更年期の生理の変化と閉経の予兆や流れ

藤東クリニックお悩み相談室~更年期の生理について~

 
質問者

現在46歳です。少し前から生理の周期が短くなったように思います。これは更年期によるもので、閉経の予兆なのでしょうか?変化を感じ始めてどのくらいで閉経するものなのでしょうか?

 
藤東先生
今回は更年期の生理について解説しましょう!

更年期の生理の変化はいつ頃から?

更年期の生理の変化を感じ始める時期は45歳前後(40代半ば)が多いですが、個人差が大きく40代前半や50代に入ってからの方もいます。

変化の進み方にも特徴があり、いきなり生理が完全にストップするわけではありません。一般的には、まず「生理周期が短くなる(月に2回くるなど)」変化から始まるケースが多く見られます。

その後、そのまま無くなるのではなく、今度は「周期が2〜3ヶ月あくなど長くなる」段階を経て、最終的に完全に生理が来なくなる(閉経する)というプロセスをたどるのが典型的です。少しずつ体が閉経へと向かう準備をしているサインといえます。

更年期の生理の変化は閉経の予兆?

40代半ば以降で「生理の間隔が短くなった」「長くなった」と感じる場合、それは閉経に向けた予兆(サイン)である可能性が高いといえます。加齢に伴い卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌バランスが乱れることで、身体が閉経へと向かう準備を始めているためです。

この時期は周期だけでなく、経血が大量にドバッと出る・逆に極端に少ないといった「出血量の変化」や、出血がダラダラ長引く・2〜3日で終わるといった「出血期間の変化」も代表的な予兆として表れます。

さらに、こうした生理周期の乱れと重なるように、ホットフラッシュ(のぼせ・発汗)、イライラ、倦怠感、不眠といった更年期特有の症状が現れることも少なくありません。

生理に変化を感じてから、どのくらいで閉経する?

生理の乱れが始まってから閉経を迎えるまでは、全体でおよそ2〜5年ほどの期間を要するのが一般的です。

初期段階として「周期が短くなる時期」が約1〜2年ほど続き、次に「周期が数ヶ月単位へ伸びる時期」が約1〜2年ほど訪れます。その後「半年ぶりに少し出血があった」というような間隔を挟みながら、段階的に停止へと向かいます。そして、1年間を通して一度も生理が来なかった時点で、医学的に「閉経」と判定されます。

つまり、現在周期が短くなることを感じ始めたばかりの方は、閉経までの期間としてあと5年ほどある可能性が高いです。一方生理が2~3か月に一度のペースになってからしばらくたっているという方は、2年ほどで完全な閉経を迎える確率が高いといえるでしょう。

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もっと知りたい!更年期の生理の変化について

更年期に生理が変化する理由

更年期に「生理周期」が短くなったり、長くなったりする理由

前述のとおり、更年期になると生理はまず間隔が短くなるステップを経て、今度は期間が長くなるステップへと変化します。それは卵巣の機能低下と関連があります。

初期

卵巣機能が低下し始めると、まずは生理の周期が短くなる(頻発月経)傾向があります。「月に2回生理が来る」「20日周期になる」といった変化です。

後期

閉経が近づくと、今度は周期が伸びて飛び飛び(稀発月経)になります。「2〜3ヶ月に1回しか来ない」「半年ぶりに来た」という状態を経て、最終的に途絶えます。

卵巣の働きが衰えると、卵子を育てるスピードが不安定になり、まずは「周期が短くなる」現象が起きます。やがて排卵自体がスムーズに行われなくなると(無排卵月経)、今度は「周期が長くなる」ようになるのです。

この背景には、脳と卵巣のやり取りの乱れが関係しています。通常、脳(視床下部)からの指令を受けて卵巣から「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が分泌されますが、卵巣機能が低下すると脳の指令通りに分泌できなくなります。

初期段階では、脳が焦って過剰に指令を出し(卵胞刺激ホルモンの増加)、卵胞が急ピッチで育ってしまうため周期が縮まります。しかしさらに機能が落ちると、どれだけ指令を出してもエストロゲンが十分に分泌されず排卵を起こせなくなり、周期が大幅に伸びてしまうのです。

更年期に「経血量」が多くなったり、少なくなったりする理由

更年期の生理の変化は、周期だけでなく量にも表れます。

過多月経(ドバッと増える)

女性ホルモン(エストロゲン)の分泌バランスが崩れると、子宮内膜が過剰に厚くなり、「レバーのような血の塊が出る」「ナプキンが1時間もたない」といった大量の出血が起こることがあります。

過少月経(チョロチョロ減る)

