藤東クリニックお悩み相談室~VIOの黒ずみについて~
VIOの黒ずみの原因は?なぜ黒ずむの
VIOの黒ずみの原因は、古い角質や毛穴汚れが溜まることや、皮膚への刺激による色素沈着が挙げられます。大陰唇の周辺を表すIラインと肛門周りのOラインは、VIOの中でも、メラニン細胞が多いため、特に黒ずみやすい部位です。
デリケートゾーンの皮膚に刺激を与える要因には、下着での摩擦やアンダーヘアの自己処理によるダメージ、生理用品によるかぶれなどがあります。また、妊娠や出産、不規則な生活によるホルモンバランスの乱れも、黒ずみが目立つようになる原因の1つです。
VIOの黒ずみを改善する方法はあるの?
VIOの黒ずみを改善するには、クリニックでピーリングやレーザーを用いた治療を受ける方法と、自分でケアを行う方法があります。まずはセルフケアを試してみて、あまり改善が感じられない場合や黒ずみ以外にもVIOに痛みやかゆみなどの違和感がある場合には、クリニックでの治療を検討しましょう。
もっと知りたい「VIOの黒ずみ」について
VIOに黒ずみができる原因
原因(1)下着やタオルとの摩擦
VIOと常に接触している下着からの刺激は、黒ずみの原因の1つです。締め付けの強い下着や衣類を身に着けると、動くたびにVIOに摩擦が生じて肌に刺激を与えてしまいます。また、身体を洗う際やお風呂上がりに、タオルで強く擦ることや拭ことも避けましょう。
硬い生地や化繊生地は摩擦が生じやすいため、下着やタオルは、肌に優しい素材を選ぶことや手触りが悪くなる前に、こまめに交換を行うことが大切です。
肌は摩擦を受けると、刺激に耐えるために角質をさらに溜めて表皮を厚くします。また、ダメージから肌を守るメラニン色素も生成・蓄積されることで色素沈着が進み、VIOに黒ずみが生じるのです。
原因(2)自己処理などによるダメージ
カミソリやシェーバー、毛抜きなどで行う自己処理で生じる皮膚トラブルが、黒ずみの原因になっている場合もあります。VIOは皮膚が薄いため、カミソリで表皮が傷つき、毛抜きでの処理で毛穴を傷めます。先述した摩擦と同様に、アンダーヘアの自己処理によるダメージが肌への刺激となり、色素沈着に繋がります。
原因(3)ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの変化が、VIOの黒ずみに繋がる場合もあります。女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、通常は月経周期に合わせて増減を繰り返します。
女性ホルモンには、黒ずみの原因であるメラニンを生成する細胞「メラノサイト」を刺激する作用もあります。妊娠中や産後は女性ホルモンのバランスが変化するため、黒ずみやシミが目立ちやすくなります。
不規則な生活やストレスなどで、女性ホルモンのバランスが大きく乱れることも珍しくありません。女性ホルモンの分泌量が減少すると、肌のバリア機能が低下して、摩擦や蒸れなどの外部からの刺激を受ける確率が高まります。
さらに、肌のターンオーバーも乱れるため、刺激による炎症が色素沈着になり、VIOの黒ずみに繋がるのです。
原因(4)生理用品による蒸れやかぶれ
生理中は、皮膚が敏感になりやすい時期です。また、生理中は女性ホルモンの分泌が減少し、肌のバリア機能が低下します。生理用品による蒸れやかぶれが加わることによって、VIOの黒ずみが生じる可能性も高まるのです。
一般的に販売されている生理用ナプキンの多くには、VIOと接触する部位にポリエチレンフィルム、経血の吸収に高分子吸収ポリマーと呼ばれる石油由来の素材が採用されています。
ポリエチレンフィルムや高分子吸収ポリマーを用いると、経血が漏れにくい利点があります。しかし、湿気を含む特徴があるために、ナプキン内が蒸れやすくなることがあります。
肌は蒸れると刺激に過敏になるため、色素沈着の原因となるメラニン色素がさらに増加し、VIOの黒ずみに繋がる確率が高まります。
VIOの黒ずみを改善する方法
対処法(1)古い角質や汚れを洗い流す
メラニン色素を含んだ古い角質が溜まっていると、VIOは黒ずんで見えます。少しずつ自然とVIOが黒んできたように見えるのであれば、日々の洗浄が不十分な可能性も考えられるでしょう。
刺激による黒ずみに繋がるため、タオルやスポンジでの摩擦や、洗浄力の強い石鹸はVIOには不向きです。デリケートゾーン用の石鹸を丁寧に泡立て、VIOをパックしてから洗い流すと、肌に刺激を与えることなく古い角質を取り除けます。
対処法(2)ピーリングをする
ピーリングで古い角質を取り除くことも、黒ずみの軽減に有効です。ピーリングとは、ターンオーバーを正常化するために、フルーツ酸やサリチル酸などで古い角質を取り除く方法です。
