妊娠初期に気をつけることには何がある?代表的な症状についても紹介

初めての妊娠で、何に気をつけたらよいのか不安になっているかたも多いでしょう。「妊活しているものの妊娠は不安」と感じるかたもいらっしゃいますよね。

妊娠初期は赤ちゃんだけでなく、母体にとっても大切な時期です。そこで本記事では、妊娠初期に気をつけることを紹介します。初期に見られる症状も紹介しますので、ぜひ参考としてご覧ください。

妊娠初期に気をつけること

初めての妊娠での不安を減らすために、妊娠初期に気をつけることを見てみましょう。

妊娠初期は、嗜好品・生活習慣・食事などに注意が必要です。ここでは、嗜好品・生活習慣・食事にわけて気をつけることを紹介していきます。

今までの生活を見直して、必要があれば改善を考えてみてください。

妊娠初期に嗜好品で気をつけること

妊娠がわかったら、嗜好品に気をつける必要があります。嗜好品では次のようなものに注意が必要です。

  • たばこ
  • お酒
  • カフェイン

妊娠してからやめようとしても、苦戦するかもしれません。そのため、妊娠を希望する段階で、なるべく量を減らしてやめる努力をする方法がおすすめです。

3つの嗜好品について、それぞれ見ていきましょう。

煙草

妊娠がわかったら、なるべく早く禁煙しましょう。妊娠中の喫煙には、次のようなリスクがあります。

  • 早産
  • 流産
  • 低体重児
  • 乳幼児突然死症候群

ニコチンには血管収縮作用があり、喫煙すると胎児に栄養や酸素が行き渡らなくなるおそれがあります。母体や胎児への影響を考えると、喫煙は望ましくありません。

また、受動喫煙も避ける必要があります。家族にも禁煙してもらうか、近くで吸わないようにしてもらいましょう。

お酒をやめる

妊娠がわかったら、お酒は飲まないようにしましょう。妊娠中のお酒は、以下のリスクを高める可能性があります。

  • 胎児性アルコール・スペクトラム障害
  • 早産
  • 妊娠高血圧症候群

胎児性アルコール・スペクトラム障害とは、胎児の形態異常や発達遅延を引き起こす病気です。低体重は成長につれ目立たなくなりますが、ADHDやうつ病などが明らかになる場合があります。少量でも胎児に影響する可能性があるため、妊娠の可能性がある段階でお酒はやめるようにしましょう。

カフェインの摂取を控える

妊娠中はカフェインにも気をつける必要があります。なぜなら、妊娠中のカフェインは低体重・流産・死産につながる可能性があるためです。

WHOでは、1日2杯程度のコーヒーは問題ないとしています。しかし、気になるならカフェインを避けておきましょう。

コーヒーが飲みたいときは、カフェインレスを選ぶ方法があります。ただし、カフェインレスでも、甘いコーヒーなら飲み過ぎに注意が必要です。

妊娠初期の生活習慣で気をつけること

妊娠初期は、生活習慣にも気をつける必要があります。生活習慣では以下に気をつけましょう。

  • 運動量
  • 市販薬
  • 感染症
  • 冷え
  • 睡眠
  • ストレス

それぞれについて解説します。

運動量を見直す

健康管理に役立ちますので、妊娠初期も適度な運動を行いましょう。妊娠初期に起こる流産の多くは、胎児の染色体異常が原因で、運動量は影響しないと考えられています。

ただし、ハードな運動は胎児に影響する可能性があるため、おすすめできません。普段の運動量が多いなら、ウォーキングやストレッチなど、軽い運動にしておきましょう。

妊娠初期は、市販薬・処方薬どちらも、服用に気をつける必要があります。なぜなら、薬によっては胎児に影響をおよぼす可能性があるためです。

体調が悪いときは、自己判断で薬を使用せず、医師に相談してみましょう。医師に相談すると、妊娠に影響しない薬を処方してもらえる場合があります。妊娠前から飲んでいる薬については、あらかじめ医師に相談しておくと安心です。

