藤東クリニックお悩み相談室~胸が小さい悩みについて~
胸が小さいのが気になる…。胸が小さい原因は?
胸は、母乳である乳汁を作る乳腺と脂肪、そして胸を支える組織(筋肉)で構成されています。乳腺は女性ホルモンの影響で増え、増えた乳腺により胸が大きくなります。つまり、女性ホルモンの分泌量が少ないことが、胸が小さくなる要因の1つです。
また、睡眠不足や暴飲暴食といった生活習慣の乱れは、体に大きな負荷をかけ、女性ホルモンの分泌量の低下に繋がります。不健康な生活習慣が、小さい胸の原因になる可能性もあるのです。
胸が小さいのは病気なの?大きくする方法はある?
胸の大きさには個人差があり、胸が小さいことは病気ではありません。しかし、胸が大きい方が女性としての魅力があると思い、胸が小さいことをコンプレックスに感じる女性もいるようです。胸の大きさは、その人の魅力を計る要素ではありませんので、1つの個性として捉えると良いのかもしれません。
胸が小さい悩みのケア方法としては、バストマッサージや、食生活などの生活習慣の見直しなどが挙げられます。どうしても短時間でバストアップしたい場合は、美容外科で豊胸の手術を受ける方法もあります。
もっと知りたい「胸が小さい悩み」について
胸が小さい原因とは
原因(1)女性ホルモンの分泌量が少ない
女性の体に大きな影響を与える女性ホルモンは、胸の発育にとっても重要な存在です。思春期に胸が大きくなるのも、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が活発になるからです。
女性ホルモンの分泌量が増えると、胸は大きくなります。逆に、加齢や生活習慣の乱れなどにより女性ホルモンが減少すると、胸が小さくなります。
また、日頃から生理不順などがある場合は、ホルモンバランスが乱れている可能性があります。バストアップを目指すためにも、まずは生活習慣の改善を図り、生理周期を改善する必要があります。
原因(2)姿勢が悪い
猫背のような悪い姿勢でいることも、胸を小さく見せてしまう要因の1つです。猫背で過ごすと、胸を支える大胸筋が衰えるだけでなく、胸が下向きになってしまうため、乳房の形も崩れやすくなります。小さい胸にお悩みの方は、正しい姿勢を保つことを特に意識しましょう。
原因(3)ブラジャーのサイズが合っていない
合わないサイズのブラジャーを着けていると、胸がきちんと固定されず、胸を支えている筋肉や靱帯(クーパー靱帯)が傷付きます。すると、胸の形が崩れたり、垂れて下向きになったりし、実際のバストサイズより胸が小さく見える可能性があります。自身のバストサイズに合ったブラジャーを、正しく選ぶことが大切です。
最近では、カップ付きインナーを選ぶ方も増えています。しかし、通常のブラジャーと比べると補正機能が低く、胸が脇や背中に流れやすい点に注意が必要です。フィットするサイズを選ぶだけでなく、常用せず休息時にのみ着用するなど、上手く使い分けると良いでしょう。
原因(4)無理なダイエット
過度な食事制限による無理なダイエットは、胸のサイズにも影響します。胸に必要な栄養素が不足するだけでなく、脂肪が減ることで胸の柔らかさや膨らみがなくなってしまうためです。
成長期の過激なダイエットは、体全体に悪い影響を及ぼす可能性が特に高いです。しっかりと栄養を摂りながら、適切な運動量に調整するなど、健康的に痩せる方法を選びましょう。
無理なダイエットは、ホルモンバランスの乱れにも繋がります。バランスの良い食事と共に、バストの筋肉を鍛えるトレーニングを取り入れることが、良好な健康状態とバストアップに繋がります。
原因(5)血行不良
小さい胸になる原因には、血行不良も挙げられます。血液には、ホルモンや栄養を全身に届ける役割があります。しかし、血行が悪いとこれらが十分に行き届かなくなるため、胸の大きさに影響が出ます。
まずは、血行不良の元となる、体の冷えを引き起こす習慣を見直しましょう。冷たい飲み物を飲んだり、きつい下着や衣類を着たりといった行為は、冷えを助長します。下着や衣類を見直したり、入浴などの温活を取り入れたりなど、冷えや血行の改善を意識してください。
また、運動不足も血行不良に繋がります。筋肉を動かすことで血の巡りが促進できますので、ストレッチなどの軽い運動を習慣化すると良いでしょう。
原因(6)食生活の乱れ
胸の大きさに最も影響がある可能性があるのが、偏った食生活です。「バランスの悪い食生活が胸を小さくする」と言っても過言ではありません。好き嫌いなどの偏食や極端な小食により、必要な栄養が不足していると、胸の大きさに影響する女性ホルモンの分泌が少なくなってしまうためです。
一方で、食べ過ぎには注意したい食品もあります。キャベツやブロッコリーなどに含まれる「インドール」という化合物は、女性ホルモンの働きを抑制する作用があります。コーヒーやお茶に含まれるカフェインも、摂り過ぎるとホルモンバランスの乱れに繋がります。バストアップを目指すのであれば、摂り過ぎに気を付けてください。
原因(7)睡眠の質の低下
十分な睡眠も、胸の成長に必要な要素です。睡眠リズムが乱れると、ホルモン分泌が正常に行われなくなり、胸の成長に悪影響が出ます。
