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肌のニキビ跡は皮膚科で消せる?ニキビの色素沈着の治し方

藤東クリニックお悩み相談室~ニキビの跡について~

 
質問者

水着を着るときに背中のニキビ跡が気になります。ニキビ跡を消すことはできるのでしょうか。

 
藤東先生
今回は「ニキビ跡」について解説しましょう

そもそもニキビ跡とは?

ニキビ跡はニキビが治癒した後に皮膚上に残る赤味や色素沈着、凹凸(クレーター)のことを指します。ニキビができると、炎症が引き起こされ、皮膚の表面が傷つきます。この損傷が治る過程で、皮膚に色素沈着(赤みや茶色の斑点)や凹凸(クレーター状の瘢痕)が残ることがあります。

特にニキビを触ったり潰したりするとニキビの炎症が強くなる、損傷が起きやすくなる等の危険性があります。まずニキビ跡が残らないようにするには、なるべく刺激を与えず、ニキビが小さく炎症が起きていないうちに対処していく必要があります。

また、日焼けはニキビ跡の色素沈着を悪化させる可能性があるので、UVクリームを塗ったり衣服で直射日光が当たらない工夫をして悪化を防ぎましょう。

残ってしまったニキビ跡を消すことはできる?

ニキビ痕の原因は主に色素沈着と、コラーゲンの増生や消失によるクレーターです。完全に消すことは困難ですが、目立たなくするケア方法はあります。
スキンケアでターンオーバーを整えたり、美容皮膚科でのレーザー治療やケミカルピーリングなどの治療法があります。

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もっと知りたいニキビ跡について

ニキビからニキビ跡ができる原因と流れ

(1)白ニキビができる

まず、ニキビの初期段階である「白ニキビ」が発生します。ターンオーバーの乱れにより毛穴周囲の角質が厚くなることで、毛穴が皮脂や角質で詰まって白ニキビができます。3~4日で自然治癒するものもありますが、刺激を与えたり放置してアクネ菌が増殖すると、炎症を伴う赤ニキビに進行していくケースが多いです。

ニキビができると面皰を指で押して除去しようとする人がいますが、それがきっかけで雑菌が入り込み赤ニキビになってしまうことがあります。自分で面皰を除去するのではなく、ニキビをつぶさないように注意しながらよく泡立てた洗顔で洗って、雑菌が入るのを防ぎましょう。

白ニキビの段階であればニキビ跡は残りにくいので、できればこの段階で治療を開始し赤ニキビへの進行を防ぐのが好ましいでしょう。白ニキビの皮膚科の治療では、「ディフェリンゲル」など、毛穴の詰まりを防ぐことができる外用薬が使用されます。

(2)赤ニキビへ進行する

赤ニキビは、毛穴内でアクネ菌が増殖して炎症が起こり、皮膚表面に赤い腫れが現れる状態のニキビです。毛穴がふさがると、日々分泌されている皮脂が洗顔等で毛穴から排出されなくなり、アクネ菌にとって栄養豊富な状態になります。さらにアクネ菌の苦手な酸素が遮断されることで、非常にアクネ菌が増殖しやすい環境となります。

赤ニキビは、赤い腫れが中央にあり、周囲には白または黄色の膿が見られることがあります。毛穴内で増殖したアクネ菌が皮脂を栄養として膿を産生するためです。

赤ニキビに進行すると、ニキビ跡が残りやすくなります。赤ニキビの治療では、主に毛穴内の炎症を鎮めるために細菌を抑える抗生剤を使用します。ニキビは「尋常性ざ瘡」という皮膚疾患の一つなので、保険適用で治療を受けることができます。

(3)黄ニキビへ進行する

赤ニキビの炎症がさらに進行すると、化膿した状態の「黄ニキビ(膿疱性ニキビ)」になります。黄ニキビまで進行してしまうと、ブドウ球菌やアクネ菌の繁殖により毛穴の周囲の真皮細胞などの皮膚組織が破壊されるため、ニキビ跡が高確率で残ります。

(4)ニキビあとが残る

アクネ菌は「リパーゼ」という皮脂分解酵素を産生します。この酵素が毛包の壁を破壊して皮膚の炎症を起こす物質が漏れ出し、周囲の皮膚組織に影響が広がってしまうことがあります。

肌が炎症を起こすと、患部の毛細血管が増殖し、肌が赤味を帯びて「跡」のように見えます。この跡は、ターンオーバーが繰り返されることによって自然に消えていきますが、肌の深い部分で炎症が起きている場合消えるまでに時間がかかります。

また、周りの皮膚組織が破壊されると肌のコラーゲンが過剰に産生されてしまう「肥厚性瘢痕(ケロイド)」や、反対にコラーゲンが消失することによる「陥凹性瘢痕(クレーター)」が残ることがあります。

さらにニキビによる炎症で肌が損傷し、メラノサイトが活性化してメラニンを大量に生成することが原因で、炎症が治まった後に茶色いシミのような色素沈着が残ってしまうケースもあります。

ニキビ跡のケア方法・治療方法

(1)ターンオーバーを整える

ニキビ跡の最も基本的な対処法は、「ターンオーバーを整える」ことです。ターンオーバーの乱れの原因は主に下記のようなものが挙げられます。

  • 古い角質の蓄積
  • 過度の洗顔やスクラブ等による刺激
  • 乾燥によるバリア機能の低下

古い角質が蓄積した状態にならないように、しっかりと洗浄力のある洗顔石鹸を使いましょう。ただし、強すぎる洗浄成分が体質に合わないと、反対に肌荒れを起こしてしまう可能性もあります。

