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フェムケアとは?フェムテックとの違いややり方について

藤東クリニックお悩み相談室~フェムケアについて~

 
質問者

フェムケアを始めてみたいと思っているのですが、フェムケアとは具体的にどのようなことなのでしょうか?

 
藤東先生
今回はフェムケアについて解説しましょう!

フェムケアって何?

フェムケアとは、「Female(女性)」と「Care(ケア)」を組み合わせた言葉で、女性の心身の健康をケアすることを意味します。生理、妊娠、出産、更年期など、女性の一生を通して起こる様々な変化に対応し、QOL(生活の質)を向上させるためのケア全般を指します。

フェムケアって何?

一方、フェムテックは「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉で、テクノロジーを活用した女性の健康課題を解決するための製品やサービスを指します。たとえば、生理記録アプリやサステナブルな生理用品はフェムテックに含まれます。

フェムケアはより広い概念で、フェムテックはその中の手段と認識するとわかりやすいでしょう。

フェムケアの主な内容

フェムケアには、主に以下のような内容が含まれます。

  • 生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和
  • デリケートゾーンのケア
  • 妊娠・出産・更年期のサポート
  • 女性特有の疾患の予防
  • メンタルヘルスのケア

フェムケアでは、これらの要素を統合して、いつどんなときも女性が自然な美しさと健康を保てるよう持続的に支援します。

フェムケアが注目されている理由

近年、フェムケアが注目されている背景には、以下のような理由が挙げられます。

  • 女性の社会進出が進み、健康意識が高まっている
  • SNSなどで情報発信が活発化し、フェムケアに関する情報が得やすくなった
  • 女性特有の健康課題に対する理解が深まっている
  • ジェンダー平等への意識が高まり、女性の健康に対する投資が重要視されている

以前よりも女性が自分自身の健康に主体的に取り組む意識が高まり、フェムケアへの需要が広がっていることが考えられます。フェムケアは単なるトレンドではなく、現代女性にとって必要不可欠な取り組みと言えるでしょう。

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もっと知りたい「フェムケア」について

具体的なフェムケアの内容と取り入れ方

(1)生理に関するケア

生理に関するケアは、フェムケアの中でも特に注目を集めている重要な分野の一つです。近年では、従来の使い捨てナプキンやタンポンに代わり、より環境に配慮したサステナブルなアイテムが注目されています。その代表例が月経カップやムーンパンツです。

生理痛やPMSを軽減するためには、自分に合った生理用品を選ぶことが大切。鎮痛剤を適切に使用したり、体を温める、軽い運動をするなども効果的です。

(2)デリケートゾーンのケア

女性のデリケートゾーンケアも、注目を浴びているフェムケアの分野の一つです。かつては「女性器はアダルトなものである」という概念が社会において強くあり、女性器を健やかに清潔に保つためのケアまでもが同様にアダルト(ポルノ)的な行為であると扱われる傾向がありました。しかし女性器を健やかに保つことはポルノではなく、女性のQOL(生活の質)をあげるとても大切な行為です。

女性器を健やかに保つためのケア「デリケートゾーンケア」の一つに、デリケートゾーンの洗浄があります。デリケートゾーンは洗浄が不十分であると、デリケートゾーンのかゆみや不快感につながることもあります。

デリケートゾーンはボディーソープを使用して洗浄すると、しみるような不快感を感じることがあります。デリケートゾーン部分を洗うときは痛みを感じにくい低刺激の洗浄料を使用し、優しく洗いましょう。古い角質や汚れを洗浄でき、不快感を解消するだけでなく、臭いと黒ずみをケアできます。

デリケートゾーンの洗浄に使用できる低刺激の石鹸の例。画像は「LC’Sジャムウ・ハーバルソープ(ラブコスメ)」

また、洗浄後はそのままにしておくと乾燥を感じる人も多くいます。洗顔後に化粧水や美容液で保湿するように、デリケートゾーンもデリケートゾーン用の保湿クリームやジェルで潤いをプラスすることを忘れないようにしましょう。

デリケートゾーンの保湿に使用できるクリームの例。画像は「LC’Sジャムウ・デリケートオールインワンクリーム」

(3)ホルモンバランスに関連するケア

ホルモンバランスの乱れは、生理不順、肌荒れ、イライラ、不眠など、女性の心身にさまざまな不調をもたらす原因となります。特にストレスや生活習慣の乱れが引き金となりやすいため、日常生活の中でホルモンバランスを整える工夫をしましょう。

ホルモンの分泌を整えるためには、まずは生活習慣の見直しから。適度な運動と、バランスの取れた食事は欠かせません。乱れてしまったホルモンバランスを改善するには、質の高い睡眠とリラックスできる時間を持つことも重要です。

さらに、必要に応じてサプリメントの活用を検討するのも一つの方法です。ビタミンB群やマグネシウム、亜鉛といった栄養素はホルモンの生成に深く関わっています。

(4)メンタルヘルスケア

ストレスは、ホルモンバランスの乱れや心身の不調に繋がります。ストレスを放置することで心身ともに悪影響を及ぼす可能性あるため、心の健康を保つケアを日常に取り入れることが重要です。

趣味に没頭する時間を作ったり、ウォーキングやヨガ、瞑想といった軽い運動やリラクゼーション法を取り入れ、リラックスできる時間を作り、ストレスを解消する方法を見つけましょう。

必要に応じて、専門家のサポートを受けるのも良い方法です。心理カウンセリングやコーチングは、ストレスや不安に対処するスキルを学び、心の負担を軽減する助けとなります。

(5)予防医学的アプローチ

予防医学的アプローチは、「病気を治す」のではなく「病気を防ぐ」という考え方に基づいています。

女性特有の病気を防ぐため、婦人科検診を定期的に受診し、子宮頸がんや乳がんなどの早期発見・早期治療に努めましょう。また、生活習慣病の予防にも取り組み、健康的なライフスタイルを維持することが大切です。