バストアップに最も適した睡眠の時間帯は、成長ホルモンの分泌が活発になる夜10時~深夜2時です。さらに、質の高い睡眠は、ホルモンバランスを乱す原因の1つであるストレスの解消にも繋がります。
睡眠の質を高めるために、眠る1時間前にはスマホやテレビなどの光を遮断する、ノンカフェインのハーブティーなどで体を温める、間接照明の中でゆっくり過ごすなど、就寝前はリラックスを心掛けましょう。
胸が小さくて悩んだときの対策
方法(1)バストアップマッサージ
胸の周りには、リンパ腺が多く集まっています。この部分の凝りをほぐすマッサージを取り入れることが、バストアップに繋がります。
バストマッサージで期待できる効果
- 血行の改善、代謝が上がる
- 血行改善による女性ホルモンの分泌促進
- 代謝アップによる乳腺の発達促進
- 大胸筋が刺激され発達する
胸周りをマッサージする際は、摩擦を減らして滑らかに進めるために、ジェルやオイルを使用するのがおすすめです。特に、胸周りを吊り上げている小胸筋が凝っていると、バストが垂れやすくなります。日常的に、マッサージでほぐすと良いでしょう。
小胸筋をほぐすマッサージ方法
- 鎖骨のすぐ下にある小胸筋のあたりに、人差し指・中指・薬指を置きます
- 軽く押さえながら、鎖骨方向に向かって引き上げ、ほぐします
- 1.2を左右それぞれの胸で交互に行います
方法(2)ナイトブラを着けて寝る
就寝時も、ブラジャーで胸を支えると、バストの形の崩れや垂れを防ぐことができます。しかし、日中に着けるワイヤー入りのブラジャーは、就寝時には締め付けが強過ぎ、血流が滞ることで睡眠の質の低下に繋がります。
就寝時は、専用の「ナイトブラ」を着けて寝るのがおすすめです。胸を締め付け過ぎずに優しく支え、睡眠中のバストの横流れを防ぐことができます。
方法(3)ブラジャーのサイズや着け方を見直す
今着けているブラジャーのサイズや着け方を見直すことも、バストケア方法の一手です。女性の体やバストは、年齢や生活習慣によって、大きさや形が日々変化します。バストサイズを、今一度お店やご自身で測り直してみましょう。
正しいサイズと位置でブラジャーを着用すると、胸元を美しく見せることができます。そして、綺麗にブラジャーを着けられると姿勢が良くなり、より胸が大きく見えます。
美しく見える、正しいブラジャー選びの条件
- 痛みを感じず、着け心地に違和感がない
- バストトップの位置が通常より上がっている
- バージスライン(胸とお腹の境界線)とブラジャーのワイヤー部分が合っている
ブラジャーの正しい着け方
- 肩ひもに腕を通す
- カップの下部分をお腹とバストの境界線に合わせ、ホックを留める
- 近い方の手でワイヤー部分を押さえながら、反対の手をカップ内に入れ、胸を斜め下から持ち上げてカップ内に収める
- 肩紐の長さを調整する
胸を美しく見せるだけでなく、バスト周りの圧迫や痛みを防ぐためにも、自分に合ったブラジャー選びと正しい着け方を心掛けましょう。
方法(4)栄養バランスを考えた食事を取る
女性ホルモンを整え、分泌を促すためには、健康な体を維持することがとても重要です。そのためには、栄養バランスの取れた食生活が欠かせません。
バストアップにおすすめの栄養素は、女性ホルモンの「エストロゲン」と同じ働きを持つと言われている「大豆イソフラボン」です。豆乳や大豆食品に多く含まれていますので、意識的に食事に取り入れると良いでしょう。
ただし、エストロゲンに構造が近いがために、摂取し過ぎると女性ホルモンのバランスが乱れ、生理不順などに繋がる場合もあります。食材だけであればそこまで心配ありませんが、サプリメントなどで摂取する場合は、食事とのバランスを踏まえた上で、量を調整してください。
食品安全委員会の研究によると、大豆イソフラボンの安全な摂取量は、1日あたり70~75mgとされています。
バストアップや育乳に役立つアイテム
(1)バストマッサージに使えるジェル
バストマッサージの際は、肌に摩擦が起こらないよう、ジェルやオイルなどを使用します。胸はどうしても服や下着で隠れる場所ですので、マッサージ後にべたつきの少ないジェルがおすすめです。
さらに、胸のふっくら感に繋がるハリや、しっとりとした質感などもケアできる保湿剤を選ぶと良いでしょう。バストはデリケートな部位ですので、肌に優しい商品であることも大切です。
(2)バストの触り心地をサポートするクリーム
大きさだけでなく、胸の触り心地も、バストケアには欠かせない要素です。バストをふんわりとした柔らかさにケアするクリームも、バストマッサージにおすすめです。
香りの良いクリームを使用すると、楽しくバストケアができるでしょう。
小さい胸も個性!バストケアでさらに自信を
胸が小さいのは、病気ではなく個性の1つです。もしコンプレックスに感じているのであれば、ホルモンバランスを整えたり、食事や睡眠などの生活習慣を改善したりといった方法で、胸が小さい悩みはある程度改善できます。マッサージで筋肉をほぐし、血流を改善することによっても、バストアップが期待できます。
健康的な生活を送ることは、育乳にも繋がります。まずは生活習慣を見直し、正しいバストケアを取り入れることで、少しずつでも自分の胸に自信が持てるようになるでしょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。