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不感症とは?性行為で快感が得られない理由と対処法

藤東クリニックお悩み相談~不感症について~

 
相談者
性行為で「感じる」という感覚がわかりません。不感症なのでしょうか?
 
藤東先生
今回は不感症について解説しましょう。

不感症とは?

不感症

不感症とは、性行為での快感や興奮を感じない、もしくは快感が非常に弱い状態を指します。男性よりも、圧倒的に女性に多いです。

多くの女性はバストやデリケートゾーンなどの性感帯を刺激されると、くすぐったいようなじんわりとした性的快感が起こります。しかし不感症の女性は、どのような場所も、どのような触り方をしても、こういった性的快感を感じることがありません。

不感症のデメリットとは?

女性の腟は、基本的に性的興奮により腟液が分泌されます。そのため前戯で性的快感が得られないと、挿入の準備が整わずに挿入に至れなかったり、挿入で痛みを感じたりということが起きます。

また、自分は感じることができない状態で、相手の快感のためにのみ性行為を行うのは、あまり楽しいことではないでしょう。できれば性行為は「相手のために耐える」時間ではなく、互いに心地よく感じられることが理想です。

オーガズムできないのは不感症?

性的快感を感じるということは、オーガズムすることとイコールではありません。性行為をしたときに女性がオーガズムを得ることができる割合は約30%とごく一部です。

男性の知識不足から、女性が自分との性行為でオーガズムしないと「不感症ではないか」と感じることがあるようですが、これは誤りです。男性との性行為で毎回オーガズムをする女性は少数派であり、オーガズムしないからといって不感症ではないかと悩む必要はありません。

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もっと知りたい不感症について

不感症の種類と治療法

一言に「感じない」といっても、様々な状態があります。

  • 体に触れられたとき快感を感じる場所もあるが、挿入すると痛みで快感を得られない
  • 触られると痛みや不快感しか感じない
  • 痛みや不快感はないが、快感を感じることはない(何も感じない)

一番最初の、感じる部分もあるが常に性行為で痛みを感じるのは、むしろ不感症ではなく「性交疼痛症(性交痛)」の可能性が高いでしょう。痛みを感じる原因であるうるおい不足や腟口の柔軟性不足などを取り除くことで、性行為に対する苦手意識や緊張感が緩和され、徐々に性的快感を感じやすくなる可能性が高いです。

性行為での潤いが不足しているときは、まずは潤滑ジェルなどを取り入れてうるおいを補うことが大切です。

潤滑ジェル「ラブスライド」
潤いを補うことのできる潤滑ジェルの例。画像は「ラブスライド(ラブコスメ)」

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一方で下の2つは、不感症である可能性が高いです。それぞれ原因別に治療を行っていくことで、解決できるかもしれません。

不感症の原因(1)心理的要因

心理的要因での不感症の方は、性行為に対してうしろめたさや拒否感を持っている人が多いです。幼いころから性的な情報について「汚いもの」「よくないもの」と伝えられてくると、性行為に前向きになれずに、感じられる心理状態でなくなってしまいます。また、成長過程で性的な行為にトラウマを持つ出来事があった人や、出産をきっかけに全く快感を得られなくなってしまったという人もいます。

この場合は、カウンセリング治療を受けることで改善することがあります。

不感症の原因(2)身体的要因

身体的特徴によって、もともと感じにくい人もいます。例えば生まれつき陰核の包皮が厚い「クリトリス包茎」の女性は、刺激されても快感を得にくいことがあります。

この場合クリトリス包皮を切除する外科手術を受けることで改善することがあります。ただし、クリトリス以外で性的快感を得ることも可能です。

不感症ではないが不感症と感じてしまう例

前戯が足りない

性行為で感じられない理由の一つにそもそも前戯(愛撫)が足りていないということが考えられます。前戯が不足していると腟が十分に感じられる状態にならないため、腟で感じるのは難しいです。

