中折れの原因と対策方法

藤東クリニックお悩み相談室～中折れについて～

もっと知りたい「中折れ」について

世代別で見る中折れの傾向

20代～30代に多い中折れ

20代～30代に多い中折れの主な原因は、心因性の問題か薬の副作用です。心因性による中折れの背景には、疲労やストレス、性行為の経験不足によるプレッシャー、過去の性行為でのトラウマなどがあります。薬の副作用による中折れについては、後ほど詳しく解説します。

40代に多い中折れ

40代の中折れには、生活習慣病が関わっている場合があります。生活習慣病とは、食生活の偏りや喫煙、飲酒、運動不足、休養不足などが原因になる疾病です。代表的な生活習慣病としては、脳卒中や糖尿病、高尿酸血症、高血圧症、心臓病、肝臓病、動脈硬化症、高脂血症などが挙げられます。

生活習慣病は血管や神経に障害をきたす病気が多く、男性器に流れ込む血液量も減少するため、中折れに繋がるのです。

50代以上に多い中折れ

50代の中折れは、40代と同様に生活習慣病が主な原因であることが多いですが、加齢による場合もあります。加齢によって性欲が落ち、性的興奮や刺激を受けづらくなっていることも中折れに繋がっています。

中折れの原因とは

男性ホルモンの分泌量が少ない

中折れの主な原因には、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌量の減少が挙げられます。一般的にテストステロンは、40代から分泌量が少しずつ減少します。

また、睡眠不足などの生活習慣の乱れによって、分泌量が極端に減る場合もあります。睡眠不足は、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンを分泌させる要因となり、これがテストステロンの分泌量を減少させるのです。テストステロンは性機能にとって重要な役割を担っています。分泌量が減少すると性欲も減退し、勃起の維持が難しくなり、中折れに繋がります。

高血圧や動脈硬化などの血管障害

高血圧症や動脈硬化症は、動脈の血管が硬くなる血管障害の一種です。十分な勃起には、陰茎にある海綿体に大量の血液が流れ込む必要があります。海綿体に流れ込んだ血液の圧力によって、陰茎は硬くなるのです。血管障害が起こると陰茎への血液量が減るため、勃起の維持が難しく、中折れに繋がります。

骨盤底筋群（PC筋）の衰え

PC筋とも呼ばれる骨盤底筋群の衰えも、中折れの原因の1つです。骨盤底筋群とは、肛門と睾丸の中間あたりにある様々な筋肉を指します。骨盤底筋群は肛門や尿道などの排泄に関わる筋肉でもありますが、陰茎に血液を送り込むポンプの役割も担っています。また、陰茎に流れ込んだ血液が体内に戻るのを防ぐ役割もあるのです。

骨盤底筋群を鍛えるためには、意識的に肛門を締めるエクササイズやスクワットが有効です。男女ともに骨盤底筋群は体幹の維持に重要な役割を担っています。中折れ対策だけでなく、健康のためにもパートナーと一緒にエクササイズを始めてみると良いでしょう。

薬の副作用

先述の通り、服用している薬の副作用が中折れに繋がっている場合もあります。薬剤性EDと呼ばれる勃起障害を引き起こす可能性がある薬を以下にまとめました。

～中折れなどのEDに繋がる可能性がある薬～

• 高血圧治療に用いられる降圧利尿薬
  降圧剤がEDを引き起こすメカニズムは明確になっていませんが、血圧の低下による陰茎への血液量低下が背景にあると考えられています。
• 精神安定剤や抗うつ薬
  うつ病の方は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが不足している傾向があります。抗うつ薬の処方でセロトニン値が上昇しますが、セロトニンには感覚を低下させる働きもあるのです。結果的にオーガズムや射精が遅れたり、EDに繋がったりします。
• 前立腺がん治療で用いられる抗アンドロゲン剤
  抗アンドロゲン剤は、男性ホルモンのテストステロンの分泌を抑えます。性機能が明らかに下がる方や、性欲を感じづらくなる方も珍しくありません。薬の投与が終わればテストステロン値は少しずつ回復しますが、年齢によっては治療前のレベルまで回復しないこともあります。

薬を服用し始めてから中折れするようになった場合は、薬の副作用が原因である可能性が高いです。しかし、自己判断で薬の服用を止めてはいけません。ED治療薬と併用できる薬もあるため、まずは、副作用について主治医に確認しましょう

陰茎の感覚麻痺

陰茎の感覚麻痺によって、中折れが生じる場合もあります。腟圧よりも強い刺激でのマスターベーションが習慣になっていると、陰茎の感覚は次第に麻痺します。刺激への反応が鈍くなることにより、勃起の維持や腟への挿入でオーガズムに達するほどの刺激を得られなくなるのです。

