藤東クリニックお悩み相談室~二重あごについて~
太ったわけではないのに、最近二重あごができていることに気が付きました。二重あごを解消したいのですが、ダイエットすれば治るのでしょうか?
二重あごの原因とは
二重あごとは、あごの下(顎下部)に脂肪がついたり、皮膚がたるんだりすることで、あごのラインが二重に重なって見える状態を指します。
主な原因は下記の3つが挙げられます。
~二重あごの主な原因~
- 脂肪の蓄積と筋力低下
- 姿勢の悪さ
- 骨格やむくみ
肥満による脂肪の増加に加え、加齢や無表情によってあご周辺の筋肉(広頸筋など)が衰え、脂肪を支えきれなくなることで生じます。
長時間のスマホ操作やデスクワークによる「巻き肩」や「ストレートネック」は、首の前側の筋肉を緩ませ、あご周りのたるみを引き起こします。
あごが小さい骨格は物理的に肉が余りやすく、また塩分の摂りすぎによる血行不良やむくみも見た目を悪化させます。
つまり二重あごは、必ずしも太ったときだけできるものではありません。
ダイエット無しで二重あごを解消できる?
ダイエット(食事制限や減量)をせずとも、二重あごを解消することは可能です。なぜなら、二重あごの原因は「脂肪」だけでなく、「筋肉の衰え」や「姿勢」が大きく関わっているからです。
表情筋・舌筋を鍛える、姿勢の改善、むくみケア等を取り入れることで、二重あごを解消できる可能性があります。
もっと知りたい!二重あごについて
二重あごができる原因となる習慣
二重あごは、何気ない「毎日の癖」が積み重なって定着してしまいます。特に、下記の4の習慣は二重あごができやすくなると言われています。
(1)スマートフォンやPCの長時間利用
なぜスマートフォンやPCの長時間利用が二重あごを招くかというと、その最大の理由は、「下向き姿勢の定着」と「筋肉の緩み」にあります。
画面を覗き込む際、頭が肩より前に出る「ストレートネック(スマホ首)」の状態になると、本来あご周りを支えている筋肉(広頸筋など)が引き伸ばされて、緊張を失います。すると、本来あるべき位置に脂肪を留めておくことができなくなり、重力によって脂肪や皮膚が前下方へと押し出されてしまうのです。
さらに、この姿勢は血流やリンパの流れを阻害し、老廃物や水分をあご下に蓄積させます。これが「むくみ」となり、たとえ太っていなくても、あごのラインが物理的に重なって見えてしまうのです。
まずは、「スマホを持つ手を少し上げ、画面を目線の高さに持ってくる」という小さな習慣を取り入れてみると、あご下への負担が劇的に軽減することができます。
(2)食生活の癖
「食生活の癖」が二重あごを招く主な理由は、「あごの筋力低下」と「水分の蓄積(むくみ)」にあります。
咀嚼(そしゃく)回数の減少
現代の食事は柔らかいものが多く、あまり噛まずに飲み込みがちです。しかし、噛む動作はあご下の「顎舌骨筋(がくぜっこつきん)」などを鍛える筋トレでもあります。咀嚼回数が減るとこれらの筋肉が衰え、脂肪や皮膚を支えきれずに垂れ下がってしまいます。
塩分の摂りすぎによる「むくみ」
味の濃い食事などで塩分を過剰に摂取すると、体は塩分濃度を下げるために水分を溜め込もうとします。あご下はリンパ節が集中しており、老廃物や水分が停滞しやすい場所です。この「むくみ」が重りとなって皮膚を引き下げ、脂肪がついたような二重あごを作り出します。
これらの習慣には、「一口30回噛む」ことや「カリウム(バナナや海藻など)を摂って塩分を出す」ことが効果的です。
(3)口周り・表情の癖
「口周りや表情の癖」は、顔の土台となる筋肉のバランスを崩し、二重あごを加速させます。特に注目すべきは「表情筋の不使用」と「口呼吸」です。
