子宮脱・性器脱

子宮脱とは

子宮脱高齢化社会に突入し、50代から70代にかけての女性に増えているのが、子宮脱(性器脱)と尿失禁です。
前者については、聞いたことがない方も多いと思いますが、実は50%以上の方に起こるといわれている非常にポピュラーな病気です。
子宮脱とはその名の通り、子宮が腟の入り口から脱出してくるもので、最初のうちはほとんど無症状です。

子宮を支える靱帯や筋肉がゆるむことによって子宮や腟が下垂し、腟口から子宮全体あるいはその一部が腟壁とともに脱出してくる病気です。多くは子宮とともに膀胱,直腸の脱垂(膀胱瘤,直腸瘤)を伴います。
子宮脱の程度により、子宮下垂(子宮脱1度)、部分子宮脱(子宮脱2度〜3度)、完全子宮脱(子宮脱4度)というよび方をします。

子宮脱

子宮脱はどうして起こるのでしょうか?

難産や加齢・体質・便秘や肥満・立ち仕事・介護などでいきむことが多い生活習慣により、子宮を支える靱帯や筋肉がゆるむと起こります。

性器脱とは

子宮の前(恥骨寄り)には膀胱が、後ろ(肛門寄り)には直腸がありますので、子宮と共に膀胱や直腸も下がってくることが多く、それら全てをまとめて性器脱といわれることが多くなってきました。
症状は下がってくる臓器によって様々です。子宮だけであれば異物感・違和感、下着などに擦れてびらんや出血を起こしやすくなります。
下垂・脱出により、とくに歩行時に不快感や違和感が生じます。
脱出した腟粘膜が傷つくことにより、出血したり分泌物が増えたりします。
膀胱が下がってくれば、頻尿・残尿感・尿失禁・尿閉を、直腸であれば頑固な便秘を引き起こします。
排便時に力むと下垂・脱出がひどくなります。
また、夫婦生活の障害にもなり、性器脱は命に関わることは少ないですが、QOL(生活の質)を著しく低下させる病気として、注目されつつあります。

子宮脱・性器脱の治療法

治療法軽度であれば体操で
治療としては、軽度であれば、便秘の予防・減量・子宮を支えている靭帯を強くする体操(骨盤低筋群体操)をすることで一時的によくなることがあります。

人によっては、下がってくる子宮や膀胱を手で押し込めば排尿も普通にすることができますので、日常生活に支障がなければ、外来で経過をみているだけの方もあります。
しかし、性器脱は加齢が一番の原因ですので、年数が経つに連れ、下がり具合は悪くなります。

リングペッサリー

腟内にリングペッサリーという器具を入れて子宮の位置を骨盤内に矯正することもあります。
腟内に異物を入れるので、時間が経つにつれ、リング周囲に炎症が起き、おりものや出血が増える原因にもなります。
そのため、リングペッサリーを入れた方は定期的に婦人科を受診し、リングペッサリーと腟壁との癒着が起こらないように、内診もしくはペッサリーの入れ替えをする必要があります。
また強い膀胱瘤(膀胱だけが腟壁から脱出する状態)や直腸瘤(腟後壁が腟の入り口から脱出する状態)には効果が期待できません。

手術療法

根本的な治療としては、手術療法があります。
以前から行われていた方法は下がってくる子宮を腟から切除し、下がってくる膀胱・直腸の壁を縫い縮める方法です。
この方法でリングや性器脱の症状から開放される方がほとんどですが、最大の問題は再発です。
もともと弱くなっている靭帯を縫い縮めても、また靭帯が緩んで脱出する可能性があるからです。
また、高齢で夫婦生活がない方、子宮摘出後などで子宮癌検診をする必要のない方には腟を閉鎖してしまう腟閉鎖術を行うこともあります。

メッシュ(TVM)手術

再発がより少ない手術方法として2000年フランスで考案されたのが、メッシュ手術(TVM手術)です。
性器脱をヘルニアと考えて、弱くなっている靭帯をメッシュで補強する、腟という孔をふさいでしまう方法で、日本でも2004年ごろから一部の病院で行われるようになってきました。
当院でもこの手術方法を2008年から導入しました。
この手術方法では必ずしも子宮をとる必要はないのですが、残した子宮や卵巣に病気ができた時に子宮摘出術が難しくなる可能性があり、また腟粘膜下にメッシュという異物を入れるので炎症や拒絶反応の出る可能性があります。
また長期的に本当に再発が少ないのかというデータや安全性についてのデータに乏しく、当院では、患者さんの状態に応じて手術方法を選択しています。

入院について

手術の為の入院期間はいずれも1週間程度です。
従来の手術方法の方が靭帯を縫い縮めますので、若干痛みは強いかもしれません。
しかし、いずれも鎮痛剤の内服でよくなられる方がほとんどです。
性器脱は、命に関わる病気ではありませんが、人にいえない悩みということでQOLを著しく悪くする病気の一つです。
治療方法はいくつかあり、殆どの方で軽快・治癒が可能です。

子宮脱

内視鏡手術

卵巣腫瘍、子宮筋腫、不妊症や月経困難症などの検査や、治療に内視鏡を用いた手術を行っています。 内視鏡手術に熟練した医師が手術を行ないますのでご安心ください。

不妊症

一般不妊治療(タイミング療法〜授精までの治療)を行なっています。 排卵誘発を行わない自然周期による治療、適切な排卵誘発剤を用いた排卵誘発周期による治療などがあります。

子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部の粘膜上皮(表面の細胞)に「がん」ができる女性特有の病気です。女性に起こるがんとしては世界的に、乳がんに次いで発症率、死亡率ともに第2位です。

婦人科の病気

忙しくてついつい見逃してしまうことの多い「婦人科の病気」。女性が社会に進出したり、また妊娠・出産回数が減ったりすることによって女性特有の病気の内訳もだんだん変わってきているのです。
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