藤東クリニックお悩み相談室~生理のむくみについて~
生理中はむくみがひどくて辛いです。生理中にむくむのは普通ですか?解消法や、むくみにくくなる対策はありますか?
生理中はむくむ?
生理中に体がむくむのは多くの女性が経験するごく自然な現象です。医学的には「月経前症候群(PMS)」や、生理開始後の体調変化の一環として捉えられています。
顔が腫れぼったくなったり、足がパンパンになって靴がきつく感じたりすることは珍しくありません。体重が1〜3kgほど増加することもありますが、これは脂肪が増えたわけではなく、体内に余分な水分が溜まっている状態です。生理が終わってホルモンバランスが落ち着けば、自然と水分が排出されて元のスッキリした状態に戻ることがほとんどですので、あまり心配しすぎる必要はありません。
生理中にむくみが出るのはなぜ?
生理中にむくみが発生する最大の理由は、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの働きにあります。
排卵後から生理前にかけて増加するこのホルモンには、受精卵が着床しやすい環境を作るために、体内に水分や栄養を蓄えようとする性質があります。いわば、体が「脱水状態にならないよう貯水モード」に入るイメージです。この影響で、血管から細胞の間に水分が漏れ出しやすくなり、むくみとして現れます。
さらに、生理が始まると今度は血管を収縮させる「プロスタグランジン」という物質が増えます。これが骨盤周りの血行を滞らせ、全身の巡りを悪くしてしまうことも、むくみがなかなか引かない一因となっています。
生理中にむくみが出やすくなる原因はある?
ホルモンバランスという不可抗力以外にも、日常生活の習慣がむくみを悪化させている場合があります。
まず大きな原因となるのが「冷え」です。生理中は体温が下がる時期であり、下半身が冷えると血液やリンパの流れが滞り、水分代謝が著しく低下します。
また、この時期特有の食欲増進によって、塩分の多い食事やスナック菓子を摂りすぎてしまうことも要注意です。塩分に含まれるナトリウムは水分を抱え込む性質があるため、むくみをさらに深刻化させます。
そのほか、運動不足による筋力低下や、生理痛によるストレス、睡眠不足なども自律神経を乱し、水分排出の妨げとなります。これらの要因が重なることで、人によってむくみの程度に差が出てきます。
心当たりのある方は、ぜひ上記に注意をしてみてください。
もっと知りたい!生理中のむくみについて
生理中のむくみの解消法
むくみの解消方法には色々ありますが、普段なら効果的な「激しい運動」や「長時間のサウナ」、「極端な食事制限」などは、貧血や体調不良を招く恐れがあるため生理中には向きません。生理中というデリケートな時期でも安全にできる解消法を厳選しました。
【食事改善】塩分を控え「カリウム」を摂る
生理中の食事で最も意識したいのは、塩分のコントロールと「カリウム」の摂取です。この時期の体は、ホルモンの影響で水分を溜め込みやすくなっていますが、塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、その水分保持力がさらに強まり、むくみが悪化してしまいます。外食や加工食品、スナック菓子などは控えめにし、薄味を心がけることが大切です。
一方で、体内の余分な塩分を排出してくれるのが「カリウム」というミネラルです。バナナ、キウイ、アボカドなどのフルーツや、ほうれん草、海藻、納豆などに多く含まれています。生理中は食欲が不安定になりがちですが、これらの食材を意識して取り入れることで、細胞内の水分バランスを整えることができます。
また、冷たい飲み物は代謝を下げてしまうため、常温以上の水や温かいノンカフェインの飲み物で水分を補給するのが理想的です。
【入浴ケア】38〜40℃のぬるめのお湯に浸かる
生理中は体調や衛生面を気にしてシャワーだけで済ませる方も多いですが、むくみ解消には湯船に浸かることが非常に効果的です。ポイントは「38〜40℃」のぬるめのお湯に、15分ほどゆっくり浸かることです。熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、体に負担をかけてしまいますが、ぬるめのお湯は副交感神経を優位にし、血管を広げて血行を促進します。
さらに、入浴には「水圧」によるメリットもあります。お湯に浸かるだけで全身に適度な圧力がかかり、これが天然のマッサージとなって、下半身に滞っていた血液やリンパ液を心臓へと押し戻してくれます。体の芯から温まることで、むくみの原因となる冷えが解消され、生理痛の緩和やリラックス効果も期待できます。
体調が優れない時は無理をせず、足湯だけでも行うと、巡りが良くなりスッキリとした感覚が得られるはずです。
【ボディケア】ソフトなマッサージ
生理中のマッサージは、普段のような強い圧をかけるものではなく、優しくなでるような「穏やかなケア」が適しています。生理中は体がデリケートになっているため、強い刺激は逆効果になりかねません。
特におすすめなのは、心臓から遠い足首周りやふくらはぎを、手のひら全体を使って下から上へと優しくささる方法です。これだけでも、重力で足に溜まった水分を循環させる手助けになります。
また体の関節を回すストレッチも、血流改善に効果的です。

