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腟洗浄はどんな時にやる?やり方や必要性

藤東クリニックお悩み相談~腟洗浄について~

 
質問者
腟洗浄はどんな時にやるべきなのでしょうか?腟がかゆいのですが、腟洗浄をしたら治りますか?
 
藤東先生
今回は腟洗浄(腟内洗浄)について解説しましょう!

腟洗浄とは

腟洗浄とは、文字通り腟内を洗浄することです。基本的には洗浄には、専用の清潔な洗浄液が入った腟洗浄機を使用します。腟を広げてシャワーを浴びせたり、石鹸を泡立てて指を中に入れて腟内を洗い流すことではありません。

また腟洗浄は「ビデ」とも言います。ビデはフランス語で「婦人のための洗浄器」を指します。そのためウォシュレットのビデ機能を「腟洗浄」という意味で使うこともあります。

ウォシュレットはあくまで腟の入り口の洗浄で、奥まで到達することはありません。一方でシャワーなどを使用して腟内に水を入れて洗浄するのは、シャワーの水は清潔でないため避けましょう。また石鹸やボディソープの泡を手に付けて腟内を洗うのも、腟粘膜には刺激が強すぎてトラブルの原因となるのでやめましょう。

腟洗浄はどんな時にやるの?

腟洗浄は、腟内の汚れをすっきり洗い流したいときに行います。腟には基本的に自浄作用がありますが、人によっては経血の残りやおりものの老廃物が蓄積し、臭いなどにつながることがあります。

一方、腟内射精をしたときに腟洗浄を行うことで妊娠を防げるというのは誤りです。精子は非常に速い速度で子宮内に侵入します。射精後に慌てて洗浄しても間に合いません。

また、カンジダ腟炎など真菌、細菌による疾病で起こる腟のかゆみは、抗真菌薬や抗生物質を使用して治療する必要があり、腟洗浄で解消することはできません。

腟洗浄の注意点や頻度

腟は元々雑菌の繁殖を防ぐために酸性に保たれています。腟洗浄をやりすぎると、この腟内のpHのバランスが崩れてしまい、雑菌が繁殖するなど別のトラブルの原因になることもあります。腟洗浄の頻度は多くても週2~3回程度にしましょう。

腟洗浄をやっても効果が臭いの悩みが解決しない時は、腟内の汚れが原因でない可能性が高いです。何度も洗浄するのではなく、別の対策を試すようにしましょう。

もっと知りたい!腟洗浄について

腟洗浄のタイミング

(1)生理の終わりかけ

人によっては子宮内から経血の排出が終わった後も、腟内の生理の残りが排出されにくいことがあります。その際に腟洗浄を行うことによって「残りかす」を効率的に排出することができます。

(2)おりものの量が気になるとき

おりものの量の多さが気になるときに使用すれば、少しずつ体内から出てくる前に一気に排出させることができるため、しばらくすっきりと過ごせます。

(3)腟の臭いが気になるとき

「おりものの老廃物」などが腟内に残ってニオイの発生につながることがあります。その際は、腟内洗浄で洗い流すことで改善される可能性があります。

ただし「細菌性腟症」「クラミジア感染症」など、腟(おりもの)からの悪臭が症状として出る病気もあります。そういった病気は腟洗浄では治療できません。通院や投薬で、適切な治療を受ける必要があります。

また、外陰部が臭っているのを「腟がにおっている」と勘違いする方も多いです。そういった場合は腟洗浄を行っても改善されません。外陰部やアンダーヘア、デリケートゾーンをしっかり洗うことで改善することがあります。

デリケートゾーンも繊細な部位なので、ボディソープでごしごしと洗うと刺激が強すぎてしまいます。一方で皮脂などを含んでいるため、水だけでは臭いの元となる汚れをしっかり洗い流すことは難しいです。

そのため、デリケートゾーンにも使用できる低刺激性の石鹸を泡立て、指の腹で泡をなじませたり泡パックするなどして、なるべく刺激を与えないように汚れを洗い流すといいでしょう。

デリケートゾーンの汚れを洗い流すのに使用できる低刺激性の石鹸の例。画像は「ジャムウ・ハーバルソープ(ラブコスメ)」

腟洗浄のやり方

(1)腟洗浄液を購入する

腟洗浄を行う際は、まず専用の腟洗浄液を購入します。ドラッグストアや、通信販売で購入することができます。

(2)腟洗浄液を注入

腟洗浄の基本的なやり方は「腟に容器先端を挿入し、容器本体を押して洗浄液を注入(噴出)する」という形が一般的です。洗浄液が「液体」の商品もあれば、ジェルタイプのものもあります。購入した腟洗浄の商品の説明書をよく読み、正しいやり方で使用しましょう。

基本的にはジェルを入れた後洗い流す必要はなく、自然に排出されるのを待つ形になります。

腟洗浄以外での、デリケートゾーンの臭いの解決法

(1)ジェルパックで洗い流す

腟洗浄をしても臭いの問題が解決しない場合は、「腟」ではなくデリケートゾーン全体が臭いの原因となっている可能性が高いです。皮膚に付着したおりものをお風呂でしっかりと洗い流す習慣を取り入れると、汚れが蓄積され臭いのもととなるのを防げます。

(2)アンダーヘアをカットする

「アンダーヘアを短くカットする」ことも外陰部全体の臭いの発生を防止することにつながります。

アンダーヘアが長いままだとおりものや経血が付着しやすかったり、排尿後にすべての汚れを拭き取りきるのは難しいです。陰毛に付着した汚れは酸化して臭いの元となったり、雑菌の繁殖の原因となります。

一方でアンダーヘアを短くカットしていると汚れが付着しにくくなるだけでなく、細かな部分まで拭き取りやすくなったり、陰毛に絡んで汚れが残ったりしてしまうことを防げます。

特にVIOのIラインは汚れが付着しやすい場所なので、なるべく短くカットしておくといいでしょう。

(3)ウェットティッシュでこまめに拭き取る

出先で急にデリケートゾーンの臭いが気になるという人もいるかもしれません。そういう時は、デリケートゾーンにも使える低刺激のウェットティッシュを持ち歩けば、臭いの元をスッキリふきとることができます。

ティッシュだけでは完全に拭き取ることができない汚れを定期的にウェットティッシュでふき取ることで、臭いの発生を抑えることができます。

臭いの悩みの解消方法は、腟洗浄以外も試してみよう

腟洗浄は腟の中の老廃物等による不快な臭いの解消や、生理終わりのスッキリ感の為におすすめの方法です。精子を洗い流して避妊したり、かゆみが発生する病気の治療効果はないので誤解が無いようにしましょう。避妊が必要にもかかわらず腟内射精をしてしまった場合は腟内洗浄をするのではなく、緊急避妊薬(モーニングアフターピル)を医療機関にて処方してもらい射精から72時間以内に服用しましょう。

また、腟洗浄をしても臭いが解決しない場合は「腟以外の部分が原因で臭いを感じている」「病気で腟が臭っている」のどちらかの可能性が高いです。

腟以外が原因の臭いについては、デリケートゾーンを石鹸で洗ったり、アンダーヘアを短く処理することで解消できる可能性があります。病気が原因の場合は医療機関にて適切に治療する必要があります。腟が臭う病気は性感染症が多く、風邪のように自己免疫で治るものではなく病院で治療しない限り治らないことも多いです。

重症化や不妊などの原因にもなるので、なるべく早くにクリニックを受診するようにしましょう。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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