鼻の毛穴のボコボコは治る?正しい角栓ケアや予防法

藤東クリニックお悩み相談室~鼻の毛穴について~

 
質問者

鼻の毛穴が黒ずみにならないようにケアをしていたつもりなのですが、いつの間にかボコボコになってしまいました。治すことはできるのでしょうか?

 
藤東先生
今回は鼻の毛穴について解説しましょう!

毛穴がボコボコしているのはなぜ?

毛穴がボコボコしているのは、開き毛穴もしくはたるみ毛穴が原因の可能性が高いです。開き毛穴は毛穴が通常より大きく拡張して目立つ状態のことです。主な原因は皮脂の過剰分泌で、特にTゾーンに多く見られます。たるみ毛穴とは、加齢によって皮膚のハリや弾力が失われることで、毛穴が縦に伸びて涙型や楕円形に見える状態です。主にほおや鼻の側面に現れやすいです。

ボコボコしてしまった鼻の毛穴をもとに戻すことはできる?

一度ボコボコになった鼻の毛穴を完全に元に戻すのは難しいのが現実です。毛穴の開きや凹凸は、皮脂の過剰分泌、紫外線ダメージ、加齢によるコラーゲンの減少などが原因で生じ、構造的な変化を伴うためです。

ただし、適切なケアで大幅な改善は期待できます。レチノールやナイアシンアミド、AHA(グリコール酸)/BHA(サリチル酸)などの有効成分を継続使用することで、肌のターンオーバーを正常化し、毛穴周りの肌質を改善できます。また、皮膚科でのケミカルピーリングやレーザー治療なら、より積極的なアプローチが可能です。

重要なのは現状維持と予防です。適切な洗顔、保湿、紫外線対策を継続することで、これ以上の悪化を防げます。完全な復元は困難でも、根気強いケアで見た目の改善は十分可能です。

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もっと知りたい、毛穴のボコボコについて

鼻の毛穴がボコボコになるNG習慣

毛穴の角栓を押し出す

鼻の毛穴の角栓を押し出すと、毛穴は主に3つの物理的なダメージを受け、ボコボコになります。

(1)毛穴壁の損傷

無理に角栓を押し出すと、毛穴の壁を構成している組織が傷つきます。毛穴は繊細な構造で、強い圧力をかけると内壁が破れたり、周囲の皮膚組織が損傷を受けます。この傷が治癒する過程で瘢痕組織が形成され、毛穴の形が不規則になってしまいます。

(2)コラーゲンの破壊

押し出す際の圧力によって、毛穴周りのコラーゲン繊維が断裂します。コラーゲンは肌の弾力性を保つ重要な成分で、これが損傷すると毛穴の収縮力が低下し、開いたままの状態になります。さらに、修復過程で正常な構造に戻らず、凹凸のある状態で固定されてしまいます。

(3)炎症反応の悪化

物理的な刺激により炎症が発生し、これが慢性化すると毛穴周囲の組織が硬化します。また、細菌感染のリスクも高まり、より深刻な炎症を引き起こして毛穴の変形を促進します。

このため、角栓除去は化学的な方法(AHA/BHAなど)で優しく行うことが重要です。

毛穴パックなど、毛穴に刺激が強いスキンケア

毛穴パック、特に鼻の角栓を剥がすタイプのパックは、毛穴のボコボコにつながる可能性があります。パックを剥がす際の強力な粘着力が問題となります。角栓と一緒に毛穴の内壁や周囲の健康な皮膚組織も無理に引っ張られ、物理的なダメージを受けます。この過程で毛穴壁が傷つき、微細な炎症が発生します。

さらに深刻なのは、パックによって毛穴が急激に広げられることです。強制的に角栓を引き抜くことで毛穴の開口部が拡張し、その状態で組織が修復されると、毛穴が以前より大きく開いたまま固定されてしまいます。

また、パック使用後は毛穴が一時的に空洞状態になり、そこに汚れや皮脂が入り込みやすくなります。これが繰り返されると、毛穴の形状が不規則になり、ボコボコした質感の原因となります。

鼻のボコボコを予防する方法

角栓を押し出してしまった後はアフターケアをする

角栓を押し出してはいけないと言われても、角栓がすでに見える状態まで大きくなってしまっていて、それが取れそうであればつまんでとってしまいたくなるものです。角栓をとると、毛穴がぽっかり開いた状態になることが多いでしょう。その状態でメイクなどをしてしまうと、当然メイク汚れが角栓が抜けたばかりの毛穴に入り込み、炎症などの原因となります。

毛穴を押し出した後はなるべくメイクなどをするのは避け、抗炎症作用のある化粧水で鎮静させるようにしましょう。その後毛穴の引き締め効果があるビタミンC、またビタミンC誘導体入りの高保湿な化粧水、肌を引き締める働きをする収れん化粧水などを使用すると良いでしょう。ただし、極に冷たい水で冷やしたりすることはNGなので、適温での使用が大切です。

化粧水後の乳液や美容液は、できるだけ油分の少ないタイプを使うほうが効果的です。油分が多すぎると再び毛穴詰まりの原因となってしまいます。

角栓の除去は、化学的な方法で行う

そもそも毛穴から角栓を押し出せる状態ということは、すでに毛穴に角栓が蓄積されてしまっている状態と言えます。この状態で放置すればどんどん角栓の蓄積は増え毛穴の広がりは大きくなります。また、そのうちに酸化して黒ずんで目立つようになります。

つまり、『指で角栓を押し出さない』ということは、そのまま角栓を放置するということではなく、物理的な方法以外の方法で地道に角栓を除去していきましょうということになります。この毛穴の角栓を押し出さないでケアする化学的な方法には、化学反応を利用した分解除去や温度勾配を活用した除去法があります。