生理中のむくみ解消マッサージ・ストレッチのやり方
生理中のセルフマッサージ
生理中の体は非常にデリケートで、人によっては貧血気味だったり、肌が敏感になっていたりします。そのため、「強く揉む」のではなく「さすって流す」イメージで行うのがポイントです。
~生理中のセルフマッサージのやり方~
- 手のひらでジェルを温める
まずは、500円玉大のジェルを手に取り、両手のひらですり合わせて人肌程度に温めます。冷たいジェルをいきなり肌にのせると、血管が収縮して逆効果になることがあるため、「温かさ」を意識しましょう。 - 足首からふくらはぎへ(下から上へ)
一番むくみが溜まりやすい足首からスタートします。
【足首】
両手で足首を包み込み、くるぶしの周りを円を描くように優しくなでます。
【ふくらはぎ】
手のひら全体を肌に密着させ、足首から膝の裏に向かって、ゆっくりと引き上げるようにさすり上げます。
これを片足5〜10回程度、呼吸を止めずにゆったりとしたリズムで行いましょう。 - 膝の裏を優しくプッシュ
ふくらはぎから流してきた水分を、出口である「膝裏のリンパ節」へ届けるイメージです。両手の指先で、膝の裏を「気持ちいい」と感じる程度の非常に弱い力で3〜5回ほど軽く押します。
グイグイ押すのではなく、ポンポンと優しく叩くか、じわ〜っと圧をかける程度で十分です。
このマッサージを行うときに、美容成分の入ったジェルを使うと肌のケアも同時に行えるのでお勧めです。

足首回しストレッチ
生理中の「足首回し」は、座ったままや寝転んだままできる、最も負担の少ないむくみ解消法です。ふくらはぎの筋肉(第2の心臓)を動かすことで、下半身に滞った血液や水分を心臓へと押し戻すポンプ機能を助けます。
今回は座った状態と寝た状態の2種類のやり方を紹介します。
~座って行う「基本の足首回し」~
- 姿勢を整える
椅子に浅く座るか、床に座って片方の膝を軽く曲げ、もう片方の足を組みます。 - 手で足の指を握る
足の指の間に手の指を1本ずつ交互に入れ、握り合うように深く組みます(これが難しい場合は、足首を片手で支えるだけでもOKです)
大きくゆっくり回す: 足首の力を抜き、手の力を使って円を描くように回します。 - 外回し・内回し 各10回程度
くるぶしの骨が動くのを意識しながら、1周に5秒ほどかけてゆっくり回すのがコツです。
~寝たまま行う「足上げ足首回し」~
- 足を高くする
仰向けに寝て、クッションや丸めた毛布の上にふくらはぎを乗せます(足先が心臓より少し高い位置に来るようにします) - 足首を自力で回す
その状態で、足首をゆっくりと回します(外回し・内回し 各10回程度実施) - 仕上げのストレッチ
回し終わったら、つま先を天井に向けたり(ふくらはぎを伸ばす)、自分の方へ向けたり(足の甲を伸ばす)する動きを交互に数回繰り返すと、よりスッキリします。
生理中は体がこわばりやすいため、足首回しは鼻から吸って口から吐く深い呼吸を続けながら行いましょう。血行促進効果が高まります。
また、足首を回した後に、ふくらはぎを軽く「トントン」と叩いたり、さすったりすると、より体感として軽さを感じやすくなります。
顔のツボ押し
生理中の顔のむくみは、鏡を見るたびに気分が沈んでしまうものですよね。顔のツボ押しは肌をこすらずに済むため、生理中の敏感肌にも安心です。
~顔のむくみ解消におすすめのツボ~
- 攅竹(さんちく)
眉頭の少し下のくぼみ。親指で上に押し上げるように優しく刺激すると、目元の腫れぼったさが和らぎます。

