藤東クリニックお悩み相談室~ボルフィリンについて~
最近皮膚のたるみを改善したくて使用しているお気に入りのクリームに、ボルフィリンという成分が配合されていました。この成分はどのような効果があるのでしょうか?副作用はありますか?
ボルフィリンとは?
ボルフィリン(Volufiline™)は、フランスの化粧品原料メーカー「セダーマ社(Sederma)」が開発した、国際特許取得済みの美容成分です。美容業界やSNSでは「塗る脂肪注入」「メスを使わないプチ整形」といったキャッチーな言葉で紹介されることも多く、バストケアやエイジングケアに関心の高い層から熱烈な支持を集めています。
最大の特徴は、肌のハリや弾力を支える「脂肪」に着目している点です。従来の保湿成分(ヒアルロン酸やコラーゲン)が肌表面の水分保持を目的とするのに対し、ボルフィリンは脂肪細胞に働きかけることで、内側からふっくらとしたボリューム感を与えることを目指して開発されました。痩せてしまったデコルテや加齢による肌のコケ、脂肪の減少によって生じた皮膚のたるみの改善を目指す方に最適な成分と言えます。
ボルフィリンの原料は?
ボルフィリンの原料は、ユリ科の植物「ハナスゲ(知母・チモ)」の根から抽出されたエキスです。古くから漢方などでも用いられてきた植物ですが、セダーマ社の技術により、この根に含まれる「サルササポゲニン」という成分だけを高純度で抽出することに成功しました。
ボルフィリンは副作用はある?
ボルフィリンは「副作用のリスクが低い成分」として知られています。
かつてバストアップサプリなどで使われていた成分が、女性ホルモンに作用するため、生理不順や肌荒れなどの副作用リスクがあることで話題になりました。しかし、ボルフィリンはホルモン分泌には一切干渉しません。あくまで脂肪細胞にアプローチするメカニズムのため、周期を問わず使用できるのが大きなメリットです。
とはいえ、どんな化粧品でもアレルギーのリスクはゼロではありません。植物アレルギーをお持ちの方や、肌が敏感な方は、使用前に必ず二の腕などでパッチテストを行いましょう。また、油分を含む成分のため、ニキビができやすい部位への過剰な塗布は避けたほうが無難です。
ボルフィリンはどのような効果を期待して配合されている?
化粧品に配合される際、ボルフィリンには主に「ボリュームアップ」と「リポ・フィリング(脂肪充填)」の効果が期待されています。具体的には、脂肪細胞の分化を促し、脂肪の蓄積量を増やす働きかけをします。これにより、以下のような悩みへのアプローチとして配合されます。
- バスト・ヒップ
- 顔のエイジングケア
- 手元・首元
加齢やダイエットでボリュームが減った部分にハリと丸みを与える。
目の下のくぼみ、頬のコケ、ほうれい線など、脂肪減少による「老け見え」を解消し、ふっくらとした若々しい印象へ導く。
血管が浮き出てゴツゴツした箇所を、ふんわりとカバーする。
肌表面を潤すだけでなく、土台となる「厚み」を回復させる点が、一般的なスキンケアとの違いです。単なる保湿以上の、物理的な「ふっくら感」を求める製品のキー成分として重宝されています。
もっと知りたい!ボルフィリンについて
ボルフィリンの特徴
ボルフィリンの成分
ボルフィリンは、「ハナスゲ」という植物から抽出された「サルササポゲニン」を有効成分とする化粧品原料です。
製品化される際は、肌への浸透性(角質層まで)を高めるために「水添ポリイソブテン」というオイル状の基剤に溶かし込んだ状態で配合されます。植物由来であることは、ナチュラル志向の方にとっても安心材料の一つとなっています。
ただし、美容整形のような即効性はありません。肌のターンオーバーや細胞のサイクルに合わせ、「毎日コツコツと継続して塗り続けること」が効果を実感するための最短ルートです。
ホルモン剤との違い
サルササポゲニンはステロイドに近い化学構造を持っていますが、女性ホルモン(エストロゲン)のような作用は一切ありません。
従来の成分(プエラリア等)は女性ホルモンに似た働きで乳腺を刺激するため、生理不順などの副作用リスクを伴います。それに対し、ボルフィリンは「脂肪細胞」のみにピンポイントで働きかけます。
ホルモンバランスを崩す心配がなく、体調や生理周期を気にせず安全にボリュームケアを続けられるのが最大の特徴です。
ボルフィリンを含む食べ物(食品)はある?
ボルフィリンそのものを含む「食品」はありません。ただし、有効成分の原料である「ハナスゲ」は、漢方では「知母(チモ)」と呼ばれる生薬です。解熱や鎮静作用などを目的に処方される医薬品的な扱いであり、スーパーなどで野菜として売られているものではありません。
仮に知母を摂取できたとしても、全身に作用するため「胸だけ」「涙袋だけ」といったピンポイントな効果は期待できず、体の冷えやお腹を下す等の副作用が出る可能性があるため、自己判断での摂取は控えましょう。
ボルフィリンの働きのメカニズム
ボルフィリンが肌をふっくらさせることができる理由は、肌の土台となる「脂肪細胞」そのものを増やし、大きくする働きがあるからです。主成分である「サルササポゲニン」が以下の2つのアプローチで作用します。
~サルササポゲニンの作用~
脂肪細胞の「数」を増やす(分化促進)
私たちの肌の下には、まだ脂肪細胞になっていない「脂肪前駆細胞(脂肪の赤ちゃん)」が存在します。ボルフィリンはこの細胞に働きかけ、成熟した「脂肪細胞(大人の細胞)」へと変化(分化)させるスイッチを押します。これにより、脂肪細胞の総数が増加します。
脂肪細胞の「サイズ」を大きくする(脂質蓄積)
さらに、成熟した脂肪細胞の中に、脂肪(脂質)をたくさん溜め込むように指令を出します。 これは、「風船に空気を入れて膨らませる」ようなイメージです。一つひとつの脂肪細胞がパンパンに膨らむことで、物理的な体積が増えます。
肌の内側にある脂肪組織の「数」が増え、さらにその「一つひとつが大きく」なることで、内側から皮膚が押し上げられます。 これによって、シワや窪みが目立たなくなり、ふっくらとしたハリのある肌が実現するのです。水分で一時的に潤す保湿とは異なり、物理的なボリューム(厚み)を出せるのが最大の特徴です。

