藤東クリニックお悩み相談~唇の乾燥について~
唇のカサカサは乾燥が原因?
唇は冬など乾燥する季節になると確かにカサカサになることが多いです。しかしカサカサする原因は乾燥だけでなく、栄養なども影響します。乾燥を防ぐだけでなく、そういった要因も一緒にケアをしていくと、より美しい唇を保つことができるでしょう。
唇はなぜカサカサしやすい?
肌には毛穴があり、毛穴の中の皮脂腺から皮脂が分泌されます。その皮脂が肌の表面を覆っていることで水分が蒸発しにくくなり、乾燥が防がれています。しかし唇には毛穴が無く、自然の状態では皮脂に覆われていないため、水分が蒸発しやすい環境です。また、角層が薄く、とても外部刺激に弱い繊細な部位でもあります。そのため、唇は乾燥や刺激によって表皮が硬くなってめくれた「カサカサ」の状態になりやすいのです。
リップクリームを塗っていても唇がカサカサするのはなぜ?
化粧水を使っていても肌の調子が良くなるものもあれば、そうでないものもあります。同じようにリップクリームにも相性があります。また体質に合わない成分が入っている場合もあります。たとえば特定の香料やメントール入りのリップクリームと相性が良くないという人もいます。
こまめに塗っていてもガサガサが治らないようであれば、別の商品を試してみるといいでしょう。
もっと知りたい!唇のカサカサの原因やケア方法について
唇がカサカサする原因
原因(1)空気の乾燥
ご存じのとおり空気が乾燥する環境だと、唇がカサカサしやすくなります。空気が乾燥していない冬以外でも乾燥するという人もいるかもしれません。冬でなくても、夏はエアコンなどで乾燥して、唇が影響を受けることもあります。
原因(2)唇を舐める癖がある
唇が乾燥していると、舐めて潤そうとする人もいるかもしれません。しかしその行動はさらに唇の乾燥を促進してしまいます。唾液が乾燥する際に、一緒に唇の水分が蒸発してしまうのです。唇の乾燥を感じたときは舐めるのではなく、リップクリームを塗りましょう。
また、緊張すると自然と舐めるような癖がある人も要注意です。
原因(3)生活習慣の乱れやストレス
寝不足やストレスで肌荒れしたり胃の粘膜がダメージを受ける人がいるように、唇も影響を受けることがあります。こまめにリップクリームを塗って乾燥を防いでいてもガサガサしたままの方は、こういった部分にも目を向けて改善してみるといいかもしれません。
原因(4)ビタミン不足
唇に影響があるとされるビタミンとして、「ビタミンB」「ビタミンC」が挙げられます。ビタミンBは肌の潤いを保つといわれている栄養素です。特に唇がガサガサするだけでなく口角炎になることが多い人はビタミンB2が足りていない可能性が高いです。肉(レバー)や魚(うなぎ)、乳製品(チーズ)を多めにとるといいでしょう。
ビタミンCはコラーゲンの生成や肌の免疫に影響のあるビタミンです。レモンやアセロラなど果物を意識して食べるようにするといいでしょう。
原因(5)メイク
口紅など使用しているメイクアイテムが合わない、しっかりとメイクが落とし切れていないということも、唇の荒れの原因となります。特にカサカサしやすい季節には、唇に負担のかかる口紅ではなく、色付きのリップケアアイテムや艶を与えてくれる唇美容液を使うという方法もあります。
美容液成分が配合された唇美容液であれば、保湿だけでなくより健やかな唇の印象をサポートしてくれます。また特別な日の前日などに、唇パックとして使用するのもいいでしょう。
リップケアアイテムの種類と特徴
リップケアアイテムと一言に言っても、実は「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」の3つの種類があります。それぞれの特徴を知り、自分の状態に合ったものを使うことが大切です。
(1)リップケアアイテム(1)化粧品
化粧品のリップケアアイテムの目的は「予防」です。主に美しく見せることを目的としたアイテムです。唇の潤いを保ち、乾燥を防ぐことができるのが化粧品になります。
リップケアアイテム(2)医薬部外品
次に俗に「薬用」と呼ばれる「医薬部外品」のリップケアアイテムです。こちらは、唇の荒れやひび割れを防止するための「有効成分」が配合されています。
また唇の荒れには炎症が伴うことがあります。医薬部外品のリップケアアイテムには、こういった炎症を抑える成分を含んだ成分が配合されたものもあります。
リップケアアイテム(3)医薬品
病気の治療を目的としたアイテムが医薬品です。ステロイドなど、医薬部外品より体への作用が強い成分を使用しています。そのため、病気の症状が無い場合は使用は推奨されません。
短期間で症状を治癒するために用い、その症状が治まった後は化粧品や医薬部外品のアイテムで症状が出ないように予防していくというような使い方をします。
唇のカサカサを防止する方法
(1)唇にあったリップケアアイテムを見つける
一言にリップクリームといっても、スティックタイプの硬めのものや指で塗る柔らかめのタイプのものなど種類は様々です。不純物の少ない白色ワセリンやビタミン等を含んだものなどの違いもあります。
(2)こまめにリップケアをする習慣をつける
どんなにいいリップケア用品も、一日に1回しか付けられないのであれば、唇の乾燥を防ぐのに十分とは言えません。相性のいいケアアイテムを使うことも大切ですが、「こまめに使える」アイテムであることも大切です。
柔らかいタイプのリップケアアイテムとの相性がいいものの指でこまめに塗るのは難しいという場合、チューブタイプのアイテムもあります。
(3)唇の角質ケアを行う
唇のターンオーバーの乱れを整えることで、唇のガサガサを予防することができます。ターンオーバーは乾燥のほか角質の蓄積などでも起こるため、定期的に唇に使えるスクラブなどで角質ケアを行うといいでしょう。
唇のカサカサ防止はこまめな保湿から
唇がカサカサするのは、一番に唇の乾燥が原因です。リップケアをしているのにカサカサしてしまう場合は、リップケアアイテムが合っていないか回数が足りない可能性が高いです。
まずは「相性がいい」「こまめに使える」の両方を満たしたリップケアアイテムを探すことから始めましょう。
それでもカサカサする場合は、生活習慣や食生活、メイクが落としきれていないなどの原因も考えられます。それぞれの見直しを行い、一つ一つ考えられる原因を無くしていきましょう。
※本記事の医師監修に関して学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。