- 四白(しはく)
目の下の骨のキワから指1本分下にあるくぼみ。頬の血流を促し、顔全体のむくみをスッキリさせます。

温冷交代洗顔(マイルド版)
血管を適度に刺激して、代謝を促す方法です。生理中はのぼせやすいため、温度差を控えめにするのがコツです。
~温冷交代洗顔のやり方~
- ぬるま湯(38℃程度)で顔を数回ゆすぎ、顔を温めます。
- 常温に近い水で数回ゆすぎます。
- これを2〜3回繰り返すと、血行が良くなり、顔色がパッと明るくなります。
生理中のむくみケアの注意点
美顔ローラーでゴロゴロしすぎるのはNG
生理中はホルモンバランスの影響で肌のバリア機能が低下し、非常に敏感になっています。普段は何ともない美顔ローラーの刺激でも、赤みや摩擦による色素沈着、ニキビの悪化を招くことがあります。
また、強い力で顔をこすると、かえって微細な炎症が起き、水分を溜め込んでむくみがひどくなることもあるため、使う際は「表面を滑らせる程度」の軽い力に留めることが大切です。
「着圧の強すぎる」ソックスを長時間履くのはNG
むくみ対策の定番である着圧ソックスですが、生理中はサイズ選びに注意が必要です。生理痛がひどい時に締め付けの強すぎるものを履くと、腹部の血流まで滞らせてしまい、生理痛を悪化させたり、気分が悪くなったりすることがあります。
特に鼠径部(足の付け根)が圧迫されるタイプは避け、ゆったりとした低着圧のものや、ふくらはぎだけをサポートするタイプを選ぶようにしましょう。
お腹周りを強くマッサージするのはNG
「お腹が張っているから」と腹部をグイグイ揉みほぐすのは、生理中は禁忌に近いです。子宮が収縮している時期に外部から強い刺激を与えると、出血量が増えたり、激しい腹痛を引き起こしたりするリスクがあります。
お腹のむくみや張りが気になる時は、マッサージではなく、カイロや腹巻で「温める」ケアに徹するのが最も安全で効果的です。
汗をかこうとして「長風呂」に頼るのはNG
「汗をかけば水分が抜けてスッキリする」と考えがちですが、生理中は貧血になりやすく、血圧も変動しやすい時期です。長時間の激しい入浴は、のぼせや立ちくらみを引き起こす危険があります。
また、過度な発汗は一時的な体重減少にはなりますが、体力を激しく消耗させ、結果として自律神経が乱れて代謝が落ちる原因にもなります。お風呂は「じんわり温まる程度」がベストです。

生理中のむくみはソフトなマッサージやストレッチで対策を
生理中のむくみは、ホルモンバランスの変化に伴う自然な現象です。体が水分を蓄えようとする時期だからこそ、無理に追い出すのではなく、優しいケアで「巡り」をサポートしてあげることが大切です。
塩分を控えた食事やぬるめのお湯での入浴、そして負担の少ないマッサージやストレッチを日常に取り入れてみてください。デリケートな時期の体は、思っている以上に敏感です。自分を労わる気持ちで、ゆったりとしたペースでむくみ対策を行っていきましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。





