オーラルセックスの注意点

オーラルセックスでも性感染症になる?病気と予防策

藤東クリニックお悩み相談室~オーラルセックスについて~

相談者
友人から「オーラルセックスで感染症にかかった」と聞きました。オーラルセックスで性感染症になるなんて、そんなことあるんでしょうか?
藤東先生
今回はオーラルセックスについて解説しましょう!

オーラルセックスって?

オーラルセックスとは、口腔または舌を使い、性器を舐めるなどによる愛撫をする行為を意味します。俗に、男性器への愛撫をフェラチオ(フェラ)、女性器へをクンニリングス(クンニ)と呼びます。

オーラルセックスでも、性感染症(性病)になるの?

「オーラルセックスなら性感染症に感染しない」という認識は誤りです。性感染症は腟に性器を挿入する場合でのみ感染すると思われがちですが、口で性器を愛撫するオーラルセックスでも性感染症になることがあります。オーラルセックスで性感染症に感染するケースには、主に2通りあります。

  • 性器(精液)にいる病原体が口腔内にうつる
  • 口腔内にいる病原体が性器にうつる

そのため、100%とは言えませんが、コンドームによって性器(精液)から口腔内・口腔内から性器への病原体の付着を高確率で防ぐことができ、性感染症の予防になります。近年、性感染症は増加傾向にあるため、「オーラルセックスなら性感染症に感染しない」は間違いであることを、知識としてしっかり覚えておきましょう。

オーラルセックスで性感染症に感染する原因は?

オーラルセックスによって性感染症が性器から口腔に感染しても、無症状のケースが多いです。気づかぬうちに口腔内に感染した性感染症は、オーラルセックスで性器を通じて尿道に入ります。知らず知らずのうちに、口と性器との間で別の相手にうつしてしまう危険性があるのです。血液を介して、性感染症に感染することもあります。

性交渉相手の口の中に傷や炎症、抜歯などによる出血がある場合は、特に感染リスクが上がるため細心の注意が必要です。 たとえオーラルセックスであっても、性感染症予防のためにも信頼できるパートナー間のみで行うこと、そしてできるだけコンドームを使用することが望ましいでしょう。

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もっと知りたい「オーラルセックス」について

オーラルセックスで注意すべき性感染症(性病)と感染経路

(1)淋病

淋病とは、「淋菌」という病原菌による性感染症です。唾液や汗などには菌が含まれないため、性行為やオーラルセックス以外での感染はほぼありません。セックスとフェラチオの両方からうつりやすいですが、クンニリングスによる感染確率は比較的低いと言われています。

潜伏期間は2~7日間で、男性は強い排尿痛や尿道炎、黄色の膿が出るなどの症状が現れます。一方、女性は無症状となるケースが多いものの、排尿痛や性交痛、不正出血、黄緑色のおりものが出る、子宮頸管炎などの症状が出ることがあります。

口腔内に感染した場合は、のどの腫れや痛み、発熱などが起こります。しかし、特に症状を感じない方も多いです。淋菌の咽頭感染は、性器よりも治癒しづらい傾向がありますので、慎重に治療をする必要があるでしょう。

症状に気づかずにパートナーや複数の相手に感染させてしまうことがないよう、違和感を覚えたら病院を受診し、治療を受けましょう。

(2)梅毒

梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という病原菌による病気で、近年発症数が急増しています。性器や口、肛門などの症状が出ている部分に皮膚や粘膜が触れることで、体液や血液を介して感染します。稀ではありますが、キスや同じ食器を使用するといった行為で感染するケースもあります。

潜伏期間は3週間ほどで、発症すると女性は陰部に、男性は陰茎の亀頭部に、痛みのないしこりができます。オーラルセックスで感染した場合は、口にできものができます。この症状は数週間ほどで治まりますが、治癒した訳ではありません。3か月程経つと菌が全身に広がり、第2期の症状である手のひらや足の裏の赤い発疹や、のどの腫れなどが見られるようになります。

第2期の症状も数週間~数年で治まり、3年以上経過すると、全身にゴムのような腫瘍が現れます。最終的に目が見えなくなったり、心臓・血管・神経に障害が出たりし、最悪死に至ることもあります。

感染を広げないためにも、自分の体を守るためにも、何らかの症状が確認できた段階で、速やかに治療をするようにしましょう。

(3)クラミジア

喉が痛い女性

クラミジアは、「クラミジア・トラコマチス」という菌による性感染症で、性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスによっても感染します。女性へのオーラルセックスよりも、男性へのフェラチオの方が、口腔内に感染する可能性が高いと考えられています。

潜伏期間は1~3週間ですが、男女ともに初期段階は無症状であることが多いです。症状が出る場合は、男性は排尿痛や灼熱感、女性はおりものの増加や性交痛、陰部のかゆみが多く見られます。のどに感染すると、咽頭炎や慢性扁桃腺炎など、風邪のような症状が現れることがあります。

性行為やオーラルセックスで簡単にうつりますが、症状が出にくく、気づかないうちに感染し広がっていることが多いです。早めの検査や治療が大切です。

(4)性器ヘルペス

ヘルペスには、性器に発症する「性器ヘルペス」と、口元に発症する「口唇ヘルペス」があります。症状が出る場所は違いますが、同じヘルペスウイルスによる病気です。性器または口唇どちらかにヘルペスが出ている際にオーラルセックスをすると、相手の性器や口へと感染させてしまいます。

性器ヘルペスは、2~5日の潜伏期間があります。性器ヘルペスの場合は、女性は外陰部や腟の周囲に、男性は亀頭や陰茎に、小さな水泡が表れます。口にうつると、唇やその周辺に水泡ができます。痛みを伴い、皮膚のただれが起こることもあります。

