藤東クリニックお悩み相談室~大きい乳輪について~
日本人の乳輪の平均サイズは?
乳輪とは、乳首の周りを囲う、皮膚の色が違う部分のこと。温泉などで他の人の乳房を見て、乳輪の大きさには個人差があると感じたことがあるかもしれません。
日本人の乳輪の平均サイズは、直径3.5~4センチ程度と言われています。5センチ以上になると、平均よりも少々大きいと言えます。
乳輪が大きい原因は?病気なの?
乳輪が大きくなる主な原因は、下着による摩擦の刺激や遺伝、ホルモンバランスによるものなどが考えられます。乳輪が大きいこと自体は、健康上に何も問題はありません。
ただし、稀に乳首の近くに乳がんができた場合、乳輪が大きくなることがあります。しこりや授乳中でないのに乳汁が出るなどといった症状があれば、すぐに乳腺科などの病院を受診しましょう。
小さい乳輪にする方法はある?
大きい乳輪を小さくするために、美容外科などの美容クリニックで乳輪縮小術という手術を受けることができます。
また、乳輪の色はレーザー治療や美白効果のある塗り薬を塗って、薄くすることができます。
もっと知りたい「大きい乳輪」について
乳輪が大きい原因とは
原因(1)遺伝
乳輪が大きい原因の1つは、遺伝によるものです。乳輪に限らず、身体的な特徴は遺伝することが多いので、もし、母親から子どもにバストサイズや色が遺伝しているようなら、同じように乳輪も大きくなりやすいと考えられます。
また、遺伝の場合、第二次性徴の頃から体が女性らしくなっていく過程で、乳輪も大きくなる傾向があります。
原因(2)乾燥や摩擦
乾燥も乳輪の大きさに影響を及ぼします。肌が乾燥している状態が続くと肌のバリア機能が低下します。乾燥肌に下着や衣類の摩擦が加わり、色素沈着を起こします。乳輪が大きく見えるのは、色素沈着によるものと考えられます。乳輪や乳首は、常に下着や衣服の摩擦の影響を受ける部位なので注意が必要です。
また、乾燥すると、かゆみや炎症を起こしやすく、掻いてしまうとそれも刺激となり、より黒ずみや色素沈着のリスクが高まります。
原因(3)ホルモンバランスの変化
大きい乳輪の原因には、ホルモンバランスの変化による場合も挙げられます。妊娠によって女性ホルモンの分泌が増えると、授乳に向けて乳腺組織が発達し、胸が大きくなるため、乳輪も大きくなります。この変化は、赤ちゃんがおっぱいを吸いやすくするために起こるとも考えられています。
妊娠や出産のタイミングで乳輪のサイズが大きくなるのは一過性と考えられますが、授乳で赤ちゃんがおっぱいを吸うことによる刺激で乳輪が大きくなったままの女性もいます。
原因(4)体重やバストサイズの増減
胸は90%以上が脂肪でできています。そのため体重が増えたことでバストサイズも大きくなる傾向があります。胸自体が大きくなれば、皮膚が伸びることで乳輪も大きくなりやすいです。
ただ、ダイエットをして体重を落としても、一度伸びて大きくなった乳輪を小さくするのは難しいです。胸が小さくなっても、乳輪はそのままなので、より乳輪が大きく見える可能性はあります。
原因(5)乳首周りのがんや乳がん
乳首の近くにがんができると、乳輪が大きくなることがあります。乳輪のサイズが変わると同時に、しこりや湿疹、ただれ、乳首から血がにじんだ乳汁が出るなどの症状が起こったときは、すぐに病院で検査を受けましょう。
乳がんは稀なケースではありますが、20代後半からかかる人が増え、30代後半から急増し、40~50代で発症年齢はピークを迎えます。「まだ若いから」と油断せず、少しでも違和感があれば病院を受診しましょう。
大きい乳輪を小さくするにする方法
(1)塗り薬による治療
乳輪の色が濃いと、一般的な大きさはでも目立ってしまい、大きく見えることがあります。気になるときは、皮膚科などで処方される塗り薬で治療するという方法もあります。