感染症

初期に限らず、妊娠中は感染症にも気をつけましょう。感染症にかかってしまうと、母子感染のリスクがあります。母子感染とは、微生物やウイルスが、母体から赤ちゃんに感染してしまうことです。

おもな母子感染症には次のようなものがあります。

  • 風疹
  • B型肝炎
  • HIV
  • トキソプラズマ症
  • 水痘
  • 梅毒

感染症によっては、妊婦健康診査で公費負担があります。赤ちゃんの健康を守るためにも、感染症を予防しましょう。

冷え

妊娠初期は、冷えへの対策も必要です。体を冷やしてしまうと、免疫力の低下によって感染症にかかりやすくなってしまいます。

また、冷えは血行不良にもつながるため、注意が必要です。血行が悪くなると、胎児の栄養状態が悪くなるというリスクがあります。

冷房が効きすぎている部屋や、寒すぎる場所は避け、体を冷やさないようにしましょう。夏場でもカーディガンやひざ掛けを活用するのがおすすめです。

睡眠

妊娠中は、睡眠も気をつけたいことのひとつです。妊娠によって眠気が強くなるかたばかりではありません。不安やストレスから、眠れなくなってしまうかたもいます。

眠れないときは、次のような対策がおすすめです。

  • お風呂で体を温める
  • 軽い運動をする
  • 就寝前はパソコンやスマホの使用を控える

母体・胎児の健康を守るためにも、なるべく十分な睡眠を取りましょう。どうしても眠れないときは、産婦人科で相談してみてください。

ストレス

妊娠したらストレスにも気をつける必要があります。強いストレスは、胎児の発育に悪影響をおよぼすおそれがあるためです。

しかし、初めての妊娠が強いストレスとなるかたも多いでしょう。心身ともに不安定な時期ですので、ストレスを感じても無理はありません。ストレスを感じたら、軽く体を動かしたり、趣味を楽しんだりして発散してください。

妊娠初期に食事で気をつけること

妊娠したら、食事にも気をつける必要があります。妊活を始める段階で、食生活を見直してみましょう。まずは、栄養バランスのよい食事が大切です。食事で気をつけることについても内容を紹介します。

栄養のバランスがよい食事をとる

妊娠したら、普段以上に栄養のバランスがよい食事をとるよう意識しましょう。特にとりたい栄養素には以下が挙げられます。

  • 葉酸
  • 鉄分
  • カルシウム
  • 食物繊維
  • たんぱく質

特に妊娠初期は、葉酸の推奨摂取量が多くなります。胎児や母体の健康を守るために、ぜひ意識してとるようにしましょう。

つわりで吐き気や嘔吐があるなら、栄養バランスは気にしすぎなくても大丈夫です。妊娠初期は、母体からの栄養が不足することが少ない傾向にあります。そこで、食べられるときに、食べられるものをとりましょう。

ただし、脱水症状を防ぐために、水分は摂取するように意識してください。

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生ものを避ける

妊娠中はなるべく生ものを避けましょう。なぜなら妊娠中は抵抗力が弱くなり、感染症や食中毒のリスクが高くなるためです。

  • 刺身
  • 非加熱の乳製品
  • 生卵
  • 生ハム

リステリア食中毒やトキソプラズマへの感染を防ぐために、生ものは避けておきましょう。

妊娠初期に見られる代表的な症状

参考として、妊娠初期に見られる代表的な症状を紹介します。代表的な症状は次のようなものです。

  • 基礎体温の上昇
  • 下腹部痛
  • 少量の出血
  • おりものの増加
  • 胃の不快感
  • だるさ・眠気
  • 頻尿・下痢・便秘

どのようなものか、内容を確認してみましょう。

基礎体温の上昇

代表的な初期症状のひとつが、基礎体温の上昇です。そのほかの初期症状には個人差があり、まったく症状が出ない人もいます。しかし、基礎体温の上昇は誰にでも起こるものです。

