妊娠線の予防法!妊娠しなくてもできるって本当?

藤東クリニックお悩み相談室~妊娠線の予防について~

 
質問者

現在妊娠3か月です。妊娠すると妊娠線ができるけれど、予防することができるとも聞きました。どうすれば妊娠線を予防できるでしょうか?また妊娠していなくても妊娠線ができる人がいると聞きましたが、それはどういうことでしょうか?

 
藤東先生
今回は妊娠線の予防について解説しましょう!

妊娠線とは

妊娠線は、妊娠中に皮膚が急激に伸びることで皮膚の真皮が損傷し、できる線状の痕のことです。皮膚の伸縮によって真皮層のコラーゲン繊維が裂けると修復が難しく、初めは赤紫色、後に白っぽい線が残ります。特にお腹や胸、太ももなど脂肪がつきやすい部分に多く見られます。

妊娠線とは

皮膚の柔軟性や体質により妊娠線ができにくい人もいます。皮膚の弾力が保たれていると真皮層が損傷しにくく、妊娠線ができにくいと言われています。

一方、加齢や乾燥により皮膚の弾力が低下しているとできやすくなるため、予防ケアが推奨されます。

妊娠してなくても妊娠線ができる?

妊娠をしていなくても妊娠線に似たような痕が体にできることがあります。これを「肉割れ線(ストレッチマーク)」と呼びます。

妊娠線と肉割れは、原因は異なるもののメカニズムが非常に似ています。妊娠線は妊娠に伴う急激な体型変化で皮膚の真皮層が損傷してできる線状の痕であり、特にお腹や胸に現れやすいです。一方、肉割れは妊娠に限らず、急な体重増加や筋肉量の変動、思春期の成長などで発生します。どちらも皮膚の急激な伸びに対して真皮が追いつかないために発生し、赤紫色や白っぽい線となって残る点で共通しています。

妊娠線同様、肉割れについても皮膚の弾力を高め、柔らかく保つ予防ケアで線が目立たないようにできます。毎日のお風呂上りにボディークリームで全身を保湿する習慣をつけると、気がついたら跡ができていたということを防ぎやすくなります。

妊娠線は予防できる?

妊娠線ができる主な原因は、皮膚を引っ張る力が皮膚の弾力を上回ってしまうことによるものです。そのため、皮膚の保湿と柔軟性の向上させることで、妊娠線や肉割れを予防することができます。 皮膚の弾力性を向上させるには、以下のような方法があります。

  • 保湿剤の使用
    ビタミンE、コラーゲン、ヒアルロン酸などが含まれた保湿クリームやオイルを使用します。これにより、皮膚の水分を保持し、弾力性を高めることができます。
  • マッサージ
    保湿剤を使って、優しくマッサージを行うことで血行を促進し、皮膚の柔軟性を向上させます。
  • バランスの良い食事
    ビタミンやミネラルを豊富に含む食事を摂ることで、皮膚の健康をサポートします。特に、オメガ-3脂肪酸やビタミンCが良い影響を与えます。
  • 適度な運動
    軽い運動を行うことで血行を良くし、皮膚の弾力を保つことができます。特にストレッチやウォーキングがおすすめです。
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もっと知りたい「妊娠線」について

妊娠線ができる場所とケア方法

お腹周り

妊娠が進むとお腹が大きくなり、特に下腹部に妊娠線ができやすいです。特に下腹部は特に伸展が大きいので、妊娠線が現れやすいため、保湿を十分に行い、柔軟性を保つケアが重要です。一方で、お腹が大きくなるにつれてカーブしたお腹の下側は妊婦からは見えにくくなり、気づいたら妊娠線ができてしまっているという人も多いようです。

お腹の下部分やサイドを中心に毎日保湿クリームを丁寧に塗り、円を描くようにマッサージしましょう。特に伸びる部分には、ヒアルロン酸やコラーゲンを含む保湿アイテムが効果的です。

コラーゲン、ヒアルロン酸など美容成分が含まれた妊娠線クリームの例。画像は「ママリーフ ボディクリーム(ラブコスメ)」

胸部

妊娠線は、妊娠中の体重増加とともにお腹以外の部位にできることもあります。

胸も妊娠に伴い大きくなるため、皮膚に負荷がかかり妊娠線が現れることがあります。デリケートな部位なので、優しく保湿をすることが大切です。デリケートな部分用の低刺激クリームを優しく塗ることが推奨されます。毎日のケアが皮膚の弾力を保ち、妊娠線予防に役立ちます。

太もも・お尻

体重の増加により脂肪がつきやすくなるため、太ももやお尻の皮膚も引っ張られて妊娠線ができることがあります。ヒップラインから太ももにかけて、特に横に伸びるような線ができることが一般的です。これらを予防吸うためにも、ケアも忘れずに行いましょう。

また、ヒップラインや太ももの内側は皮膚の摩擦も受けやすいので、摩擦を軽減するアイテムを活用するのも、妊娠線予防に有効です。摩擦を減らすシルク生地のボディウェアを取り入れたり、マッサージオイルを使ったケアで柔らかさを保ちましょう。

