藤東クリニックお悩み相談室~産後の生理再開について~
出産後はしばらく生理が来ないようですが、なるべく年子で生みたいと考えています。生理が早く再開してほしいのですが、方法はありますか?
産後はしばらく生理がない?
出産後はしばらく生理が来ないことは一般的な現象です。これは「産後無月経」と呼ばれています。
出産後、多くの女性は授乳中であれば6か月程度、授乳していない場合でも1〜3か月程度は生理が再開しないことがあります。この期間は女性によって個人差があります。
特に授乳中の女性については、プロラクチンというホルモンが分泌され、排卵を抑制するため生理が再開しにくくなります。 ただし、完全母乳育児でない場合や、授乳の間隔が開くと比較的早く生理が再開することもあります。
産後の生理再開は、授乳の頻度、出産時の状態、個人の体質などによっても左右されます。産後生理が再開すると母乳が出なくなる訳ではなく、生理再開後も母乳育児を続けることは可能です。
なお、生理が長期間(特に授乳していない場合で3か月以上)再開しない場合は、ホルモンバランスの乱れなど他の原因の可能性もあるため、医師に相談することをお勧めします。
産後の生理再開の前兆はある?
産後の生理再開前は、生理再開のサインを感じ取れる方もまれにいるかもしれませんが多くの方にとって判断は困難です。そのため、まだ生理が再開していないからと思って避妊をしていなかったら、産後初めての排卵で妊娠してしまうケースもあります。これは生理の再開よりも先に、排卵が起きるためです。
次の妊娠を望まない場合や家族計画がある場合は、生理がないからといって避妊が不要というわけではありません。産後の性行為を再開する際には、コンドームなどの避妊法を確実に実施することが大切です。
産後に生理がこないのは、新たに妊娠している可能性も
産後に生理が再開していない場合、まだ生理が始まっていないだけでなく、生理が再開する直前の最初の排卵で妊娠している可能性もまれにあります。もし性行為を再開している場合は、その可能性があることも念頭においておきましょう。
産後一度も性行為(挿入)をしていなければ、その心配をする必要はありません。
もっと知りたい!産後の生理について
産後の生理再開時期の違い
完全母乳育児、完全ミルク育児、混合育児の違い
完全母乳育児(完母育児)の場合、プロラクチンというホルモンの分泌が継続的に行われるため、排卵が抑制され、多くの女性は生理の再開が遅くなる傾向があります。一般的には産後6ヶ月頃まで生理が来ないことが多いです。
その後産後8か月くらいになると70~80%の方に生理が来ますが、1年くらい来ない方もいます。頻回授乳をしていると、生理再開が遅くなると言われています。
一方で、完全ミルク育児の場合は、母乳育児と比較して生理の再開が早い傾向があります。一般的には産後2〜3ヶ月程度で生理が再開することが多いです。これは母乳を与えていないため、プロラクチン(母乳分泌を促進するホルモン)の分泌が少なく、排卵抑制作用が弱いためです。
計画的に早く第二子を授かりたいから完全ミルク育児を選択する方もいれば、生理が再開すると体調の変化が辛かったり入浴時に手間がかかったりすることからなるべく遅くに再開することを期待して母乳育児を選ぶ人もいるようです。
混合育児の場合はミルクの割合が多ければ早く再開する確率が高くなり、母乳の割合が高いほど再開は遅くなる傾向にあります。しかしあくまで「傾向」であり、完全にコントロールすることは困難です。
生理再開と卒乳の関係
母乳育児をしていても生理が再開することもあれば、卒乳で授乳をしなくなった後に生理が再開する人もいます。
また生理が再開すると、「母乳の味が変わるため、子供の母乳の飲みが悪くなる」という話もあります。ただし実際は子供の母乳への意欲は様々な要因で変化するため、科学的には「味が変わる」ということはないと言われています。母乳は血液と同じ成分から作られているため、生理の出血やホルモンの変動が影響して母乳の出が減少する人もいるため、そういった点が赤ちゃんの「飲み」に関係している可能性はあります。
生理が再開しても母乳育児を続けていくことは可能なので、授乳量に心配がある場合は助産師や医師に相談するといいでしょう。
経腟分娩と帝王切開の違い
産後の生理再開は、経腟分娩と帝王切開のどちらで出産したかで大きな違いはないと言われています。母乳育児しているかのほかには、下記の要素も影響して総合的に最初の排卵が起きる時期が決まります。そして、最初の排卵が起こり、妊娠をしなければその2週間後に生理が来ます。
~産後の生理再開に影響する要素の例~
- 産前の生理周期の規則性
- ホルモンバランスの回復速度
- 出産時の身体への負担の度合い
- ストレスレベル
- 睡眠の質や量
- 体重の変化
- 全体的な健康状態

産後生理再開後の入浴の工夫
産後しばらくぶりに生理が戻ってくると、お風呂の時間に戸惑いを感じる方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんのお世話でバタバタするなか、自分の入浴時間すら確保しづらいのに、生理中のケアまで重なると一層大変に感じるものです。
また、湯船に入ると経血が漏れないか不安だったり、浴槽が汚れることにストレスを感じたりして、「今日はシャワーだけでいいや」となってしまうことも。そんな時こそ、少しの工夫で入浴時間を快適に整えることができます。ご自身の体と心を労わる時間として、上手に調整してみましょう。
家族に協力を頼める場合
家族の協力を得られる環境であれば、ぜひサポートをお願いしましょう。特に生理中の入浴は、できれば赤ちゃんと一緒ではなく一人でゆったりと入るのがおすすめです。
赤ちゃんはパートナーに入浴を任せて、自分は一人でシャワータイムにする
生理中のママ自身が赤ちゃんをお風呂に入れるのは、精神的にも体力的にも負担になることがあります。赤ちゃんの入浴は夫や家族に任せて、ママは短時間でも気兼ねなくシャワーを浴びると、心も体も少しラクになるでしょう。
普段入浴を任せていない場合、任せること自体に不安があるかもしれません。その場合は下記のように一部を分担する方法がおすすめです。
~夫と協力してお風呂に入れるやり方~
- 夫が体を洗い終わったタイミングで呼んでもらい、浴室に連れていく
- 服を脱がせ、夫に子供を渡し二人で湯船に浸かってもらう。不安な場合は風呂のドアは開けたままで見守る
- 体が温まったら、髪や体を洗ってもらう(場合によっては夫が湯船に入ったままの状態で待機してもらい、洗い場で妻が着衣のまま子供を洗う)
- 再び軽く入浴させて、温まったら子供を受け取る
- 体をふいて着替えを着せて水分補給をする
赤ちゃんは日中にベビーバスで沐浴し、ママは夜一人で入浴
生後3か月頃までは、赤ちゃんはベビーバスで簡単に沐浴できる時期です。赤ちゃんだけ先に日中にお風呂に入れておき、夜は家族が赤ちゃんを見てくれる時間に、自分一人でお風呂タイムを取るのもおすすめです。
ワンオペの場合
一人で育児をしていると、誰かに頼ることも難しく、「お風呂と生理の両立なんて無理!」と感じてしまうこともあるでしょう。そんな時は、事前の準備やアイテムの工夫で、なるべくストレスを減らしてみましょう。
月経カップやタンポンを使用する
経血が湯船に流れ出てしまうのが気になる方には、タンポンや月経カップといったアイテムの使用も一案です。ただし、産後すぐの体には合わないこともあるため、違和感がある場合は無理をせずシャワーだけにするのもいいでしょう 。
お風呂上がりにすぐ使えるように、ナプキン装着済みショーツを準備
風呂上がり後すぐに動けるように、あらかじめナプキンをセットしたショーツをすぐ手が届くところに用意しておくのも便利です。赤ちゃんには先にタオルポンチョをかけて寒さを防ぎ、先にママが下着だけ着てしまうとスムーズに動けます。

産後の生理再開時におすすめのアイテム
久しぶりにやってきた生理。「あれ?前よりもにおいが気になる…」「ナプキンの蒸れや不快感がつらい」と感じる方も少なくありません。産後の体はデリケートになっているため、肌への刺激や不快感に敏感になることもあるのです。そんな時に取り入れたい、快適に過ごすためのおすすめアイテムをご紹介します。
デリケートゾーン石鹸
生理中は経血によってデリケートゾーンのにおいが気になりやすくなります。特に産後はホルモンバランスの変化により、肌や粘膜が敏感になっている状態。そんなときは、デリケートゾーン専用のソープを取り入れてみましょう。
臭いの元となる古い角質や汚れをしっかり洗い流すことで、臭いや不快感の対策に役立ちます。

デリケートゾーンウェットシート
育児中はゆっくりシャワーを浴びる時間が取れないこともあります。そんな時に活躍するのが、デリケートゾーン専用のウェットシートです。においやベタつきが気になる時、さっと拭くだけで気分が軽くなるので、忙しいママの強い味方です。
トイレ後にサッとケアがしたいときや、ナプキン交換時の不快感を軽減したいときに。持ち運びも便利なので、育児バッグに常備しておくと安心です。

産後の生理は、周りやアイテムに頼ることで快適に
産後の生理再開は、ホルモンや授乳状況などにより個人差があります。「普通」は人それぞれで、タイミングや感じ方も異なって当然です。
生理の再開は、妊娠・出産を経て体が回復してきたサインでもありますが、排卵は生理より先に起こるため、避妊のタイミングにも注意が必要です。
また、生理中の入浴やケアの不快感も、ちょっとした工夫や専用アイテムでぐっと快適になります。体と心の声に耳を傾けながら、無理のないペースで産後の毎日を整えていきましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。