表情筋の衰え
顔の筋肉(表情筋)は、皮膚や脂肪を下から支える「天然の補正下着」のような役割を果たしています。無表情で過ごす時間が長いと、これらの筋肉が柔軟性を失って薄くなり、重力に負けて脂肪が雪崩のようにあご下へ溜まってしまいます。
口呼吸と舌の位置
意外な盲点が「口呼吸」です。口が常に開いていると、舌を支える筋肉が緩み、舌の付け根(舌根)が喉の奥の方へ落ち込みます。すると、あご下の組織が押し出されてたるみが生じます。本来、舌は「上あごの裏側にピタッとついている」のが正しい位置ですが、これができていないと、脂肪がなくても二重あごに見えてしまいます。
正しい舌の位置を意識するだけでも、フェイスラインを改善することができるので、ぜひ続けてみましょう。
(4)無意識の動作
「無意識の動作」は、顔の骨格の歪みや筋肉の過度な緊張を招き、二重あごを定着させる隠れた要因となります。特に注意したいのが「頬杖」と「食いしばり」です。
頬杖による歪みとたるみ
頬杖をつくと、約5kgある頭の重さが片側のあごや頬に集中します。これにより顔の骨格が歪み、左右の筋肉のバランスが崩れます。筋肉が正しく機能しなくなると代謝が落ち、脂肪や老廃物があご下に溜まりやすくなります。また、皮膚が物理的に引き伸ばされることで、将来的なたるみ(二重あご)の原因にもなります。
食いしばりによる筋肉の硬直
ストレスや集中時に無意識に奥歯を噛み締める「食いしばり」は、あごの筋肉(咬筋など)を過度に緊張させます。筋肉が凝り固まると血行やリンパの流れが悪化し、あご周りが「むくむ」ことで二重あごが強調されます。さらに、口を開けるための筋肉が弱まることも、あご下のたるみを引き起こす一因となります。
まずは、デスクに座っているときに「あごに手を当てない」、「上下の歯の間に隙間を作る」ことを意識してみましょう。筋肉の緊張が解け、スッキリしたラインに近づ食ことができます。

二重あごを防ぐ正しい姿勢や習慣改善
(1)正しい姿勢
二重あごを改善するための姿勢のコツは、頭を「本来あるべき位置」に戻し、首の前側の筋肉(広頸筋)を自然に伸ばすことにあります。
- 「糸で吊るされる」イメージ
頭のてっぺんが天井から糸で真上に吊るされているような感覚で、背筋を伸ばします。このとき、あごを引こうとしすぎて「二重あご」を自ら作らないよう、「あごを軽く引き、後頭部を少し後ろに下げる」のがポイントです。 - 肩甲骨を寄せて下げる
巻き肩になると首が前に出てしまうため、肩甲骨を中央に寄せ、ストンと下に落とします。これにより胸が開き、首からあごにかけてのラインが自然に引き締まります。 - スマホ・PCを目線の高さに
これが最も重要です。画面を目線の高さまで上げることで、首が前傾するのを防ぎます。視線を上げるだけであご下の「たわみ」が消え、筋肉が正しく使われるようになります。
まずは、座っているときに「耳の穴と肩のラインが垂直に並ぶ」よう意識することから始めてみましょう。
(2)正しいスマホの持ち方
スマートフォンを操作する際、二重あごを作らないための「正しい持ち方のコツ」は、腕の負担を減らしながら画面を高く保つことにあります。
~二重あごを防ぐスマホの持ち方~
- 脇を締めて、逆の手を「支え」にする
スマホを持つ手の脇に、反対側の手をグーにして挟むか、反対の腕を胸の前で横に倒して「台」にします。これだけで、腕を上げ続ける疲れが激減し、画面を自然に目線の高さまで上げられます。 - 視線ではなく「持ち手」を上げる