その他の部位

腰や背中も変化しやすい箇所なので、妊娠線ができる場合があります。腰周りは見えにくい部分ですが、入浴後などの全身ケアでしっかり保湿を行うと良いでしょう。

妊娠中はお腹だけでなく、全身にわたって皮膚をしっかり保湿し、皮膚の柔軟性を保つことが全体的な妊娠線予防に効果的です。

妊娠線ケアはいつ頃始めればいい?でき始める時期とは

妊娠初期から、特にお腹が目立ち始める妊娠4〜5か月ごろから始めると効果的です。朝と夜の1日2回、専用クリームやオイルを塗ることが理想です。皮膚に潤いを保てるよう心がけましょう。

妊娠線予防アイテムの選び方と注意点

避けたほうがいい成分

パラベン、フタル酸エステル、強い香料など、刺激の強い成分は避けるのが無難です。妊娠中は敏感肌になるため、できるだけ低刺激のものを選ぶようにしてください。

特にフタル酸エステルは、ホルモンへの影響が懸念されるため要注意です。

クリームとオイルの違い

クリームは保湿力が高く、オイルは肌に浸透しやすい性質を持っています。肌質や季節、好みに合わせて選ぶといいでしょう。

妊娠中のお手入れとして選ぶ際は、塗りやすさを重視して選ぶのがおすすめです。クリームなら肌に伸ばしやすいものが多いため、妊娠中も日々使いやすいという特徴があります。

塗るときの注意

妊娠線予防には、肌に負担をかけないよう優しく塗るのが大切です。特にお腹や胸周りは強く擦ると肌に刺激が加わるので、円を描くようにやさしく塗布しましょう。

できてしまった妊娠線の消し方

方法(1)レーザー治療(フラクショナルレーザー)

レーザーによる治療で妊娠線を薄くすることができます。フラクショナルレーザーは、肌の奥に微細な穴をあけ、再生力を促して妊娠線を薄くする治療方法です。施術後のダウンタイムは必要ですが、徐々に妊娠線が目立たなくなります。

方法(2)マイクロニードリング

肌の再生力を活用するマイクロニードリングは、微小な針で肌に刺激を与えコラーゲン生成を促し、妊娠線の目立ちを軽減する方法です。複数回の施術で効果を感じることが多く、肌のハリも改善されることがあります。

方法(3)クリームや美容液でのセルフケア

ビタミンCやレチノールなどの成分が配合された美容クリームや美容液を使うことで、自宅で妊娠線のケアが可能です。

ただし、セルフケアの場合は、前述したレーザー治療やマイクロニードリングに比べ、効果を得られるまで時間がかかる場合や、そもそも効果感がわかりづらい場合があります。

お腹以外にも!妊娠中のおすすめボディケア

(1)フットケア

妊娠中は足のむくみも発生しやすいので、優しくマッサージし、フットバスを取り入れると良いでしょう。

温かいお湯にエプソムソルトやアロマオイルを数滴加えると、血行促進とリラックス効果が高まります。マッサージ時はふくらはぎから足首にかけて圧をかけて流し、心地よい圧で優しくほぐしましょう。

(2)ハンドケア

妊娠中はホルモン変化で肌が乾燥しやすいです。お腹周りの肌だけでなく、手指が乾燥しやすくなるので、手洗い後や水仕事後にはハンドクリームをこまめに使用してください。

さらに保湿効果を高めたい場合、クリームを塗った後に手袋をはめて寝ると、しっとりとした肌に仕上がります。

(3)ヘアケア

妊娠中はホルモンの影響で髪が乾燥やダメージを受けやすくなるため、保湿シャンプーやアウトバストリートメントで潤いを与えましょう。また週に1回、オイルマッサージを取り入れると、頭皮が柔らかくなり、リラックス効果も得られます。頭皮マッサージは指の腹を使い、頭全体を心地よく押すように行いましょう。

妊娠中は香りに敏感になるため、ヘアケア用品を選ぶ際は無香料のものを選ぶのもいいでしょう。

香りに敏感なマタニティの時期でも使いやすい、無香料のヘアオイルの例。画像は「ナデテ プレーン(ラブコスメ)」

(4)腰のマッサージ

妊娠後期は腰が疲れやすくなるので、マッサージクリームを使用して腰の筋肉をほぐすケアが効果的です。

また、出産後も赤ちゃんを抱きかかえることが多くなり、腰に負担がかかりやすくなるため、妊娠中から腰のメンテナンスを行うとよいでしょう。

腰の疲れを軽減するには、温めたタオルやマッサージクリームを使って、優しくほぐすようにマッサージします。自分では難しい場合、パートナーに頼んでマッサージしてもらうのも効果的です。

しっかり保湿して予防しましょう

妊娠線は、皮膚の急激な変化で生じる自然な現象ですが、早めにケアを開始することで予防や軽減が可能です。

一度妊娠線ができてしまうとセルフケアでの改善が難しいため、妊娠初期からお腹が目立ち始める妊娠4〜5か月ごろから、専用のクリームなどで皮膚に潤いを保つことを心がけましょう。

またお腹だけでなく、一般に脂肪がつきやすい部位にも妊娠線ができやすいため、全身の保湿を行うようことをおすすめします。

※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

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