藤東クリニックお悩み相談室~PMSについて~
PMSが年々重たくなっている気がします。今までは我慢していましたが、PMSを軽くすることはできるのでしょうか?
PMSとは
PMSとは「Premenstrual Syndrome」の略で、月経前症候群のことです。生理前に現れる、さまざまな身体的および精神的症状の総称で、頭痛、腹痛、むくみ、イライラ、憂鬱感などが代表的な症状です。個人差は大きく、場合によっては日常生活に支障をきたすこともあります。
また、PMSはホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣の影響を受けやすく、環境によっては症状がより強く現れる傾向にあります。
PMSを軽くすることはできる?
PMSの不快な症状は、発症後の適切なセルフケアで十分に和らげることが可能です。十分な睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動はもちろん、リラクゼーションやストレス軽減のための工夫を取り入れることが効果的です。
さらに、必要に応じて医薬部外品やサプリメントを活用し、ホルモンバランスの調整を図ることで、症状を緩和する手助けとなります。自分に合ったケア方法を見つけることが、PMS軽減への大きな一歩です。
PMDDという可能性も
PMSの中でも特に症状が重く、日常生活に大きな影響を与える場合は、「PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder/月経前不快気分障害)」の可能性があります。
PMDDは、PMSと同じく生理前に起こる症状ですが、特に精神的な不調が強く、不安感や抑うつ、怒りっぽさなどが顕著になります。仕事や人間関係に支障をきたすほどの影響が出ることもあります。
PMDDと診断された場合、抗うつ剤やホルモン療法などの治療が検討されます。放置すると症状が悪化する可能性もあるため、PMSの症状が特に強くつらいと感じる場合は、一度専門医に相談してみることをおすすめします。
もっと知りたい「PMS」について
PMSが起こる時期やメカニズム
PMSが起こる時期
PMSの症状は主に生理前の1〜2週間に現れます。生理開始の数日前から徐々に症状が出始め、月経が始まるとともに軽減または消失します。
この時期は、ホルモンバランスが大きく変動するため、身体と心の調整が求められる重要な期間ともいえます。
PMSが起こるメカニズム
PMSは、主にエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの急激な変動が原因とされています。これにより、神経伝達物質や血流、体内の水分バランスが乱れ、頭痛、むくみ、イライラといった症状が出ると考えられます。
また、ストレスや生活習慣の乱れも、ホルモンバランスに影響を与える要因として関与しており、PMSの悪化に繋がります。
PMSは防げる?
PMSは、女性の体内で自然に起こるホルモン変動が原因で発生するため、完全に防ぐことは難しいとされています。しかし、日々の生活習慣の見直しにより、発症の頻度や重症度を抑えることは可能です。
具体的には、規則正しい生活リズム、ストレス管理、栄養バランスの良い食事、そして適度な運動がPMS予防の基盤となります。こうした基本的な健康管理を継続することで、PMSの影響を最小限に留めることができるでしょう。

PMSの治療法
PMSの治療法は症状の重さによって異なります。軽い場合は生活習慣の改善や市販のサプリメント、漢方薬で対処します。
重い場合は、抗うつ薬やホルモン療法、カウンセリングなど、医療機関での治療が必要になることもあります。いずれの場合も、早期に医師と相談することが大切です。
PMSの症状の例
頭痛
PMSによる頭痛は、ホルモンの変動や血流の乱れが原因です。生理前に頭痛を感じる女性は多く、日常生活のパフォーマンスにも影響を与えます。適度な休息や鎮痛剤の使用で、症状の緩和が期待できます。
精神的な落ち込み
PMSの影響で、イライラや憂鬱、気分の落ち込みが起こることがあります。それはホルモンバランスの乱れから、神経伝達物質に影響を及ぼし、感情が不安定になりやすいため。
自分に合ったリラクゼーション法を見つけ、場合によってはカウンセリングを取り入れ、対処しましょう。
むくみ
PMSに伴うむくみは、体内の水分バランスの変動が原因です。生理前は、ホルモンや塩分の影響で体が水分を溜めやすくなり、顔や手足、特に腹部にむくみが現れます。軽い運動や適切な水分管理、バランスの良い食事で、むくみの軽減が期待されます。