ボルフィリンが配合されるコスメ
バストジェル、バストクリーム
ボルフィリンが最も多く使われるのは、バストジェルやバストクリームです。脂肪組織が多いバストやヒップに塗布することで、ふっくらとした丸みを目指します。「年齢とともにデコルテが削げてきた」、「ハリがなくなってきた」という方に特に支持されています。

アイクリーム、フェイスクリーム
顔の印象を老けさせる「頬のコケ」や「まぶたのくぼみ」、脂肪の減少によって生じた目の下の皮膚のたるみ。ここにピンポイントで使うことで、若々しいふっくら感を取り戻すケアとして活用されます。また、メイクで作っていた涙袋を自前の脂肪で育てたいというニーズにもマッチしています。
手の甲・首元のシワ対策クリーム
年齢が出やすい手の甲。血管が浮き出てゴツゴツしてしまった手に、脂肪の厚みをプラスすることで、ふんわりとした若々しい手元を目指せます。
原液
ネット通販などで「ボルフィリン原液(100%ではないが高濃度のもの)」が手に入ります。これを普段使用しているボディクリームや乳液に1〜2滴混ぜて使うという方法があります。濃度を自分で調節することができるというメリットがあります。
ただし、原料は製品として処方調整されていないため、肌質によっては刺激を感じる場合があります。使用する際はパッチテストを行い、肌に合わないときは無理に使用しないよう注意が必要です。

成分をよく知り、日々のケアに取り入れていきましょう
ボルフィリンは、単なる保湿にとどまらず「脂肪細胞を育ててボリュームを出す」という新しいアプローチで、年齢によるコケや削げ、皮膚のたるみの悩みに応えてくれる成分です。
植物由来でありながら、科学的なメカニズムで脂肪そのものに働きかけ、かつホルモンバランスへの影響を心配することなく安全に使用できる点が最大の魅力です。バストやヒップはもちろん、目元や唇など、全身の「あと少しボリュームが欲しい部分」にピンポイントで活用できます。肌のターンオーバーや脂肪細胞のサイクルに合わせて、1〜2ヶ月毎日コツコツ塗り続けてみましょう。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。