最新のフェムケアトレンド

(1)サステナブルな生理用品の普及

環境への配慮から、繰り返し使える布ナプキンや月経カップなど、サステナブルな生理用品が注目されています。最近では多くのブランドが環境に配慮した素材を使用し、女性の体にも優しい製品を提供しています。

例えば、繰り返し洗って使える布製のナプキンや、月経カップなどは取り入れやすいでしょう。使い捨てるとこなく、長期間使用できるので経済的な点も魅力です。

洗って何度も使える環境に優しい布用ナプキンの例。画像は「布ナプキン昼用(水玉ピンク)」
5年~10年も使うことができる月経カップの例。画像は「フルムーンガール レギュラーサイズ」

(2)デジタルヘルスケアの活用

生理周期を記録するアプリやオンライン診療など、デジタルヘルスケアを活用することで、より手軽にフェムケアを行うことができます。特に人気の生理記録アプリの多くは、生理周期や排卵日を把握するだけでなく、日々の体調や気分の記録も可能で、女性の健康管理をサポートしてくれます。

(3)心理的なケアを重視したフェムケア

心理的なサポートを重視したフェムケアが注目されています。特に、セルフケアに焦点を当てたアロマグッズやリラクゼーションアイテムが人気を集めています。香りや触感を通じて心身を癒す商品が多くの女性に支持されています。

(4)パーソナライズ化

遺伝子検査や生活習慣の分析に基づいた、パーソナライズされたフェムケアサービスが登場しています。
例えば、ホルモンバランスや栄養状態を把握し、オーダーメイドのサプリメントを提供するサービスや、月経周期に基づいたスキンケア製品の提案などがあります。これにより、自分の身体に合ったケアを効率的に行えるようになり、関心が高まっています。

年代別のフェムケア

思春期のフェムケア

初潮を迎えたばかりの思春期は、生理に関する正しい知識を身につけ、自分に合った生理用品を見つけることが大切。そんな思春期のフェムケアでは、突然の生理による経血汚れを防ぐ吸水ショーツ「ムーンパンツ」などの使いやすく快適な生理用品が人気です。

また、体の変化や悩みについて、信頼できる大人に相談できる環境を作ることも重要です。

妊娠出産関連のフェムケア

妊娠中は、妊娠線ケアや葉酸の摂取、マタニティクリームでの妊娠線ケアなど、母子の健康を守るためのケアが重要です。産後は骨盤底筋を鍛える腟トレーニンググッズや骨盤底筋体操などで、尿漏れや体型戻しをサポートしましょう。

妊娠線のケアでは、予防が重要な鍵となってきます。お腹が大きくなり始める時期から、保湿成分が配合されたマタニティクリームを使用して、お腹周りの肌のうるおいをしっかりと保つようにしましょう。

保湿成分が配合されたマタニティクリームの例。画像は「LCインナーボールママリーフ ボディクリーム」

また、産後の腟トレーニンググッズとして人気を集めるのは、医療用器具にも使われるエラストマー素材を使用した腟トレボール。腟のゆるみや尿漏れが気になる方向けに、取り入れやすい設計で、1日10分ほどの気軽な時間で骨盤底筋の引き締めを意識できます。

エラストマー素材の腟トレボールの例。画像は「LCインナーボール」

産後の夫婦生活の再開に役立つフェムケアアイテムもあります。産後は性行為で痛みを感じやすいため、潤滑ジェルを使用するなど適切なケアアイテムを取り入れることも大切です。

性交痛は挿入時のうるおい不足が主な原因となるため、厚みのあるテクスチャーの潤滑ジェルを取り入れてみると良いでしょう。挿入時の摩擦で感じる不快感を軽減でき、快適な性交が叶うはずです。

性交痛の原因となるうるおい不足をカバーする潤滑ジェルの例。画像は「ラブスライド」

更年期のフェムケア

更年期には、ホルモンバランスの乱れによる様々な症状が現れます。吸水ショーツや保湿クリーム、ホットフラッシュ対策用アイテムなど、更年期特有の悩みに対応したケアを行うことで、快適に過ごせる工夫が可能です。

また、定期的な婦人科検診で健康状態をチェックすることも大切です。

フェムケアアイテム選びの注意点

(1)本当に体にいいものを選ぶ

成分や使用感をしっかり確認し、肌に優しい製品を選ぶことが大切です。刺激の少ない成分や、オーガニック素材を使用した商品を選び、安心して使えるものを見極めましょう。

(2)少量から試してみる

新しいアイテムを使う際は、少量サイズやサンプル品を試すのがおすすめです。自分に合わない場合のリスクを減らし、最適な製品を見つけることができます。

(3)信頼できるブランドや情報源を利用する

フェムケア製品を選ぶ際は、信頼できるブランドや医師監修の情報を参考にすることが重要です。健康関連のアイテムには、「疑似科学」と呼ばれるエビデンスの確かでないアイテムが混ざっていることが度々問題視されます。
口コミやレビューだけでなく、専門家の意見も確認して、自分に最適なアイテムを選びましょう。

自分らしく快適に過ごせる生活を!

フェムケアは、女性の身体や心の健康をサポートするための大切な取り組みです。生理やデリケートゾーン、ホルモンバランス、メンタルヘルスなど、女性特有の悩みに寄り添い、多様なケア方法やアイテムが日々進化しています。

また、サステナブルな商品やデジタルツールの活用、パーソナライズ化など、フェムケアのトレンドも注目されています。

年代やライフステージに合わせて適切なフェムケアを取り入れ、自分らしく快適に過ごせる生活を目指しましょう。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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