逆に、経血量が極端に減り、おりものシートで足りる程度の出血が2〜3日で終わってしまうケースもあります。

これら経血量の極端な変化にも、エストロゲンと「プロゲステロン(黄体ホルモン)」のバランス崩れが大きく関わっています。

本来、エストロゲンが子宮内膜を厚くし、排卵後に分泌されるプロゲステロンがその成熟を抑えて剥がれやすく制御しています。しかし更年期になり無排卵が増えると、プロゲステロンが分泌されず、エストロゲンだけがダラダラと内膜を厚くし続けてしまいます。これが崩れ落ちることで大量出血(過多月経)が起こる仕組みです。

一方で、卵巣の機能低下がさらに進むとエストロゲン自体が作られなくなるため、内膜がほとんど作られず、逆に経血量が激減(過少月経)します。

更年期とピル、避妊の問題

ピルを使い続けていると閉経の予兆に気づきにくい?

40代以降もピルを使い続けている場合、更年期に伴う生理変化は起こりにくくなり、結果として閉経の予兆に気づきにくくなります。

ピルは女性ホルモンを外部から補うことで排卵を止め、ホルモンバランスを人工的に一定にコントロールするお薬です。休薬期間に起こる出血は「生理(消体性出血)」のように見えますが、本来の生理(排卵を伴う出血)ではありません。

卵巣の機能が低下して更年期に入っていても、ピルを飲んでいる間は薬によってホルモンが補われることで毎月規則正しく出血が起こるため、「生理周期が短くなる・長くなる」「量が極端に増減する」といった本来の更年期のサインが隠れてしまいます。

40代のピルのやめ時は?

医学的なガイドラインやリスクの面から、ピルのやめ時(切り替え時)には明確な基準があります。

(1) 原則として「50代」または「閉経」までにはやめる

ピルの世界的な基準(WHOガイドライン等)では、50歳まで、または閉経が確認できるまでが投与可能期間とされています。50歳以上になるとピルの大きな副作用である血栓症(血液の固まりができる病気)のリスクが高まるためです。

(2)40代半ば(45歳前後)がひとつの検討タイミング

40代に入ると徐々に血栓症リスクが上がり始めます。そのため、45歳前後でピルの服用を中止するか、よりリスクの低い「HRT(ホルモン補充療法)」や「黄体ホルモン製剤(ジエノゲスト等)」へ移行するケースが多く見られます。

更年期に入っているか(ピルのやめ時か)確認する方法

「ピルを飲んでいると更年期か分からないのでは?」と不安になりますが、婦人科で確認する方法があります。休薬期間に婦人科で血液検査を行い、FSH(卵胞刺激ホルモン)やエストロゲンの値を調べることで、卵巣機能がどれくらい残っているか(更年期・閉経に近い状態か)を推測できます。

40代後半で更年期症状(のぼせ、イライラ、不眠など)が出てきた場合は、ピルから「更年期障害の治療(HRT)」へスムーズに移行することも一般的です。HRTはピルよりもホルモン量が少なく、50代でも安全に使用できます。

避妊を目的とする場合はミレーナやコンドームを

ただしHRTは、更年期障害の症状(のぼせ、発汗、イライラ、不眠など)を和らげるために、減少した女性ホルモンを「必要最小限の量」補う治療法です。ピル(低用量ピル)のように「排卵を止めて避妊する」ための十分なホルモン量が入っていないため、HRTを続けていても排卵が起こり、妊娠する可能性が残ります。

そのため、HRT(ホルモン補充療法)へ移行した後も避妊が必要な場合は、以下のような対策を併用する必要があります。

  • コンドームを併用する
  • ミレーナ(子宮内避妊器具)を装着した上でエストロゲン製剤を補う
    ※ミレーナで避妊+子宮内膜保護を行いながら、HRTとしてエストロゲンを補う方法は、更年期治療と避妊を両立させる手段として婦人科でよく選ばれています。

特にコンドームは最も体の負担が少なく取り入れることのできる避妊方法です。現在は女性が持ち歩きやすいおしゃれなデザインのものも増えています。

女性でも持ちやすいおしゃれなパッケージのコンドームの例。画像は『グラマラスバタフライ・ホット(12個入り)(ラブコスメ)』

「HRTをしているから避妊は大丈夫」と誤解されやすいため、ピルからHRTへ切り替える際は、避妊対策についても併せて婦人科の医師に相談することが大切です。

更年期の生理変化にまつわる悩み事と改善策

(1)いつ生理がくるか予測しづらい

更年期に入ると生理周期が不規則になるため、「次の生理がいつ来るのか予測できない」という悩みが非常に多くなります。

「予定日より1週間も早く始まった」「数ヶ月来なかったのに旅行中に急に来た」など、従来の生理アプリやスケジュール管理が通用しなくなりがちです。その結果、白や薄い色の服を避けたり、いつ出血してもいいように常に生理用品を持ち歩く必要が出たりと、日常生活や仕事の予定が立てづらくなるストレスを抱える人が少なくありません。