乳房の張り
PMSによる乳房の張りは、ホルモンの急激な変動により乳腺が一時的に膨らむことで起こります。乳房が重く敏感になり、不快感を伴う場合があります。
気になる場合は、温めたり、適切なサイズのブラジャーを使用することで、症状の軽減や快適な状態を保つことができます。
過食
PMSの時期に食欲が増し、特に甘いものや脂っこいものを無性に食べたくなることがあります。これは、ホルモンバランスの変動による血糖値の変化や、ストレスの影響でセロトニン(幸福ホルモン)の分泌が減少することが原因と考えられています。
過食が続くと体重増加や肌荒れの原因になるだけでなく、罪悪感によって気分の浮き沈みが悪化することも。血糖値を急激に上げにくい食材(ナッツやヨーグルト、ダークチョコレートなど)を選び、こまめな食事を意識することで、過食を防ぐのに役立ちます。
PMSの症状が重くなる可能性がある要因
(1)睡眠不足
十分な睡眠が取れていないと、ホルモンバランスが乱れ、PMSの症状が強く現れる傾向があります。質の高い睡眠を確保することで、体の回復力が高まり、PMS症状の軽減につながります。

(2)ストレスが多い生活
過度なストレスは、ホルモンバランスに悪影響を与え、PMSの症状を悪化させます。仕事や人間関係など、ストレスの原因を把握し、適切に解消する方法を見つけることが重要です。
(3)栄養に偏りがある
栄養バランスの乱れは、体のホルモン生成に影響を与え、PMSの症状を引き起こす可能性があります。
特に、ビタミンB群やマグネシウム、亜鉛など、ホルモン調整に関わる栄養素を意識して摂取することが大切です。
(4)運動不足
適度な運動は血行を促進し、ホルモンバランスの安定に寄与します。運動不足が続くと、体内の老廃物が溜まり、PMSの症状が悪化することがあるため、日々の軽い運動習慣が望ましいです。
より快適な生理期間のためのアイテム
(1)デリケートゾーン石鹸
生理中はデリケートゾーンがムレやすく、ニオイが気になることも。専用の石鹸を使うことで、余分な汚れや古い角質を洗い流し、不快感を軽減できます。
特に、ジャムウ成分配合の石鹸は、肌トラブルを防ぎながら清潔な状態をキープできるためおすすめです。

(2)月経カップ
月経カップは、腟内に挿入して経血を受け止めるアイテム。ナプキンやタンポンに比べて長時間使えるうえ、しっかりフィットすれば漏れにくいのが特徴です。さらに、繰り返し使えるためコスパが良く、環境にも優しい選択肢。最初は慣れが必要ですが、使いこなせれば外出時のストレスも軽減できます。

(3)温感パッド
温感パッドやホットパックは、腹部の血行を促進し、生理痛を和らげる効果があります。温かい刺激が筋肉をほぐし、PMS時の不快な症状を軽減。就寝前やリラックスタイムに取り入れると効果的です。
(4)フェムケアサプリメント
ホルモンバランスを整えるサプリメントは、PMSの症状を予防・緩和するのに役立ちます。ビタミンB群、マグネシウム、亜鉛など、女性の健康を支える栄養素がバランス良く配合された製品を選びましょう。

自分に合った方法を見つけましょう
PMSは、ホルモンバランスの変化や生活習慣の影響によって起こる症状で、身体的・精神的な不調を感じることがあります。症状を和らげるためには、規則正しい生活やストレス管理、栄養バランスの取れた食事、適度な運動が大切です。
また、デリケートゾーンのケア用品や月経カップ、温感パッド、サプリメントなどを活用することで、生理期間をより快適に過ごせるようになります。
自分に合った方法を見つけて、PMSとうまく付き合っていきましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。