お知らせ
2018年10月31日
公益社団法人日本産婦人科医会 会長 木下 勝之
“風疹ゼロ”プロジェクト作業部会代表 平原 史樹

風疹の流行が現在も続いております。米国 CDC(アメリカ疾病管理予防センター)からは 2018 年 10 月 22 日付で風疹流行につき、予防接種や過去の感染歴がない妊婦の日本への渡航を控えるよう警告が出ています。
現状では特に都会での風疹感染例が目立ちますが、都会と地方との往来は活発であり、20 代後半から 50 代(特に男性例)の大人同士の感染例が目立っております。
一方、女性の罹患例は、全体の 20%程度を占めます。そのうち、ワクチン接種既往が明確でない 20 代以降の女性にも発症例がみられますので、妊娠女性においても、風疹抗体価が HI 16 倍以下の場合は、十分に警戒する必要があります。
このような現状から、注意喚起の第 3 報を出すことといたしました。

産科医ならびに妊婦自身にお願いしたいこと(特に流行が懸念される地域)

 いまは大人同士での風疹が流行しています。
 軽微な症状の患者は(受診等せずに)感染力をもったまま社会で行動している場合があります。
 妊婦(20 週未満)自身が風疹に巻き込まれないように注意し、また指導等をお願いいたします。
 風疹流行の最新情報は国立感染症研究所の HP からご覧になれます。
http://www.niid.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/rubella-top/700-idsc/2131-rubella-doko.html

妊婦を守るためにすべての皆様へ再三にわたるお願い

① 風疹の罹患歴がなく、1 歳以上で 2 回の予防接種記録がないすべての人は、【麻疹風疹=MR】ワクチンの接種を受けて下さい。
② 30 代から 50 代男性は風疹の免疫を持っていない人が多く、ぜひ【麻疹風疹=MR】ワクチンの接種を受けて下さい。いま、この世代の男性においては、夫を含め風疹ウイルス感染者がどこにいるかわからない状態が続いています。

風疹について

■潜伏期間 14〜21 日(平均 16〜18 日)です。
■初発症状は
①発熱
②耳介後部、後頭部などの首の後ろのリンパ節の腫脹
③全身の発疹で、それは淡紅色の小紅斑や小丘疹を呈します
④眼球結膜が充血し、眼が赤くなります。
なお、症状を伴わない不顕性感染も 15-30%みられます。
(*)どのようにすればすこしでもうつされないか?
・感染は、くしゃみ、咳、唾液のしぶきなどの飛まつによってほかの人にうつります。インフルエンザと同様に、接触感染でも感染します。
・発疹の出る 1 週間前から症状が消えるまでの期間、感染します。
・不顕性感染でも感染力はあります。
・症状の出揃う時期がうつりやすいピークとなります。
・症状が強いときほど感染力は強いですが、症状がない時にも感染力があることに注意が必要です。
・風疹予防はワクチンで防ぐことが最も重要です。
■妊娠 20 週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、お腹の中にいる赤ちゃんにも感染して、赤ちゃんの眼や耳、心臓に影響が及ぶ先天性風疹症候群(#)が出現するおそれがあります。
(#)先天性風疹症候群とは、主に妊娠初期ですが、妊娠 20 週頃までの妊婦が風疹ウイルス感染することによって、難聴、心疾患、白内障などの障害をもって生まれた赤ちゃんのことを言います。その赤ちゃんは、その後、発育の遅れがみられることがあります。

風疹抗体検査の支援とワクチン接種

■成人女性、夫、パートナー等を対象とした風疹抗体検査の費用助成事業が行われています。お住まいの市区町村保健担当部署に問い合わせをして、積極的に利用してください。
■妊婦さんはまずかかりつけの産科医にご相談ください。
かかりつけ医が風疹に関して正確な情報を得るためには、全国の主要大都市に設けてある 2 次相談窓口
(風疹り患妊婦 2 次相談施設 : 2018 年 1 月 22 日現在)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/rec_20180122.png
にご相談いただくこともできます。