖尿病や高血圧、動脈硬化などの病気

糖尿病・高血圧・動脈硬化などの病気も、勃起力が低下する原因の1つです。

特に動脈硬化は、血管が硬くなることで陰茎に血液を送り込めず、勃起の維持が難しくなります。また、次に述べる高血圧の要因にもなり得ます。

高血圧や糖尿病を患うと、血管や末梢神経が傷つきやすくなります。性的刺激を陰茎に伝える末梢神経や、勃起に必要な血液を送り込む血管が傷つくことで、スムーズな勃起が起こりにくくなるのです。

これらの病気を予防・治療し、良好な健康状態を保つことは、加齢による勃起力低下の防止に繋がります。さらに言えば、これらの病気が悪化すると、命を脅かす重篤な事態にも陥りかねません。既にこれらの病気が疑われる方は、なるべく早く医療機関に相談してください。

(4)心理的要因

人によっては、ストレスを感じることで勃起力が低下する場合があります。

人間が心理的ストレスを感じると、ストレスから体を守ろうと「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。コルチゾールは、勃起の持続に欠かせない男性ホルモンの分泌を妨げるため、ストレスによって勃起力が落ちる可能性があるのです。

(5)不適切なマスターベーション

勃起力の低下や腟内射精障害を起こす原因として、不適切なマスターベーションの習慣化も考えられます。

代表的な例として、床に男性器を擦りつけて行う「床オナ」や、陰茎を強く握り過ぎる「強グリップ」が挙げられます。これらの強過ぎる刺激が習慣となると、性交時の愛撫や女性の腟内での刺激では物足りず、勃起力低下や腟内射精障害を起こす恐れがあります。

また、脚をピンと伸ばして行う「足ピン」と呼ばれるマスターベーションを続けると、脚を伸ばした状態でないと射精できなくなってしまいます。脚を伸ばした性交体位が少ないため、結果的に膣内射精障害に繋がるのです。

勃起力の低下を防ぐ方法

(1)食生活を見直す

勃起力の低下を防ぐためには、食生活の見直しが大切です。陰茎に血液が流れ込むことで勃起が起きるため、血管拡張や血流促進がポイントとなります。血流が良好な状態になる栄養素や、それにプラスして精力のつく食材を意識的に摂ると良いでしょう。

例えば、肉や大豆類に含まれる「アルギニン」は、血管拡張作用と精力増強効果が期待できる栄養素です。牡蠣、うなぎ、レバーなどに多く含まれる「亜鉛」には、生殖機能の改善や神経伝達物質の生成を補助する働きがあります。その他にも、ミネラルを豊富に含む魚やキノコ類、海藻類などをバランス良く食べるように心がけましょう。

食事のみでの摂取では不足しがちな栄養素は、サプリメントで補っても良いでしょう。食事での摂取が難しいムクナやマカ、シトルリンなどが配合されたサプリメントがおすすめです。

ムクナやマカ等の栄養素を摂取できるサプリメントの例。画像はLCラブサプリ ムクナスイッチ(ラブコスメ)
シトルリンなどの勃起を維持するのに必要な栄養素を摂取できるサプリメントの例。画像はウルトラエレクションズ(ラブコスメ)

(2)睡眠時間を確保する

勃起力を維持するための、理想的な睡眠時間は6~8時間です。

自律神経には、活動している際に活発化する交感神経と、リラックスしているときに活発化する副交感神経があります。意外にも、勃起時には活発化するのは副交感神経の方です。つまり、リラックス時に副交感神経が優位になることが、勃起力の維持に繋がります。

例えば、ゆっくりストレッチをする、熱過ぎないお風呂に入る、就寝前に深呼吸するなど、リラックス時に副交感神経を優位にする行動を取り入れてみましょう。良質な睡眠にも繋がりますので、睡眠の観点でも勃起力の向上が期待できるでしょう。

(3)過度なアルコールの摂取や喫煙を控える

アルコールを過度に摂取すると、精子を作るために必要な栄養が失われてしまいます。お酒を飲むときは、適量を心がけてください。

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があり、血管に大きなダメージを与えます。喫煙によって陰茎に血液が流れにくくなり、勃起を持続する力を弱めてしまうのです。勃起力を維持するためにも、がん発症リスクを減らすためにも、喫煙は控えましょう。

(4)骨盤底筋を鍛える

骨盤底筋(PC筋)を鍛えると、勃起の持続に繋がります。肛門の筋肉を締めるトレーニングを試してみましょう。

~骨盤底筋(PC筋)のトレーニング方法~
  1. お尻の穴を締めて、5秒キープ
  2. 締めたお尻の穴を緩めて、5秒キープ
  3. 1と2を繰り返す

また、大きく足を開いて行うワイドスクワットを行うと、勃起力維持に必要な内転筋が鍛えられます。

~内転筋を鍛えるワイドスクワットのやり方~
  1. 肩幅よりも大きく足を開き、つま先は外側45度に向ける
  2. 背筋を伸ばし、床から膝と太ももの角度が90度になるまで腰をゆっくり落とす
  3. ゆっくりと元の体勢に戻す

(5)クリニックを受診する

本人またはパートナーが「十分に勃起を持続できなくなった」と感じたときこそ、クリニックを受診する良いタイミングです。しかし、恥ずかしさから受診を躊躇したり、「自分はまだ大丈夫」と自己判断で治療を先延ばしにしたりしてしまう方も珍しくありません。

治療を先延ばしにしたことで、症状が深刻化するケースは少なくありません。生活習慣の改善やトレーニングなどの効果を感じられない場合は、なるべく早くED専門クリニックを受診しましょう。EDは、原因や症状によって治療方法が違います。すでに悩んでいる方は、何が原因なのかを発見するためにも、ぜひ専門医に相談してください。

セックスでの勃起に役立つアイテム

(1)スキンシップの時に使えるローション

性交渉のスキンシップ時にローションを活用すると、ヌルっとした独特の質感に、普段と違う興奮を感じられるでしょう。保湿成分が配合されたローションを選べば、スキンシップと同時に肌をケアすることもできます。ローションの使用を切り出しにくい場合は、マッサージから始めてみるのもおすすめです。

保湿にもスキンシップにも役立つローションの例。画像はシャイニングラブエステ ベリーロゼ(ラブコスメ)

(2)オーラルで刺激したい時に使えるローション

オーラルセックスによって男性器を刺激すると、勃起が起こりやすくなります。男性器の味や臭いに抵抗を感じる場合は、味や香りが工夫された、食べられるローションの活用がおすすめです。美味しいものを舐めとる舌の動きは普段と異なる上、ローション独特の感触もプラスでき、普段と一味違う快感が得られるでしょう。

オーラルの時に役立つ食べられるローションの例。画像はラブシロップ(メープル&ナッツ)(ラブコスメ)

勃起力低下の原因を知り、正しい対処法をとろう

勃起力低下に悩んでいるのであれば、勃起の仕組みや勃起力低下の原因を正しく知ることが大切です。その上で、生活習慣の改善やトレーニングなど、ご自身ですぐに取り入れられる対処法を試してみましょう。それでも改善しない場合は、重症化を防ぐ為にも、早めにED専門のクリニックを受診してください。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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