藤東クリニックお悩み相談室~膝の黒ずみについて~
膝の黒ずみの原因って?
膝の黒ずみは、摩擦や乾燥の刺激によって発生したメラニン色素の沈着が原因です。通常、メラニン色素は肌のターンオーバー機能により排出されますが、代謝機能が低下することで正常にターンオーバーしない場合、蓄積して黒ずみを起こします。
もともとの体質もありますが、自分の膝が人よりも黒ずんでいるように思うのであれば、日常生活で無意識の内に黒ずみの原因となる行動をしているのかもしれません。また、周囲に膝の黒ずみケアをしている人が多く、比較して自分の黒ずみが気になっている可能性もあります。
膝の黒ずみをとる方法はある?
市販の黒ずみ治療薬の活用や、皮膚科で治療する方法があります。また、セルフケアでも改善できる可能性はあります。膝の黒ずみは日常生活の習慣によって起きている場合があるため、まずは黒ずみを発生させる生活習慣を知ることから始めましょう。
黒ずみの原因となる生活習慣を見直し、膝のケアを取り入れることで、黒ずみの改善・予防が期待できます。
もっと知りたい「膝の黒ずみ」について
膝の黒ずみの原因とは
原因(1)日常生活での摩擦
膝をつくとき、膝を曲げてズボンが擦れるとき、ムダ毛処理をするときなど、膝は摩擦による刺激を受けやすい場所です。
摩擦によって刺激を受けた肌は、内部で炎症が起こります。その炎症から肌を守るために表皮を厚くしたり、メラニン色素を生成したりする反応が、膝のごわつきや黒ずみの原因となるのです。
原因(2)肌の乾燥
膝は皮脂や汗が出ることが少なく、乾燥しやすい部位の1つです。
肌の乾燥が進むと、角質層がはがれて隙間ができ、皮膚のバリア機能が低下します。バリア機能が低下した肌は、軽微な刺激にも反応して炎症を起こしやすい状態になります。この炎症によってメラニン色素の生成が進み、膝の黒ずみに繋がるのです。
原因(3)代謝の低下
そもそも、膝周りはリンパの流れが悪い部位です。リンパには余分な老廃物を排泄する機能がありますが、膝裏のリンパ節には老廃物が溜まりやすいため、代謝機能が低下しやすいのです。
さらに、年齢や生活習慣により代謝が落ちることで、肌のターンオーバーが乱れてメラニン色素が蓄積し、膝の黒ずみを引き起こします。
膝の黒ずみを悪化させる生活習慣
NG習慣(1)膝をつく
ふと屈んだ瞬間に膝をついてしまう、立ち膝での作業が多い、和室で生活をしている、ヨガやエクササイズで床や地面に膝を当てるなど、膝をつく習慣がある方は注意が必要です。膝をつくことで生じる摩擦が、黒ずみの原因になっていると考えられます。
また、立ったり座ったりの動作が多い方も、衣服と膝の摩擦に注意が必要です。タイトなズボンなどは肌との摩擦が起こりやすいため、ゆとりのあるボトムスを選ぶのがおすすめです。普段から膝をつくことが多い方は、できるだけ膝への刺激を軽減し、膝のケアを取り入れることを意識しましょう。
NG習慣(2)タオルでの擦り洗い
黒ずみが気になるからといって、ナイロンタオルでゴシゴシ擦り洗いするのは避けてください。「ナイロンタオル黒皮症」と呼ばれる皮膚疾患があるほど、ナイロンタオルによる強い摩擦は黒ずみの原因になる場合が多いのです。
ナイロンタオルやボディブラシなど刺激の強い素材で肌を擦ると、メラニン色素が発生し黒ずみがさらに悪化する恐れがあります。強く擦らず、泡の力で優しく洗い流すようにしましょう。
NG習慣(3)誤ったムダ毛ケア
膝には凹凸があり、ムダ毛処理がしにくい部位です。誤ったムダ毛ケアを行うと肌がダメージを受け、黒ずみが生じる可能性があります。
剃刀で自己処理する場合は、膝を曲げて皮膚を伸ばし、凹凸に沿って少しずつ剃りましょう。肌への負担が大きい逆剃りは避け、毛の流れに沿って剃るようにしてください。
また、毛抜きを使用した処理は、肌が傷付いて炎症を起こしたり、埋没毛になったりする原因となります。埋没毛は、基本的には時間とともに分解・排出されますが、黒くぶつぶつした見た目や炎症、色素沈着を引き起こすこともあります。埋没毛を防ぐためにも、毛抜きでの自己処理は避けた方が良いでしょう。
膝の黒ずみのケア方法
ケア方法(1)膝の古い角質を洗い流す
膝の黒ずみは、メラニン色素が含まれる古い角質の蓄積が原因です。特に、強い摩擦を与えていないのに自然に黒ずんでくる場合は、洗浄が不十分で角質が溜まっている可能性があります。角質を落とそうとゴシゴシ強く擦るのは、逆に黒ずみを悪化させる恐れがあるため避けてください。