角栓が溜まらない洗顔を見つける

鼻のボコボコを防ぐ最も根本的な解決策は、角栓がたまりにくい自分に合った洗顔を探し出すことも大切です。角栓が溜まりにくい洗顔料の見つけ方のポイントはいくつかあります。

タンパク質分解成分を含む洗顔料

角栓の約70%はタンパク質(ケラチン)で構成されているため、タンパク質を分解する酵素系の洗顔料が効果的です。パパイン酵素やプロテアーゼなどが配合された製品を選びましょう。

適度な洗浄力

界面活性剤のみに頼る強すぎる洗浄力ではなく、肌に必要な皮脂は残しつつ、余分な皮脂と古い角質を除去できるバランスの取れた洗顔料が理想的です。

界面活性剤フリーの自然派石鹸の例。写真は「LC’Sジャムウ・ビューティーバブル(ラブコスメ)
クレイ(泥)系洗顔料

天然のクレイは粒子が小さく毛穴の奥まで入り込み、吸着力で角栓の原因となる汚れを除去できます。肌への負担も比較的少ないのが特徴です。

特に火山灰シラスなどは非常に細かい粒子で皮脂の吸着性に優れています。

本草絵巻しろつやびじん
火山灰シラスをバルーン化処理した毛穴ケアにおすすめのソープの例。写真は「本草絵巻 しろつやびじん 薩摩みかん(ラブコスメ)

化学的な角栓ケア方法

化学反応を利用した分解除去

角栓は単純な皮脂の塊ではなく、タンパク質(約70%)と脂質(約30%)が複雑に結合した構造体です。この複合的な組成に対して、ケミカルピーリングによる化学的なアプローチが最も効果的です。

酸性成分による角質軟化

グリコール酸(AHA)やサリチル酸(BHA)などの化学的剥離剤は、角栓のタンパク質結合を弱めて構造を不安定化させます。これにより物理的な力を加えることなく、自然な剥離を促進できます。

pH調整による溶解

最新の研究では、特定のpH調整剤が角栓の固体脂肪酸を可溶性の石鹸様物質に変換することが発見されています。この化学変化により、水に溶けやすい形態に変換され、洗浄時に容易に除去されます。

温度勾配を活用した除去法

「蒸しタオルを使った毛穴ケア」は、温度勾配を活用した除去法の一つです。約40~45度の温熱を毛穴に適用すると、角栓内部の脂質成分の流動性が増加し、タンパク質との結合が弱まります。そのため40~45度程度の蒸しタオルを鼻に2-3分当てる、または洗面器にお湯を張って蒸気を顔に当てたあとにクレンジングや洗顔を行うことで、毛穴壁への刺激を最小限に抑えながら、効率的に角栓を除去できます。

毛穴のボコボコ改善に効果的な成分

毛穴のボコボコ改善は、詰まりの解消、毛穴の引き締め、肌質改善の三つの対策が必要です。それぞれの対策に効果的な成分と働きは下記のとおりです。

成分や働きを知ることで、より確実に必要とする洗顔料や化粧水を選択することができます。

~毛穴の詰まりを解消する成分~
  • サリチル酸(BHA)
    油溶性で毛穴の奥まで浸透し、角栓を溶かす
  • グリコール酸(AHA)
    古い角質を除去し、毛穴を滑らかにする
  • 乳酸
    マイルドなピーリング効果で肌質を改善
~毛穴を引き締める成分~
  • ナイアシンアミド
    皮脂分泌を抑制し、毛穴の見た目を改善
  • ビタミンC誘導体
    コラーゲン生成を促進し、毛穴周りの肌を引き締める
  • レチノール
    細胞の再生を促し、毛穴の形状を整える
~肌質改善に働く成分~
  • ペプチド
    コラーゲン産生をサポート
  • アゼライン酸
    皮脂コントロールと角質ケアの両方に効果
  • 亜鉛
    皮脂分泌の調整と抗炎症作用

鼻のボコボコに効果的な成分を使うときの注意点としては、肌への刺激を最小限に抑えながら効果を最大化するための慎重さも大切です。

レチノールやAHA、BHAなどの有効成分は、いきなり高濃度で使用すると肌に強い刺激を与えてしまいます。そのため、低濃度の製品から始めて肌が慣れてきたら徐々に濃度を上げていく段階的な導入が重要です。最初は週に1〜2回の使用から始め、肌の状態を観察しながら頻度を調整しましょう。これらの成分は光感受性を高める性質があるため、使用期間中は日中の紫外線対策が必須となります。SPF30以上の日焼け止めを毎日欠かさず使用し、外出時は帽子や日傘なども併用することをおすすめします。

複数の有効成分を組み合わせて使用する場合は、相乗効果が期待できる反面、刺激も強くなる可能性があります。新しい成分を追加する際は一つずつ段階的に導入し、赤みやヒリヒリ感などの反応が出ないか慎重に観察しながら調整することが大切です。そして、成分の組み合わせや濃度によって効果が変わるので、自分の肌質に合った製品選びが重要です。

鼻のボコボコ毛穴は地道にケアを続けよう

鼻のボコボコ毛穴は、開き毛穴やたるみ毛穴が原因で、完全な復元は困難ですが適切なケアで改善可能です。角栓の押し出しや毛穴パックは毛穴壁を損傷させるため避けるべきです。効果的な対策は、タンパク質分解酵素配合の洗顔料やクレイ系洗顔料を使用し、化学的な角栓除去を行うことです。AHA/BHA、ナイアシンアミド、ビタミンC誘導体などの有効成分を段階的に導入し、蒸しタオルで毛穴を開いてからケアすることで、毛穴への刺激を最小限に抑えながら改善できます。

予防と改善の双方のケアを取り入れて行くといいでしょう。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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