VIOはデリケートな部位であるため、市販薬や顔用のピーリング化粧品の使用は避けましょう。強い成分による刺激で炎症が起きると、黒ずみが悪化する可能性もあります。安全で効果的にVIOの黒ずみケアを行うのであれば、美容クリニックでの治療を検討しましょう。
対処法(3)レーザー治療を受ける
セルフケアよりも短期間でVIOの黒ずみを軽減したい場合は、美容クリニックや皮膚科でレーザー治療を受ける方法があります。レーザーとは、人工的に発生させた直線的な光のことです。波長や照射エネルギーを変化させることによって、美容医療だけでなく、眼科治療や外科治療など様々な目的で使用されています。
シミや黒ずみの治療のために用いられるレーザーは、メラニン色素のみに反応するので、周囲の組織にダメージを与える心配はありません。機械によって異なりますが、施術回数は3回前後が目安です。ダウンタイムもなく、短時間で施術が済む点も、レーザーで黒ずみを治療するメリットと言えます。
VIOの黒ずみを予防する方法
予防方法(1)こまめに生理用品を交換する
VIOの黒ずみ対策には、生理中の肌への負担を軽減することも重要です。長時間同じナプキンを使い続けると、内部が蒸れてしまいますので、ナプキンをこまめに交換しましょう。
高分子吸収ポリマーなどの化学物質を使っていないオーガニック製のナプキンを選ぶと、蒸れを軽減できます。肌への負担が抑えることができるため、VIOの黒ずみの予防に繋がります。
予防方法(2)下着との摩擦を避ける
VIOの黒ずみは、下着などの衣類との摩擦によって起こります。対策として、肌触りが柔らかく、蒸れにくい綿の下着などの衣類を着用しましょう。
ただし、綿には洗濯を繰り返すと硬くなるという欠点もあります。綿の欠点を補うには、綿と天然繊維からできたレーヨンとの混紡素材もおすすめです。綿とレーヨン混の素材でできた下着であれば、滑らかな肌触りが長く続きます。
加えて、こまめに下着の新調を行うことにより、下着の劣化やサイズが合わなくなった下着による締め付けを避けると考えられます。
予防方法(3)規則正しい生活を送る
肌の細胞は一定の周期で生まれ変わります。これをターンオーバーといい、睡眠や食生活などの生活習慣の影響を受ける傾向があります。
ターンオーバーの鍵となるのは、成長ホルモンです。成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、睡眠不足が続くとターンオーバーが乱れます。ターンオーバーが乱れて古い細胞が溜まると、メラニンが排出されず、VIOを含む体の色素沈着が進んでしまうのです。
健康的な肌に重要な栄養素は、ビタミンB・C・Eやたんぱく質です。必要な栄養素を補うためにも、野菜や肉、魚などをバランス良く食べることが大切です。睡眠不足や運動不足、偏った食事を避けることは、VIOはもちろん、体の黒ずみの予防だけでなく、健康のためにも重要です。
予防方法(4)保湿する
肌の乾燥も、VIOが黒ずむ原因の1つです。乾燥によって肌のバリア機能が低下すると、ささいな刺激でメラニン色素が生成されます。乾燥を防ぐための保湿も、VIOの黒ずみ予防に繋がるのです。
VIOの保湿には、デリケートゾーンにも使用できる低刺激性の成分でできた美容液を用いましょう。塗布だけでなく優しくマッサージを行うと、血行が良くなり、肌のターンオーバーも促されます。
予防方法(5)ボディソープを見直す
VIOの黒ずみ予防には、肌に優しい石鹸選びも重要です。デリケートゾーンにとっては洗浄力が強すぎるボディソープを用いると、肌に必要な皮脂や保湿成分まで洗い流し、乾燥に繋がる場合があります。
黒ずみケアができるデリケートゾーン用の低刺激な石鹸を用いたりして、優しく洗うよう心がけましょう。
VIOの黒ずみが起こる原因を知り、キレイなデリケートゾーンを目指しましょう
VIOの黒ずみの原因は、下着による摩擦やアンダーヘアの間違った自己処理、生理用品でのかぶれなど、今まで気にかけていなかった生活習慣の中にある場合がほとんどです。生理ナプキンやボディソープを刺激が少ないものに変更し、肌のターンオーバーを促す生活習慣を取り入れることで、セルフケアによって少しずつVIOの黒ずみが改善に向かう可能性があります。
短期間で黒ずみを改善したい方は、美容クリニックや皮膚科に相談して、ピーリングやレーザー治療を受ける方法もあります。短期間で黒ずみを改善したい場合などは、病院を受診しましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。