角質ケアには、黒ずみケア石鹸やピーリング石鹸などの「泡パック」で、汚れや古い角質を洗い流す方法がおすすめです。ただし、刺激が強過ぎるピーリング剤を使うと、肌トラブルを起こしてしまうこともあります。できるだけ化学添加物が少ない、肌に優しい石鹸を選ぶと良いでしょう。
ケア方法(2)膝を保湿する
膝は皮脂分泌が少なく乾燥しやすいため、日頃から意識的に保湿することが大切です。お風呂上がりなどの乾燥しやすいタイミングには、必ず保湿ケアをしましょう。
特にピーリングやムダ毛処理後は、肌が乾燥しやすい状態になっているので、念入りに保湿をしてください。週に1〜2回、保湿剤を塗ってラップパックをするスペシャルケアを取り入れるのもおすすめです。保湿剤も、できるだけ肌に優しい成分でできたものを選ぶと良いでしょう。
ケア方法(3)市販薬やクリニックで治療する
セルフケアで黒ずみがなかなか改善しない場合は、市販薬を活用する方法もあります。
市販の膝・肘の黒ずみケア商品は、尿素をメインとしたものが多いです。尿素の作用で硬くなった角質を除去し、皮膚を柔らかくします。加えて、抗炎症成分でメラニンの生成を抑え、代謝促進成分・保湿成分で肌のターンオーバーを促すことで、黒ずみの改善が期待できます。
また、自由診療にはなりますが、美容皮膚科などのクリニックで治療を受けることも可能です。ピーリングやレーザー、外用薬といった治療方法があります。
膝の黒ずみを予防する方法
予防法(1)膝の摩擦を減らす
膝の黒ずみ発生を防ぐには、生活習慣や衣類などを見直し、摩擦による刺激を減らすことが大切です。
座布団から椅子に変えるなど、膝をつかなくても良い生活スタイルに変えることも、黒ずみの予防となります。仕事や家事で膝をつく動作が避けられない方は、膝用サポーターを着用するのも良いでしょう。摩擦を減らすために、膝周りにゆとりのあるボトムスを選ぶ、座るときに足を組まない、といった点も意識してみてください。
ヨガやエクササイズをする際は、厚手のマットや膝パッドを利用すると良いでしょう。ムダ毛処理時にはシェービングフォームをたっぷり使って、できるだけ肌の負担を軽減してください。まずは生活の中で膝を摩擦する行動を避けるよう、気を付けて過ごしてみましょう。
予防法(2)ボディソープを見直す
洗浄力が強すぎるボディソープは、肌本来の皮脂や保湿成分まで洗い流してしまい、乾燥が進む原因となります。肌に優しい成分で作られたボディソープや石鹸を選び、タオルなどでゴシゴシ擦らず泡で洗い流すようにしましょう。
黒ずみケアには、ピーリングができる石鹸もおすすめです。刺激が強過ぎないか、化学添加物が含まれていないかといった点に注意し、肌に優しい植物由来成分のものを選ぶと良いでしょう。
予防法(3)保湿マッサージをする
膝は、リンパの流れや代謝が悪い部位です。保湿ケアを兼ねてマッサージすることで、リンパや血液の流れが良くなり、肌の新陳代謝アップが期待できます。マッサージする際は、肌への摩擦を軽減するために、必ず保湿剤をたっぷり使ってください。粘度のあるマッサージ用のローションを使うのも良いでしょう。
脚の先からマッサージを始めることで、脚全体のリンパが流れやすくなります。脚を下から上に揉み上げたり、ふくらはぎをほぐしたり、気持ちいいと感じる方法でマッサージしてください。
膝裏のリンパ節は特に老廃物が溜まりやすいので、念入りに行いましょう。座った状態で両手の親指を膝の上に乗せ、残りの指で膝裏を下から掴んでグッと持ち上げるようにマッサージする方法がおすすめです。
予防法(4)健康的な生活を心掛ける
睡眠不足や運動不足、栄養バランスの偏りは、肌の代謝を低下させる原因です。代謝が下がるとターンオーバーが乱れ、メラニン色素が蓄積し黒ずみを引き起こします。黒ずみ改善のためにも、普段から健康的な生活を心掛けましょう。
特に、健康的な肌に欠かせない栄養素であるビタミンB・C・E、たんぱく質、鉄分などの摂取がおすすめです。普段の食事で栄養バランスをとるのが難しい場合は、市販のサプリメントや健康食品を補助的に活用しても良いでしょう。
日常生活を見直して、膝の黒ずみをケアしよう
膝の黒ずみは、ちょっとした日常生活の習慣が原因で起こっている場合が多いです。膝をついたり擦ったりする生活習慣を見直して、膝への刺激を減らすことから始めてみましょう。
正しくケアすることで、膝の黒ずみの予防・改善が期待できます。洗う際には肌に優しい商品を選び、溜まった角質をケアしたり、保湿・マッサージしたりして、顔と同じように丁寧にケアしてください。必要に応じて市販薬や病院を活用し、黒ずみのない健康的な膝を目指しましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。