治療をすれば症状は治りますが、性器ヘルペスは非常に再発しやすい病気です。一度感染すると、普段は症状が出ていなくても、ヘルペスウイルスは常に体内に潜伏します。風邪や抗生物質の投与で免疫力が下がった時などに、再発して症状が出ます。

症状が出ていなくても、潜んでいる菌によって感染する可能性があります。皮膚と皮膚の接触がないよう、性行為やオーラルセックスの際は、コンドームの装着をしてください。

オーラルセックスの性感染症予防法と注意点

(1)性器や口腔内を清潔にする

シャワー

性感染症は、口や性器に潜む病原菌が、体液や血液を介して感染します。性行為やオーラルセックスをする前に、歯磨きや入浴をしたりして、体を清潔を保ちましょう。

また、口腔内に傷や口内炎などの炎症がある時は、特に感染リスクが高いです。オーラルセックスは控えましょう。 1つの対策方法として、オーラルセックス後に排尿すると、尿道に侵入した菌をある程度排出できる可能性があります。意識的に行うと、ある程度リスクを軽減できるでしょう。

(2)コンドームやラップを使用する

男性へオーラルセックスをする際は、コンドームを装着することで、性感染症を予防することができます。稀ですが、精液自体にアレルギーがある方や、アレルゲンが含まれる食べ物を食べた男性の精液にアレルギー反応を起こす方もいます。コンドームを利用して、性感染症とアレルギー双方の対策をしましょう。

ただし、コンドームを装着してオーラルセックスをした後に、同じコンドームのままセックスをするのは危険です。コンドームが傷ついていたり、コンドームに口腔内の性感染症の病原菌が付着してしまっている可能性があります。挿入前に、必ず新しいコンドームをつけ直しましょう。

女性へのオーラルセックス時は、ラップフィルムの使用がおすすめです。性感染症は体液から感染するため、女性器をしっかり覆ってください。破損の恐れがありますので、歯を立てないよう注意しましょう。

(3)定期的に検査を受ける

オーラルセックスや性行為の経験がある方は、定期的に性感染症の検査をしましょう。新しいパートナーができたら、まずは2人で一緒に定期的に検査を受けると安心です。

パートナーが性感染症に感染している場合、片方が治療をしてもまた相手から感染する「ピンポン感染」の恐れがあります。無症状で感染に気がつかないケースもあるため、2人で定期的に検査することが重要です。

疑わしい症状や異常がある時は、速やかに病院で検査・治療をしましょう。検査方法は、検査したい性感染症の種類や男女によって異なります。男性は泌尿器科や性感染症専門の病院、女性は産婦人科を受診してください。症状によっては、皮膚科での検査も可能です。

(4)病院で治療を受ける

性感染症は、基本的に自然治癒しない病気です。放置すると、病原菌が体内に残ったまま病気が進行し続けます。クラミジアや淋病などは合併症によって不妊の原因になることもありますので、定期的に検査を受け、早期発見・早期治療をしてください。

性感染症の治療方法は、薬の服用となるケースが多いです。症状によっては、塗り薬などの外用薬を使うこともあります。症状が重い場合、注射や点滴を用いることもありますが、入院や手術までの処置になることは稀です。

ただし、治癒しても再発する、または治療の状況によって菌を完全に体内から除けない場合もあります。一度性感染症に罹患したら、定期的に検査を受けることをおすすめします。

オーラルセックスの時に役立つアイテム

(1)自然派石鹸

オーラルセックスや性行為の前は、全身を清潔に保つことが大切です。しかし、デリケートゾーンなどの繊細な箇所を洗うには、強い洗浄力のボディソープでは刺激が強いです。デリケートゾーンも洗える、低刺激性の石鹸で洗うことをおすすめします。

デリケートゾーン用の石鹸を活用すれば、気になる臭いの元となる皮脂や汗などの汚れをすっきりと洗い流し、清潔な印象で過ごせるでしょう。

ジャムウハーバルソープ
デリケートゾーンも洗える低刺激性の石鹸の例。画像はジャムウ・ハーバルソープ(ラブコスメ)

(2)コンドーム

性感染症を防ぐためにも、性行為やオーラルセックスの際はコンドームの使用が望ましいです。しかし、コンドーム独特のゴム臭や、外側に塗布されたジェルが気になる方も少なくありません。

オーラルセックス専用のコンドームや、ゴム臭を抑えたもの、香りや味のついた商品なども市販されています。色々なコンドームを試し、自身が使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

ストロベリーフレーバーのコンドーム(グラマラスバタフライ)

(3)ローション

コンドームの味やゴム臭が気になる方は、食べられるローションを活用することで、より抵抗を感じにくくなるでしょう。

ローションではありますが、食品でもあるため、問題なく口に入れられます。コンドームを装着し、食べられる甘いローションを垂らしてオーラルセックスをすれば、ゴム独特の臭いや味を和らげることができるでしょう。

コンドームの味や香りをカバーできる、食べられるローションの例。画像はラブシロップ(メープル&ナッツ)(ラブコスメ)

オーラルセックスの性感染症のリスクを知って、正しく対策しよう

性行為だけでなく、オーラルセックスだけでも、性感染症の感染リスクがあります。確実に感染していないと判断できる状態でないのであれば、コンドームなどを活用し、正しい感染予防対策をとるようにしましょう。

性感染症は、自覚症状が現れないことも多いです。だからこそ、知らないうちに感染が広がってしまう恐れがあります。自分の体を守るためにも、大切なパートナーを守るためにも、定期的に病院を受診し、検査を受けることが重要です。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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