藤東クリニックお悩み相談~遅漏について~
遅漏とは
性行為で射精までに時間がかかることを「遅漏」と言います。反対に射精までの時間が極端に短い場合は「早漏」に該当します。
遅漏の場合、医学的な時間の定義はありませんが、一般的に20分以上の挿入時間になると「長い」と感じるようです。
遅漏の定義
遅漏はっきりとした時間の基準はありませんが、「射精を自分でコントロールできないこと」「自分の想定よりも射精が遅いこと」の2点が定義としてあげられます。
最終的に射精することができ、パートナーと共に問題を感じていないのであれば対策をする必要はありません。
ただし、「射精が遅い」状態から「射精できないときがある」腟内射精障害の状態に進行していくこともあります。
早漏の問題点
「遅い」だけでなく、射精ができないときがあると、双方の満足度(達成感)や妊活などに影響が出る場合があります。特に年齢とともに男性側の体力が衰えると、射精までの時間、性行為を継続することが難しくなります。
また体力的な負担を感じるのは男性だけではなく女性も同じです。さらに女性は性行為が長くなると陰部が渇き、痛みを感じることがあります。潤い不足の状態での陰部の摩擦による痛みなどは、アイテムを活用することで対策することも可能です。
もっと知りたい!早漏とその対策について
遅漏の原因
(1)強い刺激に慣れている(鈍磨製遅漏)
男性のオーガズムは、基本的に亀頭の刺激の快感によって起こります。そのため、強すぎる刺激を日常的に与えていると、それに慣れてしまい、女性の腟内の刺激では弱すぎてオーガズムに至れなくなってしまうことがあります。 これを「鈍磨性遅漏」と言います。
(2)ストレスや心理的プレッシャー(心因性遅漏)
射精はとても繊細な行為です。そのため、ストレスや心理的プレッシャーが原因で、オーガズムを感じられなくなってしまうことがあります。これを「心因性遅漏」と言います。
例えば妊活で排卵予定日とわかった状況での性行為は、「今日は必ず射精をしなければならない」というプレッシャーにつながり、遅漏や「射精できない」という状況につながることがあります。
(3)加齢(衰弱性遅漏)
一般的に性行為では、射精の為に男性がピストン運動を行い、ペニスの摩擦による快感からオーガズムに達します。しかし、身体機能が衰え、十分な刺激を与えるピストン運動ができなくなると、射精までの時間が長くなったり、最終的に射精できなくなってしまったりということが起きます。
遅漏の改善方法
(1)刺激の強すぎるマスターベーションをやめる
鈍磨性遅漏の改善には、まず「刺激が強すぎるマスターベーションをやめる」ことが大切です。そのうえでソフトな刺激でもオーガズムに達することができるように対策していきましょう。
刺激の強すぎるマスターベーションの例は、下記のような方法があります。
~遅漏の原因となる間違ったマスターベーションの種類~
- マスターベーションの際に手で強く握りすぎる
- 床オナニーなど、強く押し付けるマスターベーション方法
- 刺激の強い、振動式オナホール
普段のマスターベーションで腟の締め付けよりも強い力で握っていると腟の刺激が物足りずにオーガズムできなくなる原因になります。
また、床オナニーなどの「圧迫感」によるオーガズムは腟の快感とは大きく違うため、腟内での射精の妨げになります。振動式のオナホールから得られる快感も腟内の刺激とは大きく異なるため、遅漏の原因になるといわれています。
(2)不自然な体勢でのマスターベーションをやめる
刺激の強さだけでなく「体勢」もオーガズムに影響します。女性との性行為との違いが大きすぎる体勢でマスターベーションをしていると、性行為でオーガズムを得にくくなる可能性があります。その代表的な例が「足ピンオナニー」です。
性行為は一般的に男性が女性におおいかぶさるような足を曲げた姿勢で行うことが一般的です。そのためあおむけで足をピンと伸ばした状態でのオーガズムに慣れてしまうと、この体勢でオーガズムが得られなくなってしまうことがあるので注意が必要です。
(3)女性が上位になって刺激する
衰弱性遅漏では男性の体力低下を一つの原因としてあげました。しかし性行為は何も男性だけが一生懸命動いてするものではありません。
女性が積極的に男性を刺激することで、男性の体力不足をカバーすることができます。特に「騎乗位」の体位は、女性側が積極的に男性を刺激するのに適した体位です。
正常位や後背位の体位でも、女性側が腰を動かすことで刺激が倍増して、男性側の体力カバーに役立つでしょう。
(3)オーガズムへのこだわりを捨てる
心因性遅漏の男性の多くが、「性行為をしたらオーガズムしなければならない」というプレッシャーを無意識に感じていることが多いです。しかし、そもそも性行為は「必ずオーガズムをしなければならない」ものではありません。二人で心地よくスキンシップをして、愛情を感じあうだけでも十分なのです。
一旦オーガズムへのこだわりを捨て、ホテルで気の向くままにスキンシップを楽しむような時間を二人で持つのもいいでしょう。
もし「妊活」が心配なのであれば、医療の力を借りて人工授精をする方法もあります。妊活は人工授精を活用し、性行為はスキンシップに重きを置くのも選択肢の一つです。
(4)病院で治療を受ける
自己流で遅漏対策をしても、なかなかうまくいかないこともあることでしょう。そういう場合は、やはり病院を受診して治療を受けるのが最適です。
遅漏の彼との性行為満足度を上げるためのアイテム
(1)潤滑ジェル
遅漏で女性が一番負担を感じるのは、デリケートゾーンの摩擦です。長い性行為の間、ずっと潤った状態でいられるかというとそうではありません。
もし潤い不足で負担を感じる場合は、迷いなく潤滑ジェルを取り入れましょう。痛みを我慢していると、より性行為に集中できなくなり潤いにくくなるという悪循環に陥る可能性もあります。性行為自体にプレッシャーを感じるようになってしまうこともあります。無理と我慢は禁物です。
(2)非日常の興奮をプラスするアイテム
男性は興奮した状態だとより射精が早くなる傾向にあります。一方でマンネリ感を感じていると興奮が遠のき、オーガズムの速さにも影響が出るようです。
そういう場合は、二人の性行為に「非日常感」を持ち込み、男性の興奮を盛り上げる工夫をしてみるのも一つの手段です。例えば、少しSっぽい傾向のある男性の場合は「目隠し&手錠グッズ」を取り入れることで、より彼の興奮を刺激することができるかもしれません。
遅漏対策はアイテムの力も借りよう
遅漏は単に気持ちが満たされないだけではなく、女性側の身体の負担が大きい点が問題点の一つです。また対策を始めてもすぐに解消するわけではなく、それまでの間長時間の性行為に対応していく必要があります。そのため体に負担を感じている時は、我慢せずにアイテムを取り入れましょう。
もし対策をしても長期間解決しない場合は、医療機関を受診して治療を始めてみるといいでしょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。