前戯は心理的興奮を高める意味でも、体の準備を整える意味でもとても大切な時間です。挿入で快感を得られないときは、まず前戯から改善していきましょう。この時適切な触り方で前戯で快感が得られるようであれば、「不感症」を心配する必要はありません。

前戯をしっかりしていても、挿入で痛みは感じないものの腟での快感まではわからないという女性もいます。腟で感じることができるのは、しっかりと感じる準備が整った状態で経験をたくさん積むことが大切です。

心理的に興奮していない

体の性的快感は心理面にも大きく左右されます。心が性的興奮を感じていないときに、性感帯を刺激されても快感を得られる女性はあまりいません。まずは自分の心が何に対して性的興奮を感じるのかを把握しましょう。そのうえで自分で性感帯を触ってみて、快感を全く感じないのかどうかを確認してみましょう。

女性が性的興奮を感じる物には下記のようなものがあげられます。

~女性が性的興奮を感じやすいこと~
  • セクシャルな動画、アダルトビデオ
  • セクシャルな漫画(男性向け、女性向け)
  • セクシャルなボイスコンテンツ
  • 官能小説やティーンズラブ小説
  • 好きな人との二人きりの時間
  • 好きな人とのキス

自分の性感帯に触れる前に、まずはこういったものに触れて心理的興奮を高めてから確認していくといいでしょう。

触り方が適切ではない

性的興奮を感じている心理状態でも、触り方が適切でなければ快感を感じられないことは多いです。特に注意が必要なのは「強すぎる刺激」です。女性の性感帯は非常に繊細なため、触り方が強すぎるとむしろ痛みを感じてしまいます。

痛みを感じると心理的に快感を得られる状態から遠のいてしまうため、最初から痛みを感じないように、優しく弱い力で触れることが大切です。

場所が合っていない

性的快感を感じられる場所、性感帯は人によって異なります。体に触れて刺激をしても、それが性感帯からずれていたら性的快感を得られないのは自然です。しかし自分のものでない体の性感帯を見つけること自体、実はとても難しくて大変なことなのです。

まずはパートナーが自分の性感帯を適切に見つけられないことを残念に思うよりも、自分自身で自分の感じる場所を探すこと、知ることから始めていきましょう。もし感じる場所を見つけることができれば、彼を誘導することも可能になります。

多くの女性が最も性的快感を感じやすい場所は「陰核(クリトリス)」です。陰核は腟の上にある突起で、平常時は包皮に覆われており、性的快感によって勃起します。陰核を刺激するときは、いきなり直接触れるのではなく、まずはショーツの上から優しく撫でてみましょう。性行為の際は、男性が舌で舐めるのも性的快感を得やすい方法の一つです。

もちろん陰核で感じられないからといって、不感症とは限りません。ほかにも首筋、バスト、乳頭、鼠径部、腟内、太ももの内側、背中など様々な場所が性感帯である可能性があります。

性感帯が未開発

例えば性的経験が少ない人は「いきなり乳頭をつままれて、感じないのは不自然」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。あまり経験がないときに、唐突に敏感な乳頭をつままれても、痛みや違和感しか感じない人は多く、自然なことです。

性的興奮を感じているときに優しく丁寧な刺激を何度も与えることで、バストなどの性感帯は「感じる」場所へと変わっていきます。性感帯は「開発するもの」であり、最初から感じない場所もあることを覚えておきましょう。

腟のゆるみ

不感症の原因として腟のゆるみをあげる病院もありますが、加齢などの腟のゆるみで、ある日突然不感症になってしまうということはあまり考えられません。腟の感度を高める外科手術は下記のようなものがあります。

  • 腟縮小術(外科手術による切除と縫合)
  • HIFU(高密度焦点式超音波治療法)
  • レーザー治療(LVR、インティマレーザー)
  • ヒアルロン酸注射