精神的な理由（ストレスやマンネリ）

女性が体を刺激されても濡れづらい日もあるように、健康で身体的に問題がない男性でも中折れする場合があります。心因性EDとも呼ばれるストレスやプレッシャーによる勃起不全は、20代の男性にも多いことが特徴です。

～心因性EDの主な原因～

• 仕事や家庭でのストレス
• 性行為でのトラウマ
• 子作りへのプレッシャー
• 性行為にマンネリを感じている

性行為以外の様々な悩みによって性行為に集中できず、中折れに繋がっている場合もあります。

中折れの改善・対策方法

生活習慣の改善

テストステロンは夜中の1～3時に多く分泌されるといわれています。そのため、中折れ対策には十分な睡眠が重要です。

また、運動によっても、テストステロンの分泌が盛んになることが分かっています。ただし、負荷が大過ぎる運動では、分泌されたテストステロンがすぐに消費されます。筋肉を増やす働きを持つテストステロンの分泌量が多いままの状態を維持するには、下半身や背中などの大きな筋肉を鍛えるトレーニングが効果的です。スクワットやHIITと呼ばれる高強度インターバルトレーニングを取り入れてみましょう。

テストステロンには、性欲を高める働きがあります。十分にテストステロンが分泌されていれば、性行為中の性的興奮も高まるため、勃起力維持が期待できるのです。

参考文献（外部サイト）：「テストステロン分泌のコントロールについて（大東製薬工業株式会社）内、テストステロンの日内変動グラフより」

ローションやラブグッズを取り入れる

挿入や射精にこだわらず、ローションを用いてお互いの性的刺激を高め合う方法もあります。目隠しや手錠などのラブグッズを用いることにより、マンネリの打開や男性の体力温存に繋がることもあります。

挿入時の違和感や相手をオーガズムに導きたいというプレッシャー、射精を我慢し過ぎることによって中折れする方もいます。滑りを補うジェルや、挿入以外の方法でパートナーの感度を高めることができるラブグッズを取り入れば、心因性EDの原因を解消できる可能性があるのです。

男性ホルモンの分泌を促す栄養素を摂る

テストステロンの分泌が促されると、性欲や性的興奮が高まって中折れを防ぐことができます。テストステロンは加齢によって減少しますが、食事やサプリメントによる栄養摂取で高めることもできます。

テストステロンの生成促進や減少を防ぐ働きを期待できるのは、亜鉛やビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、アリシンです。亜鉛やビタミンD・Eが豊富に含まれた食材には、牡蛎やレバー、うなぎなどが挙げられます。

カウンセリングを受ける

過去の性行為によるトラウマやストレスなどの心因的なものが中折れの原因となっている場合は、自己解決を目指すと、更なるに精神的苦痛に繋がることもあります。ED専門のクリニックや心療内科でカウンセリングを受けましょう。

コンドーム・マス法によるトレーニング

コンドームを装着すると中折れしたり、射精できなくなったりする状態をコンドームEDと呼びます。トラウマやプレッシャーが影響している心因性EDの一種です。コンドームEDを解消するには、腟内射精障害や早漏などにも用いられるコンドーム・マス法と呼ばれる勃起維持のトレーニングが有効です。

~中折れや腟内射精障害に有効なコンドーム・マス法~

1. コンドームの内側に潤滑ジェルやローションを垂らす
2. 性器にコンドームを装着し、柔らかく手で性器を握る
3. 腟内の状態に近付けるため、優しい圧で刺激を続ける
4. 射精

コンドーム・マス法でのトレーニングを続けつつ、強い圧でのマスターベーションを控えることが、コンドームEDだけでなく感覚麻痺の改善にも繋がります。

ED治療薬の使用

一般的な中折れなどのEDの治療法は、ED治療薬の服用です。日本で認可されている主なED治療薬で最も作用が強いのは、レビトラです。次にバイアグラとステンドラ、ザイデナが続きます。最もマイルドな効果が期待できる薬は、シアリスです。薬の種類によって、効果が表れるまでの時間に差があります。

これらの薬は、ジェネリック医薬品の処方も可能です。しかし、個人で行うインターネットを経由して入手した輸入品は、日本で認可されていないジェネリックED薬も含まれます。健康被害や偽造品が流通している報告が出ているため、必ず医師から処方された薬を服用しましょう。

中折れの原因を知って、正しい対策でケアしよう

性行為で上手く挿入ができないことや勃起が維持できないことは、珍しい症状ではありません。中折れの原因が身体的理由によるのであれば、生活習慣の見直しで改善できる可能性があります。また、精神的理由の場合でも、治療ができるのでED専門のクリニックに相談しましょう。

なお、いずれの原因の場合でも、中折れが気になった際は放置せずにクリニックを受診しましょう。

sponserd by ラブコスメ

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。