その場合は自然素材で作られた低刺激性の石鹸で「泡パック」をする方法があります。石鹸を泡立てて3分ほどパックすることで、優しい洗浄力でもスッキリと角質を洗い流すことができます。特に古い角質の主成分であるタンパク質にアプローチするパパイヤ酵素を含んだ石鹸は、角質ケアに適しています。

パパイヤ果実エキスの含まれたデリケートゾーンにも使える石鹸の例。画像は「ジャムウ・ハードバブル(ラブコスメ)」

しっかりと角質をおとした後は、水分や油分も奪われた状態で、バリア機能が低下します。洗顔後は忘れずに化粧水や乳液で水分油分を補って、肌のバリア機能を正常に保つことが大切です。

(2)美容皮膚科の外科治療を受ける

ニキビ跡の治療は基本的に保険適用外の自由診療が一般的です。ニキビ跡の自由診療治療には下記のようなものがあります。

  • レーザー治療
  • IPL治療
  • ケミカルピーリング
  • イオン導入

レーザー治療は主に「陥凹性瘢痕(クレーター)」タイプのニキビ跡に効果的です。ニキビ跡があるぼこぼこした皮膚に炭酸ガスレーザー光線を照射することで真皮のコラーゲン繊維などに働きかけ治癒能力を引き出します。

IPL治療は光を照射する治療方法で、赤味のあるニキビ跡の治療に用いられます。赤味のあるニキビ跡はニキビの炎症の際に増殖した毛細血管が原因のため、IPL光で毛細血管を破壊することで赤味を軽減します。破壊された毛細血管は、自然と皮膚組織に吸収されて消失します。また、IPL治療は色素沈着タイプのニキビ跡にも効果的です。IPL光がメラニン色素を破壊し、肌の新陳代謝を促進することで色素沈着の改善が期待できます。

ケミカルピーリングは皮膚のターンオーバーを促進する施術です。前述のターンオーバーを整えるセルフケアをしていても効果が見られない方は、ケミカルピーリングをためしてみるといいかもしれません。

イオン導入も色素沈着タイプのニキビ治療に選ばれる方法です。電気の力を利用してビタミンや他の栄養素を皮膚の深部に浸透させます。皮膚表面にビタミンC誘導体や美容成分を含んだ特殊なゲルを塗布し、専用のイオン導入機を使用して微弱な電流を流して皮膚の深部に送り込みます。ビタミンC誘導体がメラニン色素の生成を抑制したり、ターンオーバーを促進します。

新たにニキビ跡を残さないための生活習慣のポイント

(1)睡眠時間や食生活

すでにできてしまったニキビ跡をケアするだけでなく、新しくニキビ跡ができるのを防止することも大切です。ニキビ跡を残さないために最も大切なのは、まずはニキビ自体を防ぐことです。ニキビができる原因となる生活習慣は次のようなものが挙げられます。

  • 睡眠不足
  • 脂質の摂りすぎ
  • ビタミン不足の食事
  • 便秘

睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの増加を引き起こします。そして、コルチゾールは皮脂腺の活性化を促進し、皮脂の過剰分泌につながります。皮脂の分泌が過剰になると毛穴が詰まりやすくなったり、アクネ菌の栄養が増えてニキビができやすくなります。

同じく脂質の摂りすぎも、皮脂の過剰分泌に繋がります。食生活で脂っぽいものが多くならないように注意しましょう。

一方で、野菜に含まれるβカロテンはビタミンAを合成するのに必要な成分です。そしてビタミンAは皮膚の再生に欠かせない、肌の健康を支える重要な栄養素です。ビタミンが不足している時は、サプリメント等で補うようにしましょう。

野菜には食物繊維も沢山含まれています。食物繊維が不足すると便秘になりやすくなります。便秘になると腸内で悪玉菌が増加します。悪玉菌から発生した有害物質が腸の毛細血管から全身に流れていくことで、肌のターンオーバーに悪影響を及ぼし、ニキビができやすくなったり色素沈着が起きやすくなるので注意が必要です。

(2)古い角質をパックでケア

ニキビ跡の治療に古い角質をケアしてターンオーバーを整えることが大切だと紹介しました。ターンオーバーを整えることは、ニキビ自体の発生を抑えることにもつながります。

ニキビができる最初の原因が、毛穴周りの古い角質の蓄積によって毛穴がふさがれてしまうことが多くの原因であるためです。

普段から古い角質をケアする習慣を取り入れれば、古い角質が蓄積して毛穴がふさがれてニキビができるのを未然に防ぐことができます。日常の洗顔ケアに、泡パック洗顔を取り入れると古い角質の蓄積を防ぐことができるでしょう。

古い角質を洗い流すピーリング石鹸の例。画像はジャムウ・ビューティーバブル(ラブコスメ)

(3)早めにニキビを治療する

ニキビに注意していてもニキビができてしまったら、なるべく早くにニキビ治療をしましょう。ニキビは炎症が少ない白ニキビのうちに対処するのが最も治療がしやすく、跡ものこりにくいです。

治療費もニキビ治療が保険適用であるのに対し、ニキビ跡治療は自費診療が主です。

ニキビ跡ケアにはターンオーバーを整えること!実感がなければ外科治療も

ニキビ跡ケアには、まずはターンオーバーを整えるケアを試してみてください。毛細血管増殖による赤味は、ターンオーバーを整えて促進することで、自然と薄まることがあります。

古い色素沈着やクレーターにはレーザー治療など自費診療の治療が必要な場合もあります。ターンオーバーケアをしても実感が得られない場合は、そういった治療方法も検討していくといいでしょう。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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