腟縮小術以外は、腟内のコラーゲンに働きかけ腟の内部を狭くするというメカニズムに基づいた方法です。これらは永続的な効果はなく、定期的に施術する必要があります。

「なんだかちょっと感じにくくなった」という程度であれば、まずは手軽に引き締めをケアできる「腟トレ」から始めてみるといいでしょう。

膣の引き締めを鍛えることのできるアイテムの例。画像は「LCインナーボール(ラブコスメ)」

自分が感じる場所、性感帯を探す方法

(1)お風呂に入る

体を温めて血の巡りをよくするのは、実は体を感じやすくするために大切なことです。まずはゆっくりと湯船につかり、体の強張りを解消し、精神的にもリラックスしましょう。

(2)十分な一人時間と落ち着ける場所を確保

例えば寝る前、誰も入ってこない一人の部屋でベッドにはいって自分の体を探るのはリラックスできる状況と言えます。できれば1~2時間、自分が一人でいられる自由なタイミングを選びましょう。

(3)自分の興奮を高める

自分が何に対して興奮を感じるのか探りましょう。動画サイトでセクシャルな動画を見たり、漫画サイトでセクシャルな漫画を見たりするのは一般的な方法です。セクシャルな漫画といっても、男性向けの性描写に興奮する人もいれば、女性向けの表現を好む人もいます。

もちろんセクシャル描写が多ければ性的興奮を感じる人ばかりではありません。ロマンチックな恋愛映画を見るなどもいいでしょう。

女性は「映像」などの資格情報よりも、「聴覚」の情報により興奮する人もいるといわれています。その場合は、セクシャルなボイスコンテンツと連動するラブグッズなどが合っているかもしれません。下腹の引き締めエクササイズにも使われるインナーボール型のグッズであれば、部屋にあってもセクシャルなアイテムだとは思われず手に取りやすいでしょう。

インナーボールとしても使える女性用グッズの例。画像は「さくらの恋猫NUKUNUKU(ラブコスメ)」

まずは自分が興奮するスイッチに詳しくなりましょう。

(4)体に触れる

精神的に興奮が高まってきたら、いよいよ体に触れましょう。自分が感じられそうな場所であればどこでもいいのですが、一般的には乳房を揉んだり、陰核に触れることで快感を得られることが多いです。

  1. ショーツや服の上から優しくなでる、軽く爪でひっかく
  2. 直接触る
  3. 愛液を陰核につけて、滑りをよくした状態で触る
  4. ゆっくり腟に指を入れてみる

といった順序で体に触れていきましょう。

その中で、気持ちよく感じられる方法を探していきます。

(5)グッズを使用してみる

指以上に的確な刺激で女性の興奮を高めることができるアイテムが「ラブグッズ」です。女性の性感帯を刺激するラブグッズとして、最も取り入れやすいのはローターです。ショーツの上から陰核に当てて振動を楽しみます。また、現在人気が上昇しているのは「吸引グッズ」です。女性の陰核を吸引して、男性からオーラルされているような刺激を受けることができます。

陰核での快感を得るには、グッズではなくコスメを使う方法もあります。ジェルをデリケートな場所に塗りこむようにマッサージすることで、じんわりとした快感をプラスすることができます。これまでグッズ等で刺激を与えてもあまり気持ちよく感じられなかったという人は、もしかしたらこの方法が合うかもしれません。

ラブコスメ リュイール ホット(ラブコスメ)

腟内での感度が低くて「不感症かもしれない」「改善したい」と考えている方には、Gスポットの感度を磨くことができるバイブがおすすめです。Gスポットを刺激することができるグッズには、下記のようなものがあります。

不感症は思い込みである可能性も。自分で感度を磨いてみるのも◎

不感症は精神的な要因の場合はカウンセリングを、身体的な要因の場合はクリニックでの外科治療を受けることが主な治療法です。しかしその原因を見極めるためにも、「不感症ではないけれど不感症と思い込んでしまうケース」についても知っておきましょう。もしかしたら一工夫取り入れるだけで、これまでとは違う感じ方ができるようになるかもしれません。

「もしかしたら不感症かもしれない」と不安を持ちながらいつか感じられる日を待つよりも、積極的に感じられる場所を探していくことで、より充実した時間を過ごすヒントが得られそうです。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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