前戯の目的は?やることや正しいやり方と注意点

藤東クリニックお悩み相談~前戯について~

 
相談者
前戯って何をしたらいいのでしょうか。どういうことをすればいいのか、どうなったら終わって次に進んでいいのかがわかりません。
 
藤東先生
今回は前戯について解説しましょう!

前戯とは

性行為を段階分けしたとき、一番最初の挿入前の愛撫のことを「前戯」と呼びます。性行為は前戯のほか、主に挿入の「本番」、オーガズム後の「後戯」の3段階に分かれます。

前戯(愛撫)->本番(挿入)->後戯(ピロートークなど)

しかし単純に性行為の挿入以外の前部分というよりも、「性行為のための互いの身体の準備時間」という役割を持っていて、性行為の満足度を考えるうえでとても重要な時間でもあります。

前戯は何をすればいい?

前戯で行う行為は主にキスや体への愛撫、口での愛撫になります。

前戯の目的、ゴールとは

男性の前戯の目的は勃起です。勃起しないと本番である挿入に移行することができません。そのため男性の前戯のゴールは「男性器の勃起」になります。

しかし男性の前戯のゴールさえ満たすことができれば本番(挿入)に進んでいいかというとそうではありません。女性側の前戯にも大切なゴールがあります。それは「男性器を受け入れる体の状態に整える」ということです。具体的には「女性器が十分に潤った状態になり、男性器のサイズのものを挿入しても痛みを感じないように腟を柔らかくほぐれた状態にする」ことになります。

この準備がしっかりできていないと、うまく挿入できなかったり、女性器に裂傷ができたり、痛みを感じます。女性が性行為で痛みを感じるのは処女膜が破れるときだけというのは間違った知識です。潤いやほぐしが足りない状態で男性器を挿入すると、多くの女性は痛みを感じます。

一度性行為で痛みを感じると次回以降の性行為で緊張して潤いにくくなってしまうというデメリットもあります。女性が痛みを感じることが無いよう、しっかりと前戯で準備することはとても大切です。

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もっと知りたい!前戯について

男性への前戯のやり方と種類

(1)マッサージ

男性への前戯では、男性の性感帯を刺激し男性器の勃起を促します。

~一般的な男性への前戯のマッサージ~
  • 男性器を服の上から撫でる
  • 男性器を直接握ってしごく
  • 睾丸部分を指で撫でる
  • 男性の鼠径部に指を這わせる
  • 男性の乳首を指の腹で刺激する

この時ローションを使用してマッサージすると、さらにプラスの快感を与えることができます。もしマッサージだけでは勃起に至らないなどがあるときは、ローションを取り入れてみるといいでしょう。

マッサージの箇所はあくまで一般的な性感帯で、気持ちよく感じる場所には個人差があります。彼とコミュニケーションをとりながら、気持ちよく感じる場所を愛撫しましょう。

(2)口や舌での愛撫

最も一般的な男性への口での愛撫は「フェラチオ」です。男性器を舐めたり口に含んだりして刺激します。

~一般的なフェラチオのやり方~
  • 「竿」と呼ばれる陰茎部分を下から上に向かって舐めるる
  • 裏筋を舌先でくすぐるように舐める
  • 亀頭を口で含んで顔を上下にしてしごくようにして刺激する
  • 亀頭を口に含んだまま亀頭や鈴口を舌で舐めたり吸う
  • 陰嚢や睾丸の間を舌先で舐める
  • 睾丸を口に含んで転がす

このフェラチオは、手でのマッサージと同時に行うとさらに効果的です。その他にも口を使った愛撫では、男性の耳や首筋にキスをしたり舐める、乳首を舐めるなどがあります。

フェラチオは、男性を前戯のゴールでもある勃起に導くのに非常に効果的な方法です。

女性への前戯のやり方と種類

(1)マッサージ

女性の前戯のマッサージには、「腟が潤うこと」「腟がほぐれること」の2つの目的があります。

~腟の潤いのための女性へのマッサージ~
  • バストを揉む
  • 乳首を指で優しく挟んだり指の腹で撫でてマッサージする
  • 陰核をショーツの上から触る
  • 陰核を直接マッサージする

バストや陰部への刺激は、ラブグッズのローターを使用する方法もあります。指よりも強く効率的な刺激で、女性の潤いを促すことができます。

女性の潤いを促すために使えるラブグッズの例。画像は「さくらの恋猫(ラブコスメ)
~腟をほぐすためのマッサージ~
  • 腟口を指でなぞる
  • 指を腟の中にいれる
  • 指を出し入れする

男性器の亀頭の直径は平均3.5cmほど。一方で腟の入り口の通常のサイズは1cmほどです。伸縮性のある場所とはいえ、いきなり3.5cmものサイズのものを挿入されたら負担がかかります。潤いが足りなかったり、乱暴な挿入の仕方であれば腟の入り口が裂けてしまうこともあります。それを防ぐためにも、腟に男性器を挿入する前にはしっかり指を挿入してほぐしましょう。

こちらに関しても、ラブグッズのバイブレーターで腟内をほぐすこともできます。しかしその場合はしっかりと潤った状態にしてからグッズを使用し、コンドームを被せて衛生面にも注意しましょう。