妊娠すると、黄体ホルモンの働きが高まることによって、高温相が続きます。高温相が3週間続いている場合、妊娠している可能性が高いでしょう。

下腹部痛

下腹部痛も、妊娠初期に見られる症状のひとつです。ホルモンバランスの乱れによって、腸の働きが弱くなり、下腹部痛を引き起こします。

痛みの感じ方は人それぞれです。生理痛と似ていると感じるかたも多いでしょう。

妊娠初期なら、市販の鎮痛剤の服用は避ける必要があります。妊娠の可能性があるときの腹痛には注意しましょう。

着床出血

妊娠すると、着床出血が見られる場合があります。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床して、子宮壁が傷ついたときに起こるとされる出血です。

色や量に目安はありません。生理と同じくらい出血がある人もいます。生理予定日前後に着床出血があっても、区別しづらいでしょう。

着床出血があってもなくても、特に問題はありません。

おりものの増加

妊娠の初期症状として、おりものの量が変わる人もいます。おりものの量が変化するのは、卵胞ホルモン・黄体ホルモンの分泌が増えるためです。

  • 量が増えた
  • 水っぽくなった
  • においがない

おりものに上記のような変化があったら、妊娠の可能性が考えられます。

量が増えたときは、おりものシートを活用すると便利です。こまめにおりものシートや下着を交換して、常に清潔な状態を保つようにしましょう。

胃の不快感

妊娠初期には、胃の働きが弱くなり、不快感が生じる場合があります。胃の働きが弱くなってしまうのは、ホルモンの影響です。

ムカムカする・キリキリするなど、症状や強さは人によって違います。強い不快感によって、食事がとれなくなるかたも多いでしょう。

だるさ・眠気

ホルモンの影響により、だるさ・眠気を感じる人もいます。

  • 寝ても眠気が取れない
  • だるくて起きられない

上記のような状態なら、妊娠初期の症状かもしれません。風邪のときに出る症状にも似ています。だるさや眠気が強いときは、なるべく体を休めましょう。

頻尿・下痢・便秘

妊娠初期は、頻尿・下痢・便秘の症状が出る人もいます。

頻尿になるのは、ホルモンバランスが変化したり、子宮が大きくなったりするためです。子宮が大きくなると膀胱が圧迫され、尿意を感じやすくなります。

便秘や下痢も、ホルモンバランスの乱れが原因です。ホルモンバランスの乱れで腸の運動が鈍くなって、便秘や下痢が起こります。

どちらかといえば、便秘になる可能性が高いでしょう。水分や食物繊維をとり、便秘への対策を行ってください。

妊娠の初期症状が出始める時期

個人差はありますが、初期症状は妊娠3週ごろから出始めます。生理や風邪の症状とも似ているため、最初のうちは気づかないかたも多いでしょう。妊娠の兆候だと気づく人が多いのは、4~5週目です。

妊娠の可能性があると気づいたら、まずは妊娠検査薬で調べてみる方法があります。ただし、週数が浅いうちは偽陰性が出るかもしれません。偽陰性の可能性がある場合は、日を改めて再度調べてみましょう。

初期症状が強い場合はトラブルが起きていることもありますので、早めに病院で相談してください。

妊娠に気づいたら生活習慣の見直しが必要

妊娠していると気づいたら、嗜好品・生活習慣・食事に気をつけるようにしましょう。煙草・お酒・カフェインは胎児に影響するおそれがありますので、特に注意が必要です。

妊娠の初期症状には個人差があります。まったく初期症状がないかたも多いでしょう。

母体や胎児の健康を守るために、妊娠初期は嗜好品・生活習慣・食事に注意してみてくださいね。

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記事監修

藤東 淳也
藤東クリニック院長・医療法人双藤会 理事長日本産科婦人科学会専門医 / 医学博士 / 細胞診専門医 / バイオインフォマティクス認定技術者 / 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 / 日本内視鏡外科学会技術認定医 / 婦人科腫瘍専門医 / 母体保護法指定医 / 新生児蘇生講習会専門コース修了