いつ起こるかわからない不安と付き合わなければならない点は、更年期特有の大きな負担といえます。

不安から生理予定日近くになると事前にナプキンをつけ続ける人も多いですが、これにはトラブルも伴います。1ヶ月のうち長期間ナプキンを着用することでデリケートゾーンのかぶれや蒸れを引き起こしたり、汚れていないナプキンを捨てざるを得ずストレスを感じたりしがちです。

デリケートゾーンの蒸れや不快感には、専用のウェットシートを活用するのが効果的です。トイレの際にサッと拭き取ることで、肌を清潔に保ち、かぶれやニオイのトラブルを防ぐことができます。

デリケートゾーンの汚れをふき取ることができる低刺激性のウェットシートの例。画像は『【SET】LC’Sジャムウ・デリケートウェット 4個セット(ラブコスメ)』

さらに、ナプキンの無駄遣いや廃棄ストレスを解消する対策としておすすめなのが、吸水ショーツの活用です。高い吸水性と通気性を備え、洗って繰り返し使えるため、いつ来るかわからない突然の出血にも慌てず快適に備えられます。

吸水ショーツの例。画像は『吸水型サニタリーショーツ(ラブコスメ)』

(2)突然の大量出血で仕事や外出に支障が出る 

更年期はホルモンバランスの乱れから、一時的に「過多月経」と呼ばれる大量出血が起こることがあります。「突然ドバッと経血が出て服や下着を汚してしまった」「レバーのような血の塊が大量に出て焦った」という経験をする人は少なくありません。

特に仕事中や外出先で大量出血が起きると、「いつ漏れてしまうか不安で集中できない」「数時間ごとにトイレへ行かなければならない」といった実生活への深刻な影響が出てきます。長時間の会議や移動が難しくなったり、漏れを恐れて白や淡い色の服を着られなくなったりと、行動範囲や日常の自由が制限される点は、更年期特有の大きなストレスです。

こうした漏れへの不安を減らす対策としておすすめなのが、吸水ショーツと生理用品のダブル使いです。吸水ショーツの上にナプキンを装着しておけば、万が一ナプキンから経血が溢れてしまっても、ショーツ自体のキャッチ性能が高くガードできる確率をあげることができます。小さめのナプキンでも安心して過ごせるようになり、通常のサニタリーショーツに比べて安心感が高まります。

ただし、あまりに出血量が多い状態(ナプキンが1時間もたない、立ちくらみがする等)が続く場合は、子宮筋腫などの病気や貧血の危険もあります。「漏れなければ大丈夫」というわけではなく、無理せず婦人科を受診することが大切です。

(3)「更年期の乱れ」か「病気の不正出血」か判断できない(病気不安・判断の悩み)

更年期に入ると生理周期や経血量が不規則になるため、「この出血は閉経に向かう自然な変化なのか、それとも病気による不正出血なのか」と不安を抱える人が非常に多くなります。

特に、ダラダラとダラダラ続く少量の出血や、生理以外のタイミングで起こる突然の出血は、自己判断で「年齢のせいだから」と放置してしまいがちです。しかし、40代〜50代は女性ホルモンの変化とともに、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮体がんといった疾患のリスクが高まる年代でもあります。

「様子を見ていいのか病院に行くべきなのか」と一人で悩み続けることは、精神的にも大きな負担となります。少しでも「いつもと違う」と感じる出血がある場合は、自己判断に頼らず婦人科を受診することが、不安を解消し病気の早期発見につながる確実な一歩です。

~受診を検討したい危険なサイン~
  • 生理以外の出血(不正出血)が何度も起こる
  • 出血が2週間以上ダラダラと止まらない
  • 激しい下腹部痛や貧血(めまい・立ちくらみ)を伴う
  • 閉経した(1年以上生理が来ない)はずなのに出血があった

更年期の生理変化は2〜5年。アイテムをうまく活用しよう

更年期に起こる生理周期や経血量の乱れは、体が閉経に向かっている自然な予兆です。一般的に生理が正常に来ない時期は、閉経までの間2~5年ほど続きます。

予測しづらい出血や日常生活の不便さには、吸水ショーツなどの便利アイテムを取り入れることで心身の負担を大きく減らせます。また、ピルを服用中の方は、血栓症リスクを考慮した切り替えや避妊法の再検討について、適切な時期に医師と相談することが大切です。

一方で、激しい痛みや大量の出血、ダラダラ続く不正出血などは、単なる更年期の変化ではなく子宮の病気が原因となっている場合もあります。「年齢のせい」と自己判断して無理をせず、少しでも違和感があればお気軽に婦人科を受診してください。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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