ビタミン誘導体のレチノイン酸と、美白効果のあるハイドロキノンの2種類の塗り薬を併用して使用することで、色を薄くすることができます。
(2)レーザー治療
保険適用外ですが、確実に乳輪の色を薄くしたいときは、レーザー治療という選択肢もあります。色を薄くしたい乳輪部分にレーザーを当て、メラニン色素を取り除きます。
なお、ダウンタイムが数週間あり、副作用や入浴の禁止、自宅での継続的な塗り薬のケアなど注意点もあるので、治療をする際は理解しておきましょう。
(3)乳輪縮小手術
こちらも保険適用外の治療になりますが、乳輪の大きさや乳房と乳輪のサイズバランスを整えたいという方は、美容形成手術という治療もあります。乳輪縮小手術は皮膚表面を切除するため、術後に再度大きくならないのが利点です。
ただし、術後将来的に妊娠出産を希望し、授乳をしたい場合は、手術で影響が出ないか事前に主治医と確認するようにしましょう。
大きい乳輪のケア方法
ケア方法(1)乳輪を丁寧に洗う
乳輪の大きさについては、自宅でケアすることもできます。まず、乳輪への刺激が色の濃さに影響及ぼすので、普段のバスタイムでの洗い方を見直しましょう。
また、乳輪周りはデリケートな部位なので、低刺激な石鹸を選ぶようにしましょう。しっかり泡立て、撫でるように優しく洗ってください。
なお、低刺激性で黒ずみの元を洗い流してくれる石鹸を使うと、肌に優しく乳輪周りのお悩みもケアできておすすめです。
ケア方法(2)乳輪周りを保湿する
大きい乳輪は、肌の乾燥による色素沈着も原因の1つです。かゆみによる刺激も色素沈着を誘発するので、常に保湿を心掛けましょう。
特に乾燥肌の方は、肌のバリア機能が低く、ブラジャーや衣服のこすれで傷が付く可能性があります。お風呂上りに手足などの保湿と合わせて、バストにも保湿ジェルやクリームをつけてあげると良いでしょう。
ケア方法(3)生活習慣を整える
肌の細胞は約28日周期で生まれ変わります。これをターンオーバーと言いますが、この過程でメラニンも古い角質と共に剥がれ落ちていきます。成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、睡眠不足が続くと肌の再生サイクルが乱れてしまいます。
ターンオーバーの乱れが起こると古い細胞が排出されないため、メラニンも排出できなくなります。乳輪を含む体の皮膚の色素沈着が起こってしまうので、まずは正常にターンオーバーが行われるよう、生活習慣を整える必要があります。
日ごろから規則正しい生活を送り、バランスの良い食事、質の良い睡眠を心掛けましょう。
ケア方法(4)ブラジャーのサイズを見直す
乳輪の大きさは摩擦によって広がってしまうことがあります。ブラジャーが小さいと、カップの中に乳房が押し込められ、常に強い摩擦が起こります。逆に大きくても、カップとバストの間に隙間ができ、動くたびに擦れてしまいます。
自分のバストサイズにぴったり合ったブラジャーを選ぶようにしましょう。
大きい乳輪になる原因を知り、改善と予防しよう
乳輪が大きくなる原因には、遺伝などの先天的な要因と、摩擦や乾燥、肥満、妊娠などの後天的な要因があります。日ごろからできるケアとして、乳輪を丁寧に洗ったり、保湿をしたりして、色素沈着を防いで乳輪の大きさを目立たないようにしましょう。
どうしても気になる時は、形成外科などで塗り薬やレーザー、手術による治療も検討すると良いでしょう。
また、急に乳輪が肥大する、しこりや痛みなどの違和感があった時は、がんなどの重篤な病気も考えられるので、乳腺科などで検査を受けると安心です。
乳輪の大きさは個人差があります。神経質になる必要はないですが、悩んでいるならまずは病院にご相談ください。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。