腟のマッサージに使用できるバイブレーターの例。画像は「マリンビーンズ(ラブコスメ)」
ラブグッズが衛生的に使うためのコンドームの例。画像は「グッドバリューコンドーム(グッズ用)(ラブコスメ)」

(2)口や舌での愛撫

前戯はキスから始まり、男性が女性の首筋や胸元に口づけながら服を脱がせてバストを口で愛撫する、という流れはオーソドックスな流れの一つです。

~一般的な女性への口や舌での愛撫~
  • 耳にキスをする
  • 首筋、うなじやせなかにキスをする
  • 指を出し入れする
  • 手にキスをする、指を舐める
  • 乳首を口に含んで舐めたり吸う
  • 陰核を舐めたり吸う
  • 腟口を舐める
  • 舌を腟内に差し込む

女性器を舌や口で愛撫することを「クンニ」と呼びます。クンニの時は「陰核を舌で舐めながら指を腟内に挿する」「指で陰核をマッサージしながら腟内に舌を入れる」、など同時の刺激を行うと、より女性の興奮を刺激することができます。

前戯の注意点

(1)強くしすぎない

前戯での愛撫は、自分の身体ではないため、気持ちよく感じるちょうどいい力加減が難しいものです。うっかり強く触りすぎてしまい、痛みを与えてしまうこともあります。性感帯は基本的に敏感で繊細な部位なので、最初は優しく丁寧に刺激を与え、相手の様子を見ながら徐々に刺激を強くしていくといいでしょう。

また特に男性が女性の腟に指を入れて刺激する「手マン」は、男性が爪を立てて女性の腟粘膜を傷つけてしまい出血するということもあります。必ず爪は短く切り、刺激は指の腹で行い、相手の身体を傷つけないように注意しましょう。

指用コンドームと呼ばれるフィンガーグローブを使えば、より衛生的に前戯を楽しめます。

衛生的に前戯が行えるフィンガーグローブの例。画像は「フィンドム」

(2)前戯で妊娠することもある

「挿入」を伴わない前戯では妊娠しないと思い込んでいるケースがあります。しかし挿入をしなくても、精子を含んだ体液が女性の腟に付着すると妊娠する可能性があります。その代表的な例が「素股」です。

「素股」は女性器で男性器を直接愛撫する前戯の一つです。しかし、精子を含んだ男性の体液が女性器に付着するリスクが非常に高い行為でもあります。妊娠を望まないカップルが素股をする際は、必ずコンドームを着用してから行う必要があります。

妊娠や性感染症を予防できるコンドームの例。画像は「ラブミルフィーユ モイストタイム(ラブコスメ)」

(3)前戯で性感染症に感染することもある

挿入の際にコンドームを着用していれば性感染症を防げると思っている方も多いようです。しかし、実はコンドームを着けずにオーラルセックスをすることで性感染症に感染する可能性があります。本番の挿入だけでなく、前戯のオーラルセックスでもコンドームを使用するようにしましょう。

腟に指を入れる際は、中で指を動かす際に爪を立てるような動きを避け、指の腹で優しく刺激しましょう。この時指用コンドームと呼ばれるフィンガーグローブを使用すると、より衛生的にマスターベーションが行えます。

前戯におすすめのアイテム

(1)食べられるローション

性行為のために愛撫で男性を勃起させたいと思いつつも、男性器の味や臭いが苦手でオーラルセックスができないという女性もいます。その時は「食べられるローション」を使うと、男性器特有の味や臭いをカバーしてくれて抵抗感少なくオーラルできる場合があります。

また、オーラルセックスの時だけでなく、愛撫の時に使用すれば、トロトロとした感触でそのまま触られるのとは違う「独特の快感」を得ることができます。

オーラルセックスで使える食品素材で作られたローションの例。画像は「ラブシロップ メープル&ナッツ(ラブコスメ)」

(2)潤滑ジェル

前戯は女性の腟を潤った状態にする目的があります。しかしどんなに丹念に前戯で愛撫をしても、女性の心理状態によってはうまく潤わないこともあります。その場合は、アイテムの力を借りて腟に潤いをプラスするのも一つの方法です。

女性の潤いが足りないときは、硬めのテクスチャで垂れにくい潤滑ジェルがおすすめです。女性器や男性器に塗布することで潤いと滑りを与え、挿入の負担を軽減することができます。

潤滑ジェル「ラブスライド」
女性の腟に潤いをプラスすることができる潤滑ジェルの例。画像は「ラブスライド(ラブコスメ)」

前戯は性行為のための準備なので丁寧に!

前戯の目的は性行為の準備です。おろそかにしてしまうと、痛みや負傷につながります。しっかりと「体の潤い」と「腟をほぐす」ことを目的として意識して、十分に前戯を行ってから挿入の段階へ進みましょう。

前戯での触れる強さは相手のことを第一に考え、最初はソフトタッチから始めましょう。また、前戯でうまく潤いが得られないときは、そのまま強引に次に進むのではなくしっかりアイテムの力を借りるようにしましょう。

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