藤東クリニックお悩み相談室~デリケートゾーンの乾燥について~
以前はデリケートゾーンの蒸れが気になっていたのですが、最近はデリケートゾーンの乾燥が気になります。乾燥の原因やケアはどのようにしたらいいのでしょうか。
デリケートゾーンが乾燥する?
デリケートゾーンと聞くと、多くの人は蒸れや湿潤を想像するかもしれません。しかし、実際にはデリケートゾーンが乾燥することもあります。
デリケートゾーンは、その名の通り非常に繊細な部位です。皮膚が薄く、外部刺激に敏感な場所であるため、適切なケアが必要不可欠です。乾燥が進むと、かゆみや不快感が生じるだけでなく、皮膚のバリア機能が弱まることで、さまざまなトラブルの原因となる可能性があります。
デリケートゾーンが乾燥する原因は?
デリケートゾーンの乾燥には、いくつかの原因が考えられます。その中でも最も一般的なのが、不適切な洗浄方法です。
多くの女性が使用している一般的な石鹸やボディソープは、デリケートゾーンにとっては洗浄力が強すぎることがあります。これらの製品を使用すると、必要な皮脂まで奪われてしまい、結果として乾燥を引き起こす可能性があるのです。
適切な洗浄力の石鹸を選ぶことが重要ですが、同時に洗浄後のケアも忘れてはいけません。お風呂上がりには、デリケートゾーン専用の保湿製品を使用して、失われた水分と油分を補給することが大切です。
もっと知りたい!「デリケートゾーンの乾燥」について
デリケートゾーンが乾燥する原因
加齢
一般的に年齢を重ねると、皮脂の分泌量が減少します。そして皮脂の分泌が減少すると、肌全体が乾燥しやすくなります。デリケートゾーンも例外ではありません。皮脂は肌を保護し、潤いを保つ重要な役割を果たしています。そのため、皮脂分泌が減少すると、デリケートゾーンも乾燥を感じやすくなるのです。
特に40代以降の女性は、ホルモンバランスの変化も相まって、デリケートゾーンの乾燥に悩むことが多くなります。この場合、年齢に応じたケア方法を取り入れることが重要です。
季節の変化
デリケートゾーンの乾燥は、季節によっても大きく影響を受けます。特に注意が必要なのは、冬季と夏季です。
- 冬季
冬は空気が乾燥し、室内の暖房使用も相まって、身体全体が乾燥しやすくなります。デリケートゾーンも例外ではありません。寒さで血行が悪くなることも、皮膚の乾燥を助長する要因となります。
- 夏季
夏は汗をかきやすく、体内の水分が不足しがちで肌が乾燥しやすくなります。さらに、汗の蒸発時に肌表面からも水分が奪われ、乾燥が進みます。この影響は顔などの肌だけでなくデリケートゾーンも同様です。夏の乾燥から肌を守るには、意識的に十分な水分摂取を心がけることが重要です。
ボディソープが合っていない
デリケートゾーンの乾燥の大きな原因の一つに、洗浄方法があります。特に注意が必要なのが、自分の体質に合ったボディソープ選びです。
一般的なボディソープは、体全体の汚れを落とすために開発されています。そのため、デリケートゾーンには洗浄力が強すぎることが多いのです。強い洗浄力は必要以上に皮脂を洗い流してしまい、肌のバリア機能を弱めてしまう可能性があります。
しかし、だからといって水洗いだけで済ませるのも適切ではありません。水だけでは皮脂による汚れをしっかり落とすことができず、臭いや不快感の原因になることがあります。
理想的な方法は、デリケートゾーン用の低刺激性の洗浄料を使用することです。また現在使っていて乾燥を感じるソープは、肌に合わない添加物が含まれている可能性もあるため、自然派素材のアイテムに変更してみるのも一つの方法です。
その他の原因
デリケートゾーンの乾燥には、上記以外にもいくつかの要因が考えられます
~その他のデリケートゾーンの乾燥の原因~
- ホルモンバランスの変化
- 薬の副作用
- 栄養不足
- 過度の脱毛処理
月経周期やストレス、妊娠、更年期などによるホルモンバランスの変化が、デリケートゾーンの乾燥に影響を与えることがあります。
特定の薬(抗生物質や抗うつ剤など)の服用が、体全体の乾燥を引き起こし、デリケートゾーンにも影響を及ぼす場合があります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、オメガ3脂肪酸などの不足は、肌の健康全般に影響を与え、デリケートゾーンの乾燥にもつながる可能性があります。
頻繁な脱毛や不適切な脱毛方法は、皮膚を傷つけ、乾燥や炎症を引き起こすことがあります。
自分の生活の中に心当たりがあるものがないか、ぜひチェックしてみてください。もし取り除くのが難しい原因であれば、保湿の対策を強化していくといいでしょう。
デリケートゾーンの乾燥のデメリット
不快な刺激を感じる
デリケートゾーンの皮膚が乾燥すると様々な不快症状が現れることがあります。その一つが不快な刺激を感じることです。例えば、下着や洋服が当たるだけでこすれを強く感じたり、ヒリヒリした痛みを感じたりが挙げられます。これは、乾燥によって皮膚が敏感になり、摩擦に弱くなっているからです。
また、乾燥で皮膚がつっぱることによって、かゆみが生じることもあります。これらのかゆみは、特に夜やお風呂上がりに強くなることが多いです。
黒ずみになりやすくなる
デリケートゾーンの乾燥は、見た目の悩みにもつながる可能性があります。特に多くの女性が抱える悩みが「黒ずみ」です。
乾燥によって皮膚のバリア機能が弱まると、外部からの刺激に対して皮膚が過剰に反応しやすくなります。その結果、自己防衛反応としてメラニン(色素)の生成が増加し、肌の黒ずみが生じます。
適切な保湿ケアを行い、皮膚のバリア機能を維持することで、黒ずみのリスクを軽減することができます。また、化学繊維素材より刺激の少ない綿素材の下着を選ぶことも重要です。
しょぼしょぼとしたハリのない見た目
デリケートゾーンが乾燥すると、ハリが失われ見た目がしょぼしょぼとした印象になります。パートナーのいる女性であれば、なるべく見た目も若々しい印象でいたいという人も多いでしょう。
顔の肌も洗顔後に化粧水や美容液で保湿することで、ハリのある状態を維持しています。デリケートゾーンにも使える、さらっとしたテクスチャの美容液で保湿することで、べたつきを防ぎながら乾燥をケアすることができます。
デリケートゾーンのトラブルを減らすお手入れ
デリケートゾーンのにおい
デリケートゾーンの洗浄方法を見直したにもかかわらず、においが気になるようになってしまったという方もいるかもしれません。デリケートゾーンのにおい対策には、適切な洗浄と保湿に加えて、汚れの付着を防ぐクリームでケアする方法もあります。
デリケートゾーンのちくちく感
デリケートゾーンのちくちく感が気になるときは、アンダーヘアを適切な長さに整えてみましょう。アンダーヘアを短くケアすることで、すっきりと快適に過ごせるようになる可能性があります。
ただし間違ったケア方法をすると、反対に毛先の刺激が気になってしまう場合も。毛先を丸くカットすることができるアンダーヘア用のヒートカッターを使用すると、チクチク感を抑えながらアンダーヘアの長さをすっきりさせることができます。
保湿や正しい洗い方を取り入れて、デリケートゾーンの乾燥対策を
デリケートゾーンの乾燥は、加齢や季節の変化などがあげられます。デリケートゾーンが乾燥すると、かゆみなどの不快感や黒ずみの原因にもつながります。洗い方を見直したり、デリケートゾーン用の美容液を取り入れて保湿するなど適切な対策を行えば、デメリットを防ぐことができます。
日々の小さな積み重ねが、健康で快適なデリケートゾーンの維持につながっていくでしょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。