藤東クリニックお悩み相談室~毎日性行為する影響について~
タイミング法で妊活をしていますが、中々妊娠しません。毎日セックスをした方が妊娠確率は上がるのでしょうか。また、健康面にデメリットはないのでしょうか。
今回は毎日性行為してもいいか、した方がいいのかについて解説しましょう!
毎日セックスをしても平気?
まず、毎日性行為をすることで健康面にネガティブな影響があるかというと、直接的な影響はないので大きく心配する必要はありません。ただし、毎日性行為をすることで疲労が蓄積されてしまったり、睡眠不足になって体調に影響が出ることはあります。
また、双方が毎日したいと考えている場合は問題ないですが、片方が「毎日は多すぎる」と感じているようであれば、回数を減らす方がいいでしょう。もし毎日でないと性欲の高まりを抑えきれない場合は、自己処理(自慰行為)をすることも一つの選択肢です。
毎日セックスをすると妊娠確率は上がる?
毎日性行為をすれば、排卵のタイミングで確実に性交をすることにつながり、妊娠の確率が上がるのではという考えを持つ人もいるようですが、必ずしもそうだとは言えません。 妊娠は排卵のタイミングで射精をすれば100%妊娠につながるわけではなく、精液の中の精子が卵に到達して受精する必要があります。また、その後着床することも妊娠の条件になります。
第一に、毎日の性行為となると、そのうち何回かは男性が射精に至ることができない可能性が考えられます。そうなると、最も妊娠確率の高い日に十分な量と質の精子が得られず、妊娠に至らないということが考えられます。 また、着床期の性行為は妊娠確率を低下させる可能性があるという報告もあります。そのため、排卵期を過ぎた後でも毎日のように性行為をしていることが、妊娠の確率に影響してしまうことも考えられます。
【参考文献】着床期前後の性交は妊娠率を低下させるSteiner AZ, Pritchard DA, Young SL, Herring AH. Peri-implantation intercourse lowers fecundability. Fertil Steril. 2014 Jul;102(1):178-82. doi: 10.1016/j.fertnstert.2014.03.017. Epub 2014 Apr 18. PMID: 24746744; PMCID: PMC4074557.
毎日性行為したくなるのは性依存症?
性依存症は、単に性欲が強いということとは異なります。性的行動が強迫的になり、それによって本人や周囲の人々の生活に重大な支障をきたす状態を指します。 性依存症の主な特徴は以下の5つが挙げられます。
~性依存症の特徴~
(1)コントロール喪失
性的行動や考えを自分でコントロールできなくなる
(2)悪影響の無視
健康、人間関係、仕事などへの悪影響があっても行動を止められない
(3)耐性の形成
同じ刺激では満足できなくなり、より刺激の強いものを求めるようになる
(4)禁断症状
性的行動ができない時に不安や焦燥感を感じる
(5)日常生活への支障
性的行動や考えが日常生活の機能を妨げる
単にパートナーへの愛情が強く、毎日でも行為をしていたいと感じるだけで、たとえ断られても無理やり行為に至るなどの問題行動がなければ性依存症の可能性を心配しすぎる必要はありません。
もし5つの特徴のような生活への影響を感じるようであれば、病院を受診してみるといいでしょう。
もっと知りたい、毎日性行為する影響について
毎日性行為する上での懸念点
精子の濃度や質が低下する?
毎日の性行為で精子の質(DNA損傷のない精子の割合)が低下するという報告はありません。一方3日以上の禁欲をすると、DNA損傷のある精子の割合が増加すると言われています。
毎日射精した場合の1回あたりの濃度や量については減少がみられますが、2日間の合計数は減少しないので、2日とも性行為をした場合の妊娠への影響は大きく懸念する必要はないでしょう。
早くマンネリになってしまう?
毎日性行為をすることで、相手に飽きてしまうのが早まってしまうのではないかと不安になる人もいるようです。
ただし沢山性行為をすることは、相手の体にどんどん詳しくなることでもあります。相手の快感のポイントを知って性行為の内容をアップデートしていくことで、毎回同じではなく、より心地よい時間が過ごせたり深いオーガズムを感じられるようになることもあります。
また飽きを防ぐために体位のバリエーションを増やす方法もあります。毎回新しいことにチャレンジすることで、新鮮な気持ちで毎日の性行為を過ごせるかもしれません。

毎日性行為するメリット
(1)身体的メリット
まず、性行為がもたらす身体的メリットについて確認していきましょう。
- 軽い運動効果
性行為は軽〜中程度の有酸素運動と同等のカロリーを消費できます - 免疫機能の向上
研究によると、適度な性行為は免疫グロブリンAなどの抗体レベルを高める可能性があります - ストレス軽減
性行為によって分泌されるエンドルフィンやオキシトシンなどのホルモンが、ストレスを軽減する効果があります - 睡眠の質向上
オルガスム後に分泌されるホルモンは、深い睡眠を促進します - 前立腺健康の維持
男性の場合、定期的な射精は前立腺の健康維持に役立つという研究結果もあります
性行為で消費するカロリーは男女やどのくらい激しく動くかによっても異なりますが、30分程度の性行為時間であれば、男性は60〜100キロカロリーほど消費すると言われています。女性の場合は、受動的な体位(例:仰向けの状態)では約40~60キロカロリー、より積極的な体位(女性上位など)では約70~90キロカロリー程度と言われています。
同程度の消費カロリーの運動だと、15分程度のウォーキングや7~8分の軽いジョギングなどが挙げられ、軽い運動効果が得られることが分かります。
また、オルガズムした場合「オキシトシン」というホルモンが分泌され、これは快眠に影響があることでも知られています。
(2)心理的メリット
毎日の性行為には、身体的メリットだけでなく、心理的メリットもあります。
- 親密さの向上
パートナーとの絆や親密さを深める効果があります - 自己肯定感の向上
パートナーから十分な愛情表現を受ける肯定的な性体験は自己肯定感を高めることがあります - 幸福感の増加
性行為後に分泌されるホルモンは幸福感や満足感をもたらします
ただしこれらは双方が毎日の性行為を歓迎してる場合にのみ得られる効果です。回数や頻度にとらわれすぎずに、二人にぴったりのペースを探していくといいでしょう。

毎日の性行為に役立つアイテム
毎日の性行為をより快適にするには、アイテムの力を借りる方法もあります。「飽き」を防ぎ新鮮な気持ちで楽しみ続けるためのアイテムや、不快をケアして体の負担を減らすアイテムなどがあります。
(1)ラブグッズ
新しい刺激を取り入れるために効果的なアイテムの一つにラブグッズがあります。一言にラブグッズといっても前戯に取り入れるローターや、挿入してオーガズムの補助にも使えるバイブ、興奮を高める目隠しグッズなど多岐にわたります。
ローター
安価で音も静かで初めてのラブグッズとして取り入れやすいアイテム。スマートフォン連動で、遠隔遊びができるものもあります。

ローターの例。写真はLCピンクローター(ラブコスメ)

スマートフォンと連動するローターの例。写真はさくらの恋猫 KOROKORO(ラブコスメ)
バイブ
Gスポットを的確に刺激し、女性の感度を高めるバイブ。視覚的に興奮する形というだけでなく、女性の体へのフィットを考えた素材のものを選ぶのもいいでしょう。

先端モーター付きバイブの例。写真はマリンビーンズ(ラブコスメ)
目隠しグッズ、リストバンド

アイピロウの例。写真はラブイマジネーション アイピロウ(ラブコスメ)
アイピロウを使って目隠しプレイを楽しんだり、リストバンドで拘束プレイを楽しむことで、普段とは違う興奮を取り入れることができるでしょう。
(2)ベッド専用コスメ
普段と違った乱れた姿を見たいという欲求を満たすことで、毎日の性行為のマンネリ対策になります。たとえば塗ってマッサージすることでじんじんとした快感をプラスすることができるコスメなどがあります。

(3)潤滑ジェル
毎日性行為をするうえで一番不安なのは身体的負担です。毎日の行為によって女性の受け入れる部分が痛みを感じる場合は、一旦回復するまで性行為を見送る方がいいでしょう。そうならないために、あらかじめ潤滑ジェルを使うことで、デリケートな部分のダメージを軽減することができます。

潤滑ジェルによって滑りがプラスされることで、より快感を得られるようになったという人もいます。
毎日の性行為はメリット多数!妊活への心配は不要
毎日の性行為は健康や妊活を行う上でマイナスであるという報告はありません。むしろストレスが軽減されたり、愛情が深まったりなど身体的にも心理的にもメリットが沢山あります。ただし増やせば増やすほど妊娠確率が上がるということではないので、無理に毎日する必要もありません。
ただし、毎日セックスを行うことは体力や時間が必要なことでもあります。もし一方に負荷がかかるようであれば回数にこだわりすぎず、お互いに心地よく感じられるペースを目指していきましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。