スマホを胸の位置で持つと、どうしても視線が下がり、首が前に折れてしまいます。「スマホが目線の正面に来る」まで持ち上げる習慣をつけるだけで、あご下の筋肉がピンと伸び、たるみの予防になります。 - スマホリングやスタンドを活用する
自力で持ち続けるのが大変な場合は、リングを使ってホールド力を高めたり、机の上ではスタンドを使って「のぞき込まない角度」に固定したりするのも賢い方法です。

二重あご対策のエクササイズやストレッチ
(1)舌の位置を正すトレーニング(あいうべ体操など)
二重あごの解消に直結する「舌の筋力」を鍛えるには、福岡県の今井一彰先生が考案した「あいうべ体操」が非常に効果的です。
あいうべ体操のやり方
次の4つの動作を、1回4秒ほどかけて全力で大きく行います。
- 「あー」
口を大きく「丸」の形に開く。 - 「いー」
口を横に大きく広げ、首の筋が立つくらい力を入れる。 - 「うー」
唇を強く前に突き出す。 - 「べー」
舌をあごの先に向かって思い切り突き出す。
これを1日30回(10回×3セットなど)を目安に行います。特に「べー」の動作は、あご下のインナーマッスル(舌骨筋群)を直接刺激するため、二重あごの解消に即効性があります。声は出しても出さなくても構いません。
(2)あご下の筋肉を引き締める5秒ストレッチ
スマホを見ながら、あるいは操作の合間にたった5秒でできる「上向きストレッチ」をご紹介します。あご下の筋肉(広頸筋)をダイレクトに刺激して、たるみをリセットする方法です。
5秒ストレッチのやり方
- 背筋を伸ばす
スマホを目の高さに持ち、姿勢を正します。 - 天井を見上げる
ゆっくりと顔を上げ、真上を向きます。 - 「いー」の口でキープ
口を横に強く引き、「いー」の形を作ります。首筋に縦の筋が浮き出るくらい力を入れるのがコツです。 - 下唇を突き出す(+α)
さらに余裕があれば、下唇を天井に向けて突き出すと、あご下がより強力に引き締まります。 - 5秒キープ
そのまま5秒数えて、ゆっくり元に戻します。
これをスマホをチェックする際などの区切りに1回行うだけでも、下向き姿勢で固まった筋肉がほぐれ、二重あごの定着を防げます。
(3)耳の下のリンパ流し
ストレッチで筋肉を動かした後は、溜まった老廃物を流す「耳の下のリンパ流し」を行うと、むくみが取れてフェイスラインがより鮮明になります。
~耳の下のリンパ流し(30秒)のやり方~
- 耳の下(耳下腺)をほぐす
人差し指と中指で耳を挟むようにして、耳の付け根を円を描くように優しく10秒ほど揉みほぐします。ここがリンパの出口の門番になります。 - 首筋をなで下ろす
手のひら全体を使い、耳の下から鎖骨に向かって、首の横の太い筋肉に沿って優しく5回ほどなで下ろします。 - 鎖骨に流し込む
最後に、鎖骨の上のくぼみを指先で軽く押し、老廃物をゴミ箱(鎖骨リンパ節)に捨てるイメージで終了です。
ポイントは、強い力で押さず、皮膚の表面を優しく滑らせるだけで十分です。お風呂上がりやスキンケアの際に行うと、滑りが良く肌への負担も抑えられます。

二重あごのケアは習慣改善とエクササイズで
二重あごは、体重の増加だけでなく、日々の姿勢や筋肉の衰え、何気ない生活習慣が積み重なって引き起こされます。しかし、原因が「習慣」にあるということは、裏を返せば「意識次第で変えられる」ということでもあります。
スマホの持ち方を見直し、隙間時間に簡単なストレッチやリンパ流しを取り入れるだけで、フェイスラインは必ず応えてくれます。まずは今日から、正しい舌の位置と上向きの姿勢を意識して、スッキリとした